
『四季の変奏曲ー対岸の鏡ー』#15 : 終曲
終曲
雨のち、虹色
梅雨の長雨のなかで
光が射してきた
光を映し撮ろうとして
窓辺に駆け寄ると
まだ外は雨が降り続けていた
深緑をしっとりと濡らしながら
ざあざあ ざあざあと
雨の音色がやんでも
しとしと しとしと
静かな雨音を奏でている
雲の隙間と 翠の葉のから
光が照らしている
きらきら きらきら
雨の雫を照らしてる
乱反射する光を追いながら
ふと振り返ると
遠くから虹が立ち上がり
プリズムの光線が
上空へと円弧を走らせている
まるで新しい季節の便りを
届けてくれるかのように
虹が揺れている
七色に揺らめきながら
うっすらと弧を描いている
やがて 雨は降り止んで
あたりは蒼空と 雲と 光が
混ざり合い 溶けていく
若葉から雨粒が
ぽつり ぽつりと落ちていく
まるで貴石のような雨粒が
奇跡のような輝きを放ち
世界を照らしていく
雨上がりの匂いが
もうすぐそこに漂っている
何かが動きそうな予感に
心がほどけていくー