
卒業というほど、大げさではないけれど
人との距離は、
ある日突然変わることもあれば、
季節が変わるみたいに、
少しずつ変わることもある。
たとえば、朝の空気がひんやりしてきて、いつの間にか長袖を選ぶようになるみたいに。
前は毎日のように思い出していたのに、
気づけば、その人のことを考えない時間が増えていた。
それは薄情になったわけじゃない。
暮らしには暮らしの風が吹いて、
人には人の時間が流れている。
無理に追いかけなくても、
無理に忘れようとしなくてもいい。
縁があったから出会えた。
その事実だけで、
十分あたたかい。
あとは、お互いがそれぞれの場所で、
ちゃんとご飯を食べて、
よく笑って、
穏やかに眠れていたらいい。
湯気の立つ味噌汁をすすりながら、ふと笑みがこぼれるような、そんな日々であればいい。
そう思えるようになった自分に、
少しだけ安心している。