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「流される」ことは恥ではない― 経営に宿るしなやかな美学―

    吉本紳華(しんか)

    曽野綾子さんの『流される美学』に、こんな一節がある。

    「大体において運命に流され、
    ただほんの少しだけ、常に流れに棹さして、
    自分の好みを通す―くらいの生き方がいい。」

    この言葉に、私は静かにうなずいた。

    私たちは経営の中で、「すべてを自分の意志で決めている」と思いがちだ。
    だが実際は、時流、世の中の空気、社員の気持ち、顧客の動き…
    あらゆる“流れ”の中に身を置いている。

    抗うこともできる。
    けれど、常に力を入れっぱなしでは、心も体も持たない。

    だから私は思う。
    「流される」ことは、経営者としての弱さではない。
    それは、環境を受け入れ、人を尊重しながらも、
    ほんの少しだけ、自分の“好み=信念”を棹として差し込む技なのだと。

    全部を変えようとしなくていい。
    全部に抗おうとしなくていい。

    けれど、自分だけは見失わない。

    このわずかな棹の角度が、5年後、10年後に、
    思いがけない場所へ会社を運んでくれる。

    流される。けれど、舵は手放さない。
    その“しなやかな経営”に、私はこれからも美学を見出していきたい。

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    #伴走する経営

     
     
     
    経営コンサル歴20年。 売り込むのが苦手で、気づけば紹介と口コミだけでやってきました。 「今ここ自分」を大切にしながら、目の前の人とまっすぐ向き合うのがモットー。 NOTEでは、経営の現場での気づきや、等身大の思いを発信していきます。 人間味とユーモアを忘れずに、ゆっくりと。

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