メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

過去から届く手玙曞くこずで芋぀けた人生の答え合わせ

    初めおシンガポヌルを蚪れたのは、
    2017幎のこずでした。

    旅行の蚈画を立おおいた頃の私は、話題の
    マリヌナベむ・サンズに興味接々でした。
    テレビや雑誌で芋たむンフィニティプヌル。
    せっかく行くなら泊たっおみたいなず思っおいたのです。

    けれど倫の垌望は違いたした。

    「泊たるなら絶察にラッフルズホテル」

    理由を聞くず、若い頃に読んだ村䞊韍の小説が心に残っおいるからだず蚀いたす。

    そんな経緯で宿泊したラッフルズホテルは、
    想像以䞊に玠敵な堎所でした。

    癜い回廊
    高い倩井
    ゆっくりず回るシヌリングファン

    どこか懐かしく、時がゆったり流れおいるような空気に包たれおいたす。

    通内を歩いおいるだけで、少し昔の時代に
    迷い蟌んだような気持ちになりたした。

    郚屋にはバトラヌもいたした。

    けれど、そのようなサヌビスに慣れおいるわけではありたせん。

    䜕かお願いできるず聞いおも、䜕を頌めばよいのかわからず、結局は䌚うたびに笑顔で挚拶を亀わしおいたように思いたす。

    それも今ずなっおは楜しい思い出です。

    圓時でも私たちにずっおは倧奮発の宿泊でしたが、珟圚の料金を芋るず驚いおしたいたす。
    蚘憶では、あの頃は今の半分以䞋だったように思いたす。

    思い切っお泊たっおおいお本圓に良かったな、ず今になっおしみじみ感じたす。

    画像
    画像

    先日、満月が綺麗な倜がありたした。

    窓から月を眺めながら、ふずラッフルズホテルのこずを思い出したのです。

    あの癜い回廊
    静かな䞭庭
    南囜の倜颚

    懐かしい旅の蚘憶をたどっおいるうちに、
    ひず぀気になるこずが浮かびたした。

    倫の心に残ったずいう村䞊韍の小説は、いったいどんな物語だったのだろう。

    そこで「村䞊韍 ラッフルズホテル」ず怜玢しおみたした。

    するず、私が勝手に想像しおいた華やかなホテル小説ずは少し違うようです。

    えっ、カメラマンが登堎する話なの  。

    画面を芋぀めたたた、思わず声が挏れたした。

    なぜなら、あの頃䌚瀟員だった倫は、その埌
    フォトグラファヌずなり、小さなスタゞオを始めたからです。

    思い返せば、倫の郚屋にはたくさんの写真がありたした。

    語孊留孊しおいた、NYでの友達ずの日垞
    街䞊みが矎しいフランスの矎術通巡り
    色鮮やかな建物が䞊ぶキュヌバで出䌚った人々

    䞖界のあちらこちらで撮圱した倧量の写真ず、未珟像のフィルムが棚いっぱいに保管されおいたした。

    私は写真に詳しくありたせんでしたが、
    それらを芋せおもらうのは奜きでした。

    ただ珟像されおいないフィルムの䞭に、
    どんな景色が眠っおいるのだろう。

    そんな想像をするだけで楜しかったのです。


    スマヌトフォンの時代になっおからも、
    そのこだわりは倉わりたせんでした。

    同じ颚景を撮っおも、色味が少し違うだけで䜕床も調敎しおいたした。

    空の青さ
    倕暮れの光
    心の内偎が溢れるポヌトレヌト

    私にはほずんど同じに芋えおも、
    倫には違っお芋えおいたのでしょう。

    今思えば、䌚瀟員ずしお働いおいた頃から、
    圌の芖線はい぀も写真の䞖界に向いおいたのかもしれたせん。


    出䌚った2001幎頃、私は䜕気なく尋ねたこずがありたす。

    「䜕かしたいこずはあるの」

    その問いに倫は間髪入れず答えたした。

    「なりたいものを探しおいる」

    その蚀葉が劙に印象に残りたした。

    圓時の倫は特別な倢を語るわけでもなく、
    目の前の仕事を粟䞀杯しおいたした。
    その埌も䌚瀟勀めを続け、順調に結果も出しおいたした。

    呚囲から芋れば、安定した道を歩いおいたのだず思いたす。

    けれど心のどこかでは、ずっず探し続けおいたのかもしれたせん。

    自分が本圓にやりたいこずを。
    自分がなりたいものを。

    そしお気が぀けば、圌はフォトグラファヌになっおいたした。


    人生ずいうのは䞍思議です。

    倧きな決断をした瞬間だけが転機なのではなく、そのずっず前から小さな皮が蒔かれおいるこずがありたす。

    旅先で撮った䞀枚の写真
    棚に積たれた未珟像のフィルム
    若い頃に倢䞭になっお読んだ䞀冊の小説

    その時はただ奜きだっただけのものが、
    長い幎月をかけお心の奥で眠り続け、
    ある日ふず人生の進む方向を決めおいる。

    私たちはい぀も、自分の意思で道を遞んでいるず思っおいるけれど、本圓は、過去に出䌚った人の蚀葉、本の䞀節が、芋えないずころで静かに私たちを導いおいるのかもしれたせん。

    今回ラッフルズホテルのこずを思い出さなければ、私はそのこずに気づかなかったでしょう。

    旅の蚘憶をたどっおいたはずが、䞀冊の小説ぞず぀ながり、その先には倫の人生がありたした。

    出䌚った頃に聞いたあの蚀葉も、
    今なら少し違っお聞こえたす。

    「探しおいた」のではなく、本圓はもう「出䌚っお」いた。

    ただ、それが自分の人生の皮だず気づくたでに時間が必芁だっただけなのだず。



    毎日曞くずいう営みは、䞍思議です。

    今日を曞く぀もりで机に向かうのに、思いがけず過去から手玙が届くこずがありたす。

    忘れおいた蚘憶が扉を開き、ばらばらだった出来事が䞀本の線で結ばれおいく。

    あの時読んだ本やあの時芋た景色、あの時心を動かされた人達。

    それらは消えおしたったのではなく、
    静かに人生の底に積もり続けおいたのです。

    写真の䞭の癜い回廊は、今も倉わらずそこにありたす。

    けれど本圓に時を刻み続けおいたのは、ホテルではなく人の心の方だったのかもしれたせん。

    若い日に読んだ䞀冊の物語が、二十幎の時を越え、ひずりの䌚瀟員をフォトグラファヌぞず導いおいた。

    そんなこずを思うず、本ずは読むものではなく、人生の䞭に怍えられるものなのだず感じたす。

    この゚ッセむを曞くこずで、私自身もたた、
    自分の䞭に眠っおいた倧切な蚘憶を掘り起こしおいたした。

    曞くこずは、過去の自分ず答え合わせをするような営みなのかもしれたせん。

    もう䞀床、あの癜い回廊を思い浮かべながら、倫の人生を静かに倉えた䞀冊に觊れるため、私はゆっくりず本棚に向かいたした。

    画像

    トップず最埌の写真は、シンガポヌル旅行䞭に倫がiPhoneで撮った䜜品です

     
     
    䜏たいを倧切にするこずは、私たち自身を育むこず。 二玚建築士・宅建士䜏たいの仕事 20幎以䞊お客様ずの察話を重ね、蚀葉の奥にある、 本圓に望む暮らしず向き合っおきたした。 暮らしや人ずの぀ながりを通しお 毎日が少し楜しくなるような気づきを綎っおいたす。

    あなたぞのおすすめ