メインコンテンツへスキップ
見出し画像

徒然:帰る場所へ

    雲をほどいた風の糸
    羽に絡めて旅に出る

    朝焼け色の空の端
    追い風だけが知っている

    離れてわかるぬくもりの輪郭
    影と揺らぎを引き連れて

    いま舞う軌跡は
    昨日と明日のあいだを縫う記憶の糸

    雲間をすり抜け
    空気の縁をたどりながら

    あの枝先にまた光が灯る
    それは誰かが待つ気配のしるし

    戻ることが約束でなくても
    羽ばたくたびに思い出す

    風が撫でる
    帰る場所があるという優しさを

    fin

    あなたへのおすすめ