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ものがたり 微笑むバレリーナ

    じいじです。
    小学4年生の孫の家来をしています。



    昔に描いた絵から
    ものがたりを書いてみました。

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    微笑むバレリーナ

    むかし
    森と川にはさまれた小さな町に
    古い劇場がありました。

    その劇場には
    毎週土曜日になると現れる
    一人のバレリーナがいました。

    白い衣装に
    小さなリボン。

    音楽が流れると
    彼女は静かに踊り始めます。

    くるり
    ふわり

    ときどき
    風と話しているみたいに。

    けれど
    不思議なことがありました。

    どんなに楽しい音楽でも
    どんなに大きな拍手があっても
    彼女は決して大きく笑わないのです。

    ただ
    少しだけ微笑む。

    だから町の人たちは
    彼女のことを

      「微笑むバレリーナ」

    と呼んでいました。



    ある冬の日。

    劇場の裏口に
    一人の男の子が座っていました。

    名前はユウ。
    小学四年生です。

    ユウは最近
    学校でうまく笑えなくなっていました。

    友だちに何か言われたわけではありません。

    でも
    なんとなく
    胸の奥が重かったのです。

    その日も
    家に帰りたくなくて
    劇場の前に座っていると
    白い衣装のバレリーナが話しかけました。

     「寒いでしょう?」

    ユウはうなずきました。

    すると彼女は
    温かいミルクの入った
    小さなカップを差し出しました。

     「ありがとう」

    ユウがそう言うと
    彼女はやっぱり
    少しだけ微笑みました。

     「どうして、いつも少ししか笑わないの?」

    ユウは思い切って聞いてみました。

    彼女はしばらく黙って
    舞台の奥を見つめました。

     「いっぱい泣いた人はね、
      静かに笑うようになるの」

    ユウには
    よくわかりませんでした。

    でも
    その声は
    雪みたいにやわらかく聞こえました。


    その夜。

    劇場にはお客さんがほとんどいませんでした。

    けれど
    バレリーナはいつも通り踊りました。

    まるで
    誰か一人のために踊るみたいに。

    ユウは客席で見ていました。

    すると
    不思議なことが起きました。

    彼女が回るたび
    舞台の上に小さな光が生まれたのです。

    悲しかった思い出
    悔しかった日
    ひとりぼっちだった夜

    そんなものが
    光になって空へ上がっていくようでした。

    ユウは
    なぜか涙が出ました。


    踊りが終わると
    バレリーナはユウの前に来て言いました。

     「笑うってね、
      元気な人だけがするものじゃないの」

     「悲しい日があっても、
      寂しい日があっても、
      それでも少し前を向こうとすること」

     「それが、微笑むってことなの」

    ユウは黙って聞いていました。

    そして
    小さく言いました。

     「ぼくも、そうなれるかな」

    彼女は答えました。

     「もう、なってるわ」

    そう言って
    いつものように少しだけ微笑みました。


    春になるころ
    古い劇場は取り壊されることになりました。

    最後の日。

    町の人たちが集まりました。

    けれど
    あのバレリーナの姿はどこにもありません。

    舞台の中央には
    白いリボンが一つ置かれているだけでした。

    そのとき
    客席の誰かが言いました。

     「あれ……なんだか、風が笑った気がした」

    みんな静かに空を見上げました。

    春の風が
    やさしく劇場を通り抜けていきました。


    それから何年もたって。

    大人になったユウは
    自分の娘を連れて
    あの劇場のあった場所へ行きました。

    そこには小さな公園ができていました。

    娘がくるくる回りながら言いました。

     「ねえパパ、わたし上手に踊れてる?」

    ユウは笑いました。

     「うん、とっても上手だ」

    すると娘も
    少しだけ微笑みました。

    まるで
    あの日のバレリーナみたいに。

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    こんな感じです

    読んで頂いて
    ありがとうございます


    飄飄と
    いきましょう



     
     
    61歳、じいじです。 小学校4年生の孫の家来をしています。 40代以降の「人生後半戦」を 少し軽くするための言葉を発信しています。 人間関係・不安・執着との付き合い方を やさしく整えています。 テーマは【瓢瓢(ひょうひょう)と】 力を抜いて、それでもうまく生きる。

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