
3日目のわすれもの
わたしはいつも公園の長椅子に腰を掛けて家に帰る。
いつの日からか始まったのかは分からない。
仕事の帰り、友達と会った帰り、なにもない日に家から出たいとき
この長椅子に座ると何故か落ち着く。
そして上を向く。
『あ~今日も星が見える日』
『今日は曇りすぎる日』
『これはなんの大三角やっけ?』
頭の中のわたしが出てきてペチャクチャ語る。
脳内で話したらいつも満足するのだ。
音楽を聴いたり、今日あったことをおさらいしたり、時には目に映る身長の大きい木をデッサンした時もあった。
至福のひとときだ。
そんなある日、わたしはいつものように長椅子に腰をかけていたら急に横の長椅子にも興味がでてきてチラッと見てしまった。
すると椅子の上には黒い忘れ物らしきものが置いてある。
暗くてはっきりとは見えないが、黒い。
黒い服かタオルだ。
きっと公園で遊ぶ間に椅子に置き忘れたのだろう。
いや、ここは公園だが人通りが多いからこそ
その人たちの落とし物を見つけて近くに公園があったから椅子の上に置いたのか。
また脳内会議が開催されていた。
わたし自身、毎日通るものだし観察しようという会議の結論が出た。
1日目。
まだある。
2日目。
まだある。
3日目。
まだある。
4日目。
ない。
なんていうことだ、、。
という気持ちと祝福の気持ちが重なった。
3日目のわすれものよどうか幸せになってくれ。
