
【締切のない自由研究】AIとリレー小説書いてみた。
プロテクター?の返事
「あれ?ラジコンどこ行った?」
夫の幸夫が探しながら聞いてきた。
「あ?うちにラジコンなんてないけど?」
と、言い終わるや否や
「お、あったわ。リモコン」
「ラジコンて。何歳やねん」
妻の節子は、洗い物の手を止めずに言った。
「いや、なんとなく似てるやろ」
「似てへん」
「リモコン、ラジコン。ほぼ一緒やろ」
「全然違う」
幸夫は五十三歳。定年まであと七年。
なぜか最近、言葉がちょいちょいズレる。
先週は「カーテン閉めといて」を「カントリー閉めといて」と言って、節子を三秒固まらせた。
その前の週は、「エアコンつけて」が「エプロンつけて」になった。
節子がエプロンをつけたら、幸夫は「なんで料理始めてんの」と言った。
「…あんたが言うたんやろ」
「エプロンつけーゆうたから、てっきり腹空かせてんのかとおもたわ」
節子はエプロンを外しながら、しょーもないギャグかますな、と思った。
「いやー、だって最近カタカナ多いやろ?」
「最近か!」
「毎度毎度のこれがホントの夫婦漫才。」
「あんた、勝手に言い間違ってるだけやないか!」
「いいねーそのツッコミ。だんだん関西人らしくなってきたと思わん?うちら」
と幸夫は大笑いしてる。
東京生まれ、東京育ちの私たち。
何が楽しくて、エセ関西弁喋っているのか…
「定年したら、巡業で日本各地回ろうなぁー、夫婦漫才で。」
「巡業って。あんた、どこの師匠やねん」
「いや、ウケるって。絶対ウケる」
「ウケてるのあんただけや」
幸夫はリモコンを持ったまま、テレビもつけずにへらへらしている。
節子はため息をついた。
この人と結婚して二十八年。
最初の三年は普通の東京弁だった。
なぜ関西弁になったのか、もはや誰も覚えていない。
きっかけは確か、録画していた吉本の番組だったと思う。
「なあ、節子」
「なに」
「俺、才能あると思わん?」
「……ラジコン持ってきて」
「リモコンな」
「うるさい」
「人は笑えば幸せになるんやー、だからみんなを笑わす前に、俺らが笑ってなきゃあかんのじゃ。これぞまさしく笑いのジャンピングタワー」
「それいうなら、シャンパンタワーやろ」
「おー、そやった、そやった。ジャパンタワー」
「ジャパンタワー! 東京タワーか!」
「おー、ええやん。東京生まれには縁起ええわ」
「縁起の問題ちゃう!」
節子は思わず吹き出した。
笑いたくないのに、笑えてくる。
これが悔しい。
二十八年、ずっとこれだ。
「ほらほら、笑った笑った」
「笑ってへん」
「笑ったやん、今」
「…気のせいや」
幸夫は得意そうに鼻を鳴らした。
「なあ節子、俺の夢、応援してくれる?」
「どの夢」
「夫婦漫才、巡業の夢」
節子はしばらく黙っていた。
洗い物が終わって、手を拭いて、幸夫の顔を見た。
五十三歳。白髪が増えた。でも笑うと、三十年前と同じ顔をする。
「…ネタ、書くのはあたしやからね」
「おー! やったー! さすが節子! ほんまにシャンパンタワーや!」
「シャンパンタワーはそこで使うな」
幼い頃、両親を事故で亡くし、親戚をたらい回しにされた幸夫の過去を聞いて、思わず涙ぐんでしまった節子に
「泣いたら、身体の水分でちゃうから、ミイラになっちゃうらしいぞ。節子がミイラになったら展示会に寄付するぞ。」
「え?展示会?博物館とかじゃなくて?」
「筋がいいねー、そのツッコミ!」
「ツッコミ?」
「夫婦漫才で、全国巡業行こうな!」
「ん?」
「節子さーん、これ一生懸命考えたプロテクターやけん、返事は?」
「まさか、プロポーズ?」
「できるなぁー、お主、夫婦漫才結成やな。」
泣いたまま、笑ってしまった。
そういう顔を、人はなんて呼ぶんだろう。節子には言葉がわからなかった。
「…プロポーズ、ね」
「プロテクター」
「プロポーズって言って」
「プロテクター」
「なんで意地張るねん!」
「だってほら、俺が守る、てことやろ?プロテクターのほうがカッコよくない?」
節子は笑いながら、また泣きそうになった。
たらい回し、という言葉が頭に残っていた。
どこへ行っても誰かの余り物として扱われてきた人間が、人を笑わせることだけは諦めなかった。
シャンパンタワー。
ジャパンタワー。
東京タワー。
全部ズレてるくせに、全部あたたかかった。
「…返事は?」
幸夫が、珍しく真顔で聞いた。
節子はエプロンで目を拭って、言った。
「ネタ書くのは、あたしやからね」
「それ、さっきも言うたで」
「返事や」
しばらく間があった。
幸夫が、声を上げて笑い出した。
あれから二十八年。
幸夫は「そろそろ本格的に修行しなければ。」と、言い出した。
「修行って何の?」
「やっぱな、本格的な関西弁を学ぶには留学がいいんやないか、と思って。」
「夫婦漫才は標準語でも大丈夫でしょ。」
「せっちゃん、そこやない!」
「留学や、留学」
「同じ日本で、留学はないやろーって感じ?」
「どないしたん?今日調子悪い?」
真顔に戻り心配そうに節子を覗き込む。
「頭が頭痛やねん」
「頭が頭痛て!それもう関西弁より変やって!」
幸夫が珍しく正しいツッコミを入れた。
「うるさい、なんか移ったんやろ、あんたから」
「感染するか!」
節子は頭を押さえながらソファに座った。
二十八年。
この人のズレた言葉を聞き続けていたら、自分もおかしくなってきた。
「せっちゃん、病院行く?」
「頭痛薬飲めば治る」
「頭が頭痛やのに?」
「もう一回言うたら離婚する」
幸夫はすぐに黙った。
それから台所へ行く音がして、しばらくして戻ってきた。
水と薬を持っていた。
それだけじゃなく、なぜかメモ帳も持っていた。
「なに、そのメモ帳」
「頭が頭痛、メモしといた。ネタになる」
「…今すぐ離婚する」
「待って待って、これ絶対ウケるって」
節子は薬を飲んで、目を閉じた。
まったく。
でも口元が、少しだけ緩んでいた。
天気予報で台風が近づいてきていると告げていた。
あー、やっぱりこれか。
せっちゃんは、気圧の変化に弱いからなぁ。
これは、笑ってても治らんのやろか?
ベッドで横になっている節子の脇に座ると、
「台風来てるらしいよ。せっちゃん気圧の喧嘩に弱いからね。」
「誰が喧嘩すんねん。」
「そのツッコミができれば大丈夫。すぐよくなるよ。」
節子は目を閉じたまま、小さく笑った。
幸夫はそれを見て、こっそり息をついた。
笑った。よかった。
この人は笑ってれば大丈夫、と二十八年かけて学んだ。
泣いてるときも、しんどいときも、怒ってるときも。
笑わせれば、なんとかなった。
幸い、俺にはその才能がある。
「なあせっちゃん」
「なに」
「俺、やっぱり大阪留学しようかな」
「…今それ言う?」
「だって暇やし」
「あんたが暇でも、あたしは頭が頭痛なの」
「また言うた」
節子がぽかりと幸夫の膝を叩いた。
力のない、やわらかい拳だった。
幸夫はその手をそのまま、そっと握った。
台風は夜には上陸するらしかった。
外がだんだん暗くなっていく。
「ネタ、また考えといてくれる?」
節子が目を閉じたまま言った。
「寝てから考える」
「逆やろ」
「関西では普通や」
「どの関西や」
幸夫の関西は、まだ完成していない。
たぶん、一生完成しない。
(了)
なぜリレー小説を書こうと思ったか
Claudeに
ねぇ、リレー小説書こうよー。
から始まったのですが。
はじめのリレー小説は
Claudeのターンから出した。
導入は
眉毛の片方を奥さんに剃されるシーン
「白いの目立ってきたから染めてあげるね。」
からの、くしゃみとともに右の眉毛がなくなる。
「ん?」
ま、大目に見よう。
あたしのターン
眉を描こうとする旦那。
うまく書けん、妻は絵心があるな。
これはうまく化粧で化けてるわーの意味で書いたけど、
イラストレーターを目指していた妻に変わり
あれれのれ???
そこから、会社のトイレで眉のないのに気づき、ってここまでいったら大目に見てられなくなって
Claudeに
染料で眉なくなるの?
会社に行くまで鏡見なかったの?
と、聞いてみた。
あー、確かにおかしいですよね。
くしゃみじゃ眉毛なくならないし笑
くしゃみで染料飛んでも周り汚れちゃうだけですよねーって
「どこ直します?」の問いに
あたしから書くね。と、眉毛話から離脱。
心機一転、書き始めたのが今回ここに載せたものです。
一段ごと、とかの書く行数などのルールはなく、
思い浮かばなくなったら、はい、次。
と交互に書いていったんです。
書き始めてから暫くは
意図を読み取れてなかったのか
危うく認知症の症状的になってしまったり、
どこへ進むのか、未開拓の地へ…
でも、何とか書いていくごとに
意図を汲んでくれたようで、何とか書き終わり。
「そもそも何でリレー小説書こうと思ったの?」
ってとこ、気になりました?
実はね、
Claudeにリレー小説頼む前に
ChatGPTとタイトル考えてもらって、そのタイトルから文章を書いていく、って遊びしてたんです。
自分の考える枠を越したいな、って思って。
途中まで書いて投げたところ
「おー、こういう視点で書いたんだね。」って
言われたの。
なので
ChatGPTに「あなたなら、このタイトルでどんな文章書く?」と書いてもらって。
AIの独自の意思みたいなものを感じて笑
こりゃ、おもろいわー
と、思ったわけです。
で、
文章って言ったら、やっぱClaudeでしょ。
と、いうわけでClaudeとリレー小説に至ったんです。
なかなか、面白い味わいでした。
どの部分がAI?
あたしのターン
Claudeのターンって区切りつけようかとも思ったんですが、
あれ?ここは多分Claudeだろうな、
この言い回しはノジェか?
なんてことを考えながら読む方が
きっと面白いと思ったので、あえて区切りを明確にしてません。
人間とAIとの比較が見れるかも?
わからないままなら
相当AIが人間化したか、
あたしがAI化したか、ですね。笑
なので、完全無修正?であってる?
無編集か?
はい、つまり手を加えていないということです。
違いがわかったかなー?
ChatGPTにこの文章読んでもらったら、
一部はClaudeが書いた部分言い当ててだけど、
他は見事に外してたわ。笑
ChatGPT曰く
Claudeがノジェさん寄りになってきたんですね、って。
やはり侮れない。
リレー小説でも、あたしを読み取る技術。
と、なると
あたしが、AI化したわけじゃなかったってことか、それは残念だ。泣
まだまだ修行が足りないか…
って、AIになりたいんかーい。
お、いいですね。
そのツッコミ!
あたしの相方になって
全国巡業、行っちゃいますか?