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ひと色展は多彩な領域、思い出の中

    人生、一瞬の出来事が『ひと色展』で蘇る

    わたしが生まれたときから、実家には犬がいた
    大型犬は散歩させてもらえず
    小型犬か中型犬を連れて歩いていた

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    うちには“テン”と名付けた柴犬がおり
    テンは実家で、王子さまだった
    賢いのもあるが、テンの親が何かで優勝した犬
    テンももれなく「美犬」だった

    上げ膳据え膳のテンは、おっとりしていた

    よく晴れた冬、テンと山林へ散策に向かうと
    野良犬3頭に囲まれた
    「王子さま」は本能が抜かれて立ちすくむ
    だからといって、野良犬は容赦ない

    わたしは陸上部だったので
    「王子さま」を抱え、山林を全力疾走した

    冬でも常緑樹は木漏れ日をもたらし
    その中を無我夢中で駆け降りた
    わたしにしがみ付く王子さま…ん?
    「テンさん、あなた、番犬じゃないの⁈」

    木漏れ日の色は、テンの生涯を彩った
    家では不機嫌な祖父や父も、テンには甘く
    子は鎹(かすがい)ならぬ、「テンは鎹」
    家族の緩やかな愛情を一心に受けた

    そしてわたし達は
    泉湧きたる流域や山林を歩き回り、思い出を作った

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    人の淋しさは対象によって癒される、淋しさ わたしの淋しさは 万物でも癒されない定めの淋しさ 手に握る砂が指から零れてしまう 狂人には沈黙を、佳人には微笑みを わたしはわたしの道を歩んでいるだけなのに ©️ももまろうめこのnoteは私に著作権があります 無断転載禁止です

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