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『「お母さん、このカニ、カニカマの味がする」その一言が、忘れられない』

    「お母さん、このカニ、カニカマの味がする」

    「だって、いつも食べる“赤と白のやつ”とおんなじ味がしたんだもん」
    「カニカマのほうが、味が“ついてる”気がする」
    その無邪気な一言が、どこか本物を否定されたような気がして、私は言葉に詰まった。


    その瞬間、自分の中にあった“誇り”のようなものが、すこしだけ揺らいだ。
    「これが本物だよ」って伝えたかったのに、その距離が、思ったより遠かった。



    北海道から届いたばかりの、大ぶりのオオズワイガニ。
    ボイルしたての甘みを、夢中で頬張っていたはずの子供が、そうつぶやいたのだ。

    船乗りの私は、実家が漁師。

    私たち漁師の暮らしは、いつも少し不器用だ。波に揺られ、横に回って、まっすぐには進めない。
    けれど、味の記憶だけは、きっと“まっすぐ”誰かの胸に届いてくれると信じている。



    知人の漁師仲間から、時々こうして魚やカニを取り寄せる。
    自宅用に届いたカニは、食べきれないほどの量。昼も夜もカニ、翌朝もカニ雑炊。
    横歩きになりそうな勢いで、家中がカニまみれになる。

    でもその日、私は知った。
    子どもにとって“カニの本当の味”を知る機会は、意外と少ないのだと。



    【オオズワイカニ(北海道漁師)】

    鮮魚で送ってもらっています。親が年1回は食べたいというので、年1回は自宅用で購入予定です。

    あとは年2回はイベント用で購入したいところ。

    一回注文すると、15~18匹入っています。そのままボイルしてひたすら食べます。


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    カニ自体は安いのですが、送料が高いため、送料とカニの値段が変わらず。


    本当はイベントのたびに、多少赤字でもいいと思っている。
    「カニってこんなに甘いんだ」
    「切り身じゃなくて、命だったんだ」
    そんな声が聞けるなら、それだけで十分だと思えるから。




    今のところ、都内のレンタルキッチンで開催予定です。


    子供だとカニとかほとんど食べたこと
    なくて、カニ食べたら『カニカマの味がする』と言われそうです。

    実際に読者様からは
     
    『読ませて頂きました😊
    ズワイガニの贅沢な食べ方に、「羨ましい!」と呟いてしまいました
    「子供だとカニとかほとんど食べたことなくて、カニ食べたら『カニカマの味がする』と言われそう。」
    これ、うちの子も小さい頃同じこと言ってて、思わず吹き出しました!』と。


    未来に私ができることは
      
    ・漁師直送で魚を買い、みんなでおいしく食べる
    ・子供に本当のことを知ってもらう(切り身で魚は泳いでいない)

    ・『お母さん、カニカマの味がする』というようなことがないようにする。


    なおカニ食べてみて、美味しく食べられるのは1匹➕味噌汁でした。 

     

    ちなみにカニ食べての感想は甘い!
    今までいろんなカニを食べてきましたが、一番甘い!毎年オオズワイカニは大きくなってきているような。

    もちろん知人漁師が甘そうな、大きなカニを選別して送ってもらってきているのもありますが。なのでもう知人漁師からのカニ以外は食べられなさそうです。
     


    ……とまあ、我が家はカニまみれの数日を過ごしたわけですが。

    それでも、あの一言――「カニカマの味がする」は、ずっと心に残っています。

    船乗りであり、漁師の家に育った自分だからこそ、
    本当に美味しい魚や“本物の味”を、誰かに届ける役目があると思っています。

    子どもたちが、“切り身では泳がない魚”や、“本当の味”に出会える機会をつくりたい。
    そんな想いで、これからも発信とイベントを続けていきます。


    ――カニは横に歩くけれど、味の記憶は、まっすぐ残る。
    そんな小さな旅の記録でした。

    それはきっと、親から子へ、静かに引き継がれる、
    “まっすぐな贈り物”なのかもしれない。

     
     
    文藝春秋SDGsエッセイ大賞2025グランプリ/『文藝春秋』本誌掲載。 サンクチュアリ出版「第3期 正直レビュアー」選出。 市場調査、漁師、船乗りを経て、人生の分岐点を書くエッセイスト。 10月、武蔵大学社会学部ゲスト登壇。メディア取材対応実績あり。

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