
アリになりたかったキリギリス〜2〜草の家
キリギリスはアリのように丈夫な家をつくることにした。
キリギリスの手では、うまく地面をほることができなかった。
でも、草をきることができたので、
たくさん草をあつめた。
あつめた草を干してかわかした。
毎日、草をきってはこんだ。
そして、大きな木の根のくぼんでいるところに、草をたくさんしきつめた。
草をたばねて、屋根をつくった。
丈夫な家ができた。

家にはキリギリス1ひきだけ。
さみしくなったキリギリスは
ひさしぶりに ハネをならして歌った。
お父さんとお母さんと一緒に演奏した曲。
楽しくなってきたキリギリスは外にでた。
夜の草むらを楽しく踊りながら演奏した。
キリギリスはとても楽しい気持ちになった。
夜空のおつきさまは明るくキリギリスを照らしていた。

次の日も、キリギリスは草を集めたり
食べられそうな草花を家に運んだ。
毎日、働いた。
そして夜空の下でハネならしながら歌っていた。
ある日、一匹のキリギリスが話しかけてきた。
「あなたキリギリスよね?どうして毎日働いているの?」
「ぼくは、アリになりたいんだ。」
「え?キリギリスがありになれるわけないじゃない。」
そのキリギリスはあきれたようすで去っていった。
キリギリスはぎゅーっと自分の両手をにぎりしめた。
また別のある日、今度はアリが話しかけてきた。
「あなたキリギリスよね?どうして毎日働いているの?」
キリギリスは下をむいた。何も言わなかった。
「ごめんなさい。忙しいのに急に声をかけてしまって。」
アリはかえっていった。
また嵐がやってきた。