よく晴れた朝だった。
昨夜の余韻を胸に、私は図書館へ続くゆるやかな坂道を上っていた。
ふと見上げると、一枚の枯葉が風に乗って舞い落ちてきた。
秋も少しずつ深まっているらしい。
図書館の玄関に立つ。
小さな眼鏡職員は本を配架し、
係長は新聞を入れ替え、
司書リーダーは今日の予定を確認していた。
花壇では、もんげーじいちゃんがもう庭仕事を始めている。
いつもの朝だった。
皆が私に気づく。
「館長、おはようございます」
「よろしくお願いします」
声が重なる。
私は静かに手を振った。
そして今日も、坂の上の図書館の一日が始まる。
(完)