🏙 街で読む経済 第179回 ~「バッテリー、高い!」それでもディーラーに頼む理由~
🚗 「そろそろ交換ですね」
車を点検に出す。
特に大きな問題もなく、
そろそろ終わるかな、
と思っていたところで言われます。
「バッテリー、そろそろ交換時期ですね」
そうですか。
では、お願いします。
……と言う前に、
一応、値段を聞く。
そして、
「高っ!」
心の中で、
もう一度見積書を見る。

🔋 もっと安いところ、あるよね?
バッテリーなら、
カー用品店でも売っています。
整備工場でも交換できます。
探せば、
もっと安い選択肢もあるでしょう。
それでも、
そのままディーラーにお願いしてしまう。
なぜでしょう。
面倒だから。
……も、あります。
でも、
それだけではありません。

💰 私たちは「部品」だけを買っていない
ディーラーに車を任せると、
これまでの点検や整備の履歴があります。
車のことを知っている。
交換もまとめて任せられる。
何かあれば相談できる。
純正部品などを選ぶ安心感もある。
つまり、
バッテリーの価格だけではなく、
「ここに任せておけばいい」
という安心や手間の少なさ
にも、お金を払っているわけです。
価格だけを比べれば、
別の選択肢が安いこともあります。
でも、
安い店を探す時間。
予約する手間。
車の状態を一から説明する面倒。
それらも、
私たちにとってはコストです。

🔁 車は「買って終わり」ではない
自動車は、
少し変わった商品です。
買ったあとにも、
点検があります。
オイル交換があります。
タイヤ交換があります。
バッテリー交換があります。
そして、
車検もやって来ます。
車を買った瞬間だけで、
お店との関係が終わるわけではありません。
むしろ、
そこから何年も続いていきます。

📊 LTVという考え方
マーケティングには、
LTV(顧客生涯価値)
という考え方があります。
一人のお客さんと長く関係を続けることで、
その期間全体で、
どれくらいの価値が生まれるかを見る考え方です。
車なら、
最初の購入だけではありません。
点検。
整備。
部品交換。
保険や次の車への買い替えなど、
長い付き合いにつながる可能性があります。
だからこそ、
ディーラーにとっても、
「車を一台売る」
だけではなく、
「この先も選んでもらう」
ことが大切になります。

🤝 高くても戻ってしまう理由
これは、
自動車だけの話ではありません。
いつもの美容院。
いつもの病院。
いつもの修理店。
少し高くても、
「ここなら分かってくれている」
という理由で戻ることがあります。
毎回、
一番安いところを探すとは限りません。
価格だけでは測れない、
信頼。
安心。
手間の少なさ。
それらにも、
ちゃんと経済的な価値があります。

【一言コラム:安心と手間の値段】
ディーラーで提示される車のバッテリー代。「高い」と思いつつそのまま頼んでしまうのは、私たちが部品だけでなく「安心」や「手間を省く時間」も一緒に買っているからです。
車検や点検を通じて長く付き合う自動車業界において、こうした信頼の積み重ねこそが「LTV(顧客生涯価値)」の源泉。値段の裏には、目に見えない価値が隠れています。
📝 最後に
見積書を見て、
もう一度思う。
やっぱり、
ちょっと高い。
ネットで調べれば、
もっと安いものも見つかるでしょう。
自分で出来ないわけでもない。
それでも、
「じゃあ、お願いします」
と言ってしまう。
そこで買っているのは、
バッテリーだけではないのかもしれません。
車を預ける安心と、
自分であれこれ調べなくていい時間。
そして、
これまで積み重ねてきた信頼。
車を買った日の支払いは終わっても、
車との取引は終わっていない。
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