
スイカを買うことを自分に許可🍉夫が好まなくても買っていい
晩ご飯をどうにも作る気になれなかったある日。
夫君に申告し、じゃあスーパーに買いに行こうということになった。
時刻は夕方の6時過ぎ。
地方都市の夕暮れ時といえばスーパーの売り場としてはそろそろ終盤。
パックされたお寿司やらお惣菜などはだいぶ品数も減り、モノによっては値引きシールが貼られ刻々と陳列棚から消えていく、
いわばお惣菜争奪戦もそろそろ終わりな時間帯。
そんな状況であることを承知の上で、入店。
しかし何故か、その時の私はふらふらと入り口近くの果物コーナーに吸い寄せられてしまった。
早くお惣菜コーナーに行かなきゃなのに…。
果物売り場といえば、
進物用などの高級フルーツなどの横に、さまざまなフルーツがキレイに並び、
パイナップルなんかもあったりしてなんだかトロピカルなキラキラとした雰囲気が充満している。
その日は、カットされた赤いスイカがパックに詰められ、どれも値引きシールが貼られていてキラキラと輝くみずみずしい断面に、目が釘付けになるのだった。
…ちょうどいいサイズ感…。
…手の届く価格帯…。
カット済みで手間もかからないし、
何より今の私は喉も乾いてる上にバテている。
普段はそんなにカットフルーツは買う習慣はないのだが、
なんとなく、
「最近の私は違う!!」
「食べたいものを食べたい時に買っていい!!」
という、
自分で自分に許可を出しちゃうシステムを発動することにした。
私は吟味してスイカのパックを手に取り、カゴに入れた。
隣で様子を見ていた夫君の顔を見る。
夫君は、フルーツ全般を軒並み食べないタイプの人である。
唯一例外はグレープフルーツで、グレープフルーツが食卓に登るととてもニコニコと機嫌が良くなるのでたまにとっておきの必殺技として繰り出す私の中では珍重されるフルーツである。
そんな夫君は、スイカがレジカゴに収まるのを見てどんな反応をするだろう…。
思えばこれまで、夫君の好む食べ物をなるべく選ぶような買い物をし、
伴って自分の好きな食べ物でも夫君が好まなければ選ばない、
そんなスタイルがいつのまにか定着していた。
がしかし、最近の夫君は理解がある。
長年のじんわりとした私の主張をついに理解してくれたのか、
それとも年齢と共に人格が丸くなったのか。
フルーツも好きなのを買ったらいいよと言ってくれるのである。
そうだ。買ってもいいんだよね。
今回はそれを、実行しよう。
あえてなんでもない風に、
ニコニコと当然のように、
スイカのパックをレジカゴに入れて見せた。
結果、良かった。
夫君は何も言わずに、次の売り場へ行こうと促した。
やった!やりました!
いい。
これで良いのだ。
常に夫君の好みに合う食材だけを買う必要はない。
夫君が好きじゃないものでも、
私の好物だったら買っていい。
夫君はビールも買えばおつまみも買うし、
私は好きなフルーツを買ってもオッケー。
いつのまにか自分で自分に謎の我慢、
謎の制限をかけていた。
それに気づいた今、
自分で自分に許可を出す。
その後、お惣菜コーナーで良さげなハンバーグやゴーヤチャンプルーなど、
お値引きシールのついたお惣菜をホクホク顔でゲットして帰宅。
ご飯は炊いてあったので、
買ってきたお惣菜をお皿に盛り付け、温め、
美味しくいただいた。
カット済みのスイカは、
赤いけれども赤すぎない、
けれどみずみずしく潤った見た目でテーブルの上をとても美しく彩ってくれた。
自分用に2切れ
夫君にも2切れ
それぞれガラスの器に盛って出したが、
夫君も何も言わずに2切れ食べた。
口に入れると甘すぎない果汁でお口がいっぱいになる。
噛んでしまえば果肉などはほとんど残らず、
ほとんど液体でほとんど飲み物だなと思うが
そのごくごく感がうれしい。
ああ…。
私はスイカを食べる人生に戻ってきた…。
そんな感慨をおくびにも出さず、
黙々といただく。
翌日残りは全て私がいただいた。
食べれないわけではないが、積極的に食べたいとは思わない、のだそうだ。
今までそのフレーズを何回も聞き、
じゃあいっか…、と買わずにきたが、
別に買ってもいい。
これでいいのだ。
なんだかとても満足した。
今年の初物。
フルーツが好きで初物が好き。
美味しいものを食べるのも好き。
喜ぶ顔が見たくて、
夫や息子の好物は選ぶのに、
自分の食べたいものは何故か選んでこなかったんだと、
ふと気づく今日この頃。
自分で自分にかけていた制限を、
やめたら気持ちが、すっと軽くなった。
初物スイカが気づかせてくれた。
気づけて良かったと思う。
好きな果物は、
スイカ以外にもいっぱいあるんだけどね!
お財布と相談しながら楽しみたい。