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なぜ1時間は100分ではないのか(日曜エッセイ)

    すきま@副業メモ

    ※今回は、時間について考えます。

    たぶん、
    有意義な時間にはなりません。


    少し前、
    100億年に1秒しかズレない時計について書いた。

    人類は、
    とんでもなく正確な時計を作っている。

    100億年。

    1秒。

    すごい。

    すごいのだが、
    最近、
    もっと身近な時間の問題に直面した。


    車を運転していた。

    目的地まで、あと35km。
    約束の時間まで、あと17分。

    さて。

    時速何kmで走れば、
    間に合うのだろう。

    ……。

    こういう計算を、
    私は運転しながら
    瞬時にできるようになりたい。

    もちろん、
    速度制限は守る。

    間に合わなければ、
    遅刻するだけである。


    しかし、
    35kmを17分。

    これが、
    どうにも計算しにくい。

    17分を時間に直して、
    35を割って、

    いや、
    60を掛けてから17で割ればいいのか。

    ……。

    面倒くさい。

    そこで私は思った。

    なぜ1時間は100分ではないのだ。


    1時間が100分なら、
    半分は50分。
    4分の1なら25分。

    実に分かりやすい。

    ところが現実は、
    1時間が60分。
    1分が60秒。

    誰だ。
    こんな中途半端な数字にしたのは。


    調べてみた。

    すると、
    話は古代メソポタミアまでさかのぼった。

    ……。

    私は、
    あと35kmを時速何kmで走ればいいのか、
    それを知りたかっただけである。

    なぜ古代まで
    来てしまったのだろう。


    古代メソポタミアでは、

    60を基準にした数の考え方が
    使われていたという。

    60という数字は、

    2でも、
    3でも、
    4でも、
    5でも、
    6でも、

    きれいに割ることができる。

    10でも、
    12でも割れる。

    なるほど。

    電卓などない時代、
    いろいろな数に分けやすい60は、
    ずいぶん便利だったのだろう。

    今でも、

    1時間は60分。

    1分は60秒。

    円は360度。

    遠い昔の数の考え方が、
    私たちの生活の中に
    しっかり残っている。


    そうだったのか。

    60には、
    60の事情があった。

    何も知らずに、
    中途半端な数字などと言って
    申し訳なかった。


    ところで。

    60を基準にする考え方が
    あるということは、

    私たちが普段使っている、

    0、1、2、3、4、5、6、7、8、9。

    これを使う10進数も、

    数の表し方の
    ひとつにすぎない。

    では、
    ほかにもあるのだろうか。

    ……。

    調べてしまった。
    (また始まった)

    あった。

    2進数。

    0と1だけで、
    あらゆる数を表す。

    コンピューターでは
    おなじみらしい。

    0。

    1。

    10。

    11。

    100。

    101。

    110。

    111。

    ……。

    待ってほしい。

    数字が、
    どんどん長くなっている。


    私は、
    35kmを17分で移動するには、

    時速何km必要なのかを
    簡単に計算したかったのである。

    それなのに、
    数字を簡単にするどころか、

    0と1が
    大量に並び始めた。

    話が違う。


    しかし、
    世の中には
    ちゃんと考える人がいる。

    長くなりがちな2進数を、
    もう少し扱いやすくするために、
    別の表し方も使われてきた。

    たとえば、

    8進数。

    ……。

    なんとなく、
    見覚えのある数字が出てきた。

    気のせいだろう。


    8進数では、
    0から7までを使う。

    7の次は、
    10。

    つまり、
    名前は8進数なのに、

    「8」という数字は使わない。

    ……。

    なんだ、それは。

    自分の名前を掲げた会社に、
    本人がいないようなものである。


    さらに、
    16進数というものもある。

    こちらは、
    0から9まででは数字が足りない。

    そこで、

    A。

    B。

    C。

    D。

    E。

    F。

    まで登場する。

    ……。

    ついに、
    数字の仕事を
    アルファベットが手伝い始めた。

    人手不足なのだろうか。


    もう一度、
    整理してみよう。

    普段は10進数。

    時間には60の名残。

    コンピューターは2進数。

    そこから8進数。

    さらに16進数。

    数字だけでは足りなくなって、
    AからFまで出勤。

    私は、
    だんだん分からなくなってきた。


    そもそも、
    目的地まで35km。

    残り17分。

    時速何kmなら
    間に合うのか。

    ただ、
    それだけだった。

    それなのに、
    気がつけば、

    古代メソポタミアから、
    コンピューターの中まで
    来てしまった。


    100億年に1秒しかズレない時計を
    作れる人類が、

    17分の計算で
    こんなに苦労している。

    いや。

    苦労しているのは、
    たぶん私だけである。


    10進数。

    60。

    2進数。

    8進数。

    16進数。

    0。

    1。

    A。

    F。

    もう、

    数字が頭の中で
    ごちゃごちゃになってきた。
    どんどん増え続けて

    ∞

    ……。

    寝るな! 8!



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    リアル副業、経済・歴史。共通しているのは「仕組みを面白がる視点」。人生のテーマは、ノンフィクション。日常にある、小さな違和感や仕組みを拾い集めています。 駐車場経営の副業(経営終了)、投資、そして“歴史と経済のおふざけ考察”。 続けてきた人だけが見える世界を、実録として残します。

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