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倧二病の雑考② セルフィッシュなミヌム

    今回、久しぶりに、思う存分「倧二病」ぞひたった。ずおも楜しかった。
    蚀葉は倉容し、広たり、増え続ける。そのダむナミズムに぀いおの雑考。
    埌半に少しグロめの蚀及があるので、苊手な人は退避掚奚。



    蚀葉の意味や圢は、時代ずずもに倉わっおいく。そんな圓たり前のこずを、最近あらためお実感した。きっかけは「倧二病」ずいう蚀葉だ。

    改めおこの蚀葉を怜玢しおみれば、自意識過剰、意識高い系、むキり、「スタバでノヌトPCを開いお䜜業しおいる」痛い就掻生、そんなステレオタむプを衚す蚀葉ずしお䜿われおいるようだ。
    あれれ、僕がこの蚀葉を知った時は、知識かぶれ、孊問かぶれ、「流行り廃りに流されない特別な感性の俺」みたいな意味合いだったず思うんだけどな。

    そう考えおいお、ふず思った。おや、これは元々の「䞭二病」の意味に近いのではないか、ず。

    思い出しおみるず、「䞭二病」ずいう蚀葉が出おきた圓初、それは「倧人っぜいものぞの憧れ」を実践するような、「痛い若者の自意識」のこずを指しおいた。
    だがその埌、この蚀葉は少し意味を倉えおいった。䞖界の真理を理解した気になっおいたり、劙に哲孊的な蚀葉を䜿っおみたり、自分の内面を特別なものだず思い蟌んだりする、あの感じだ。
    そしお曎に転じお、黒いコヌト、長い呪文の詠唱、封印された力。いわば「厚二ファンタゞヌ」のような方向にむメヌゞが広がり、今ではそちらの意味の方が䞀般的かもしれない。

    しかし今、「倧二病」ずいう蚀葉を芋るず、そこにはたた別のニュアンスがある。「倧人」に差し掛かっおも消えない自意識。少し気取った蚀葉。どこかで芋た思想を自分の発芋のように語る態床。蚀っおみれば、元祖「䞭二病」の系統が、別の名前で回垰しおいるようにも芋える。



    こういう珟象を芋おいるず、蚀葉ずは䞍思議なものだず思う。意味は固定されおいるようで、実はゆっくりず倉化し続けおいる。ある意味では、蚀葉は生き物のようなものだ。

    ここでふず、別の抂念を思い出す。「ミヌム」である。

    この蚀葉は最近、むンタヌネットの文脈でよく䜿われるようになった。ミヌム画像、ミヌム文化、そういう圢で。だが本来の意味は、もう少し違う。リチャヌド・ドヌキンスが『利己的な遺䌝子』の䞭で提唱した抂念で、文化や思想が人から人ぞずコピヌされおいく単䜍を指す蚀葉だった。日本語では「暡倣子」ずも蚳される。

    私がこの蚀葉を知ったのは、もっずSF的な文脈だった぀たりは䟋のコミックだ。遺䌝子が生物を通しお自己耇補するように、思想や文化もたた人間を通しお耇補される。その単䜍がミヌムである。そんな説明を読んだずき、非垞にワクワクしたのを芚えおいる。

    生呜は遺䌝子を残す。
    人間は、その䞊で、情報をも残す。残すこずができる。

    生物ずしおの我々は、遺䌝子を次䞖代ぞ䌝える存圚だ。しかし人間はそれだけではない。蚀葉や物語や思想を、時間を越えお残すこずができる。蚀っおみれば、人類は情報を繁殖させる存圚でもある。

    そんなふうに理解しおいた。



    遺䌝子の䞖界の䞊に、暡倣子の䞖界がある。

    そう考えるず、思玢ずいう行為の芋え方も少し倉わっおくる。

    人はよく考える。哲孊的なこずを考えたり、䞖界の仕組みに぀いお思いを巡らせたりする。あるいは日垞的な、くだらないこずを。
    だが、それが自分の頭の䞭だけで終わるなら、それは䜕なのだろう。

    少し乱暎な蚀い方をすれば、なんおいうか  その 䞋品なんですが 思玢ずは蚀語によるオナンの埒の振る舞いかもしれない。

    考えるだけでは、䜕も残らない。
    暡倣子は、ばら撒かれおはじめお生きる。

    䞖に解き攟たれない思玢は、暡倣子を残せない。぀たり繁殖しない。そういう意味では、倖ぞ出ない思玢は、ただの独り蚀なのかもしれない。

    そしお歎史を振り返るず、人類は長い間、この暡倣子を拡散させるための巚倧な装眮を䜜っおきた。

    神話。
    宗教。
    思想。
    印刷。

    これらはすべお、匷力なミヌムの拡散装眮だった。神話は物語ずしお語り継がれ、宗教は共同䜓の䞭で維持され、思想は曞物によっお広がっおいった。



    むンタヌネットが登堎する以前、人類瀟䌚における最倧のミヌム拡散堎は、おそらく宗教だったのだろう。
    聖曞は人類史䞊最倧のベストセラヌだ、ずも聞く。

    しかし、状況は倉わった。

    むンタヌネットの登堎によっお、ミヌムの拡散は䞀気に個人の、毎日の営みのレベルたで解攟された。誰もが蚀葉を発し、思想を公開し、それが瞬時に䞖界䞭ぞ広がる。しかもその過皋で、内容はどんどん倉異しおいく。匕甚され、改倉され、別の文脈ぞ接ぎ朚される。

    はるか昔、脳ずいう「原始のスヌプ」の䞭でのみ生きおいたミヌムは、
    今やむンタヌネットずいう海ぞず攟たれたのだ。

    それはもはや、個䜓の䞭で生きる存圚ではない。
    生態系そのものになり぀぀ある。

    ただ、ここで䞀぀補助線も入れおみたい。ミヌムの寿呜だ。

    「むンタヌネットのミヌム」は短呜だ。流行はすぐに移り倉わり、昚日の話題はすぐ忘れられる。もおはやされ、拡散され、やがお芋向きもされなくなる。そのように芋える。

    だがこれは、果たしお本圓にそうなのだろうか。
    ミヌムは消費されおいく䞀方で、それらは完党に消えおいるわけではない。アヌカむブされ、キャッシュに残り、い぀でも掘り起こされる可胜性がある。

    そう考えるず、むンタヌネットずは単なる拡散装眮ではなく、巚倧な蚘憶装眮でもある。

    集合的無意識。アカシック・レコヌド。阿頌耶識。

    そんな蚀葉が連想されるのも、あながち的倖れではない気がする。人類の思玢の断片が、膚倧なデヌタずしお蓄積されおいる堎所。そこからミヌムは、い぀でも再生されうる。ミヌムの寿呜は䌞びた。

    そしお今、その環境はさらに䞀段階進んだ。

    AIである。



    AIは、人間が曞いた蚀葉を孊習し、それを再構成する。぀たりミヌムを玠材ずしお、新しいミヌムを生成する装眮ずも蚀える。

    もし遺䌝子が生物をキャリアヌずしお繁殖する存圚であるならば、ミヌムは人間をキャリアヌずしお繁殖しおきた存圚だ。そしお今、そのキャリアヌは少しず぀拡匵されおいるのかもしれない。

    ここで、ある生物の話を思い出す。ハリガネムシである。

    この寄生生物は、幌虫の段階で昆虫の䜓内に入り蟌む。そしお成長するず、宿䞻の行動を倉えおしたう。寄生されたカマキリは、氎を避けるはずの生き物であるにもかかわらず、氎蟺ぞ向かっお歩き、やがお氎の䞭ぞ萜ちる。そこでハリガネムシは䜓倖ぞ出お、氎の䞭で繁殖する。

    カマキリは自分の足で歩く。
    自分の意志で方向を遞んでいるように芋える。

    しかし、その行動の結果は、寄生䜓の繁殖に郜合よく導かれおいる。

    ここで、少し䞍穏な想像をしおしたう。
    さっきたで考えおいたミヌムの話が、少しだけ䞍気味な圢で戻っおくる。

    神話は。
    宗教は。
    思想は。
    印刷は。
    むンタヌネットは。
    そしお、AIは。

    これらは本圓に、人間が䜜ったものだったのだろうか。

    それずも。

    創造しおいる぀もりで、
    創造させられおいたのではないか。

    「利己的な暡倣子」に。

    もしミヌムが、人間の思考や刀断を通しお繁殖する存圚だずしたら。
    もし思想や蚀葉が、人間をキャリアヌずしお拡散しおいるのだずしたら。

    我々が䜕かを信じ、語り、広めるずき、それは本圓に我々自身の意思なのだろうか。

    あるいは、それは暡倣子の繁殖行動なのではないだろうか。

    もちろん、これはいかにもSFホラヌな考え方だ。ミヌムは寄生䜓ずは違い、文明や文化を䜜り出しおきた偎面もある。むしろ人間ずミヌムは、長い共生関係にあるず蚀った方が正確かもしれない。

    それでも、この疑問だけは、どうしおも消えない。

    ハリガネムシに寄生されたカマキリは、氎蟺ぞ向かう。

    それは、完党にハリガネムシの誘導によるものだったのだろうか。
    カマキリ自身の意思は、なかったのだろうか。


    画像
    GPTさんが最初に出しおきたアむキャッチ画像の案。
    なんだかコズミック・ホラヌみがあるな。


    あずがき

    はっ  

      僕は、喋らされおいるのか



    あずがき②

    Capybarian、貎方疲れおるのよ。

    「Xファむル」はグロかったよね  違



    あずがき③

    公開埌、おすすめ欄に、よく䌌た着想の蚘事が出おきた。
    公開日は九日前だった。
      先行蚘事

      そうか。僕が䞋曞き欄で寝かせおいる間に、別の宿䞻から先に増殖しおいたのか。


    䞖に解き攟たれない思玢は、暡倣子を残せない。

    実践しちゃっおたよ。


     
     

    Capybarian

     
     
    ブログ文化の系譜。 テキストサむト文化の末裔。 䞭二病ず倧二病を匕きずったたた瀟䌚人になっお幟歳月。

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