「来たよ。……遅いよ、君。」
また、騙された。
新しいコミュニティだった。
「自分の勉強になるかもしれない」
そう思って入った。
最初は、みんな優しかった。
だから、信じた。
……いや。
正確には、信じたかった。
そして、また裏切られた。
「もう、人なんか信じない。」
その日は、本気でそう思った。
「警察、捕まえてくれないかな。あいつら。」
そんなことまで考えた。
腹が立つ。
悔しい。
情けない。
何より、
「なんで僕は、また信じちゃったんだろう。」
それが一番嫌だった。
もう何回目だよ。
いい加減、学習しろよ。
そう思った。
そのときだった。
「……学習してないね。」
声がした。
「誰?」
振り向くと、そこに小さな生き物がいた。
龍……?
いや。
なんだこいつ。
緑色で、丸くて、ちょっと不気味で。
しかも、ものすごく嫌そうな顔で僕を見ている。
「お前、誰だよ。」
「ヤナコトン。」
「……何それ。」
「名前。」
「変な名前。」
「君にだけは言われたくない。」
「なんでだよ。」
ヤナコトンは、僕を見ながらため息をついた。
「また信じたんだね。」
「……悪い?」
「別に。」
「じゃあ何だよ。」
「いや。」
少しだけ笑って、
「君、懲りないなと思って。」
「……うるさい。」
「うん。」
ヤナコトンは嬉しそうに笑った。
「でも、そこが君のいいところでもあるけどね。」
僕は何も言えなかった。
腹が立っているのに。
なぜか、少しだけ笑ってしまった。
「来たよ。……遅いよ、君。」
