風邪にかかって倒れました その3
実は幸いなことに、自分が東京で風邪にかかったとき、母が地元の実家から東京に来ていました。
風邪にかかった月曜日の夜中には、三十九度まで熱が上がり、意識が少し朦朧としていました。
最悪の状態ではありませんでした。
しかし、かなり衰弱してしまっていました。
だからこそ、母がいてくれたことは、とても幸運なことでした。
自分は、母に看病してもらいました。
母は自分の食事に対して、特に気遣ってくれました。
母のお手製のコーンスープやそうめんや雑炊を食べたとき、そこからほんのりと、母の味がしました。
そして、自分がベッドで寝込んでいる間、自分は果たして大丈夫なのだろうか、自分は大病にかかったのではないか、自分はこのままだと死んでしまうのではないかと、不安な事柄について母に正直に言いました。
母は、大丈夫と言ってくれました。
何だか、幼少期の頃に忘れていたものを思い出したような気がしました。
そうして母に世話になっているとき、やはり自分の傍に誰かがいてくれるのは大切なことなのだと、実感しました。
確かに自分は自由に生きています。
そして、自由の力を発揮して生きて行くことは、創造的なことであり、楽しいことです。
しかし、それだけでは足りません。
自由に生きることも大事ですが、やはり人との絆だって大事なのです。
風邪にかかったときに、母の看病の際に母の温情に触れたことによって、せめて親密に関われる人とは関わりたいと思いました。
やはり協調性は大切なのです。
自由も大切ですが、協調性も大切なのです。
誰かと心が互いに響き合うことは、大事なのです。
そのことを、母の看病によって、実感しました。