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真夏の夜の声

    ( #ショートショート  本文:410字)

    「――ゲームセット! 劇的な逆転サヨナラで幕を閉じました!」

     実況の絶叫が球場を揺らし、熱狂のうちに試合は終了した。

     その夜、テレビ局の編集ブースには、ハイライト映像の熱気がこもっていた。当日の試合をまとめて放送する番組用に、編集スタッフが黙々と映像を切り貼りしている。時計は深夜を回っていた。

     ふと、機材の唸りに混じって、低く擦れた声が聞こえた気がした。後輩スタッフは手を止める。空調の音だろうか。だが、声は止まない。編集卓の足元、闇の溜まったあたりから、恨みがましい呟きが這い上がってくる。

    「……苦しかった……誰か代わってほしかった……」
    「……あの夏は本当に地獄だった……」
    「……あれはセーフだ……なぜ信じてくれなかった……」

     声は一つではなかった。幾重にも重なり、部屋の空気そのものが粘り気を帯びていくようだった。後輩スタッフが元高校球児の先輩を振り返った。

    「……先輩、心の声を被せて録音するのはやめてください」

    (了)

     DH制、ナイトゲーム、ビデオ判定など、今年からいろいろ変わりましたね。


    はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
    田原にかさんの企画に参加します。
    よろしくお願いします。
    #毎週ショートショートnote #高校野球怪談

    では、今日はこのへんで。
    はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

    #高校野球 #ハイライト映像 #編集 #切り貼り #DH制 #ナイトゲーム #ビデオ判定

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