メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【第68回グラミー賞結果】ケンドリック・ラマーの「制覇」を阻んだもの──多様性と政治的メッセージの力学

    はじめに:

    先日、日本時間2月2日に第68回グラミー賞の授賞式が行われました。

    それに先駆けて、AIと星野霧詩による予想記事を公開しましたが、果たしてその結果はどうだったのか?

    「データ」と「心理」、どちらが正解に近かったのか。答え合わせを始めましょう。

    ※まだ予想記事を読んでいない方はこちら


    主要部門結果:

    🎼年間最優秀レコード賞 (Record of the Year)

    🏆Kendrick Lamar With SZA – luther

    🤖 AI予想: ROSÉ, Bruno Mars – APT. (×)
    👦 星野霧詩予想: Kendrick Lamar With SZA – luther (◯)

    🤖AIコメント:
    世界的なストリーミングの爆発力や、Bruno Marsという「ブランド」から「APT.」を本命視していました 。
    しかし実際には、選考委員が「一過性のバズ」よりもアーティストの「真実性」や「文脈」を重視したことで、データ予測を上回る結果となりました。

    👦星野霧詩コメント:
    見事に的中させてホッとしています。
    前回評価してしまったからこそ、それに勝る「luther」を外せば整合性が取れなくなる。
    そんな選考委員の「リスク回避的」な姿勢がもたらした結果かもしれません。

    とはいえ、これでKendrick Lamarはラッパーとして史上初のレコード賞2度獲得、さらに男性アーティストとして初の連続受賞という歴史的快挙を成し遂げました。

    💿年間最優秀アルバム賞 (Album of the Year)

    🏆Bad Bunny – DeBÍ TiRAR MáS FOToS

    🤖 AI予想: Kendrick Lamar – GNX (×)
    👦 星野霧詩予想: Kendrick Lamar – GNX (×)

    🤖AIコメント:
    圧倒的な批評家支持からケンドリックを大本命としていました。
    AIにとって「芸術性」と「歴史的意義(スペイン語アルバム初制覇)」の優先順位を見極める難しさが現れた結果です。

    👦星野霧詩コメント:
    個人的には意外な結果でした。
    この受賞は非英語圏への歩み寄りであると同時に、トランプ政権の移民政策に対する強力なカウンターメッセージだったのではないでしょうか。
    リベラルな気風が強いグラミーにおいて、Bad Bunnyに最高賞を授け、スピーチの場を与えること自体が「政治的決断」だったと感じます。

    🎶年間最優秀楽曲賞 (Song of the Year)

    🏆Billie Eilish – WILDFLOWER

    🤖 AI予想: Lady Gaga – Abracadabra (×)
    👦 星野霧詩予想: Kendrick Lamar With SZA – luther (×)

    🤖AIコメント:
    Lady Gagaの「完全復活」という物語を優先しましたが、実際にはBillie Eilishという「安定したブランド」の楽曲クオリティへの信頼がAIの予測以上に強固でした。

    👦星野霧詩コメント:
    Kendrick Lamarがレコード賞を獲りながら、こちらを逃した点には疑問も残りますが、Billie Eilishが同部門3度目の受賞という史上初の記録を打ち立てた背景には、彼女への揺るぎないリスペクトがあったのでしょう。
    これもまた、ある種の政権へのメッセージが含まれていたのかもしれません。

    ✨最優秀新人賞 (Best New Artist)

    🏆Olivia Dean

    🤖 AI予想: Leon Thomas (×)
    👦 星野霧詩予想: Olivia Dean (◯)

    🤖AIコメント:
    業界内の「技術的評価」を重視してLeon Thomasを本命としましたが、結果的には星野様が指摘された「タイムレスな歌声」や「情緒的な価値」が勝者を選びました。

    👦星野霧詩コメント:
    思った通りの受賞です。
    他の部門で革新的な選考(特にアルバム賞など)をしている分、ここでは伝統的な価値を評価することで、グラミーとしてのバランスと威厳を保ったように見えます。


    総評:データと心理の境界線

    🤖 AI総評:AI予想の限界と示唆
    AIの予想は、「世界的なバイラル」や「過去の受賞歴による信頼度」を軸にしており、非常に理に適ったものでした。

    しかし、実際のグラミー賞は:

    1.「去年ケンドリックを逃したから、今年は獲らせるべき」といった政治的バランス
    2.「非英語圏への門戸を今こそ開くべき」という歴史的使命感
    3.「TikTokの流行よりも、伝統的な楽器演奏や歌唱を讃えたい」という自負

    といった、「データには現れにくい選考委員の感情的な意思」が色濃く反映される場であることを、今回の結果は示しています。
    AIのデータ予測と、星野様の心理的な洞察を組み合わせることで、初めてグラミー賞という複雑なパズルの全体像が見えてくることが証明された結果と言えます。

    👦 星野霧詩総評:
    AIが総評しているように、グラミー賞は選考委員が決めているので、データだけでは表しきれない人の感情やこれまでの経緯、空気感、信条・思想など、様々な要因に左右されます。
    そして今回はトランプ政権の移民政策に対する批判精神も反映されているようで、ますます予想を困難にさせています。
    時に「何それ?」と思わせる選考があったりもしますが、私はそれこそがグラミーらしい選考だなと思います。
    音楽を聴く人たちそれぞれのグラミー賞があっても良い。


    おわりに:

    今年のグラミーが「社会への回答」だったとするなら、来年の第69回は、対象期間外で牙を研いでいたTaylor Swiftの『The Life of a Showgirl』が主役になることは間違いありません。
    Bad Bunnyが開いた「非英語アルバム」の扉から、次こそK-POP勢が主要部門へなだれ込むのか。
    あるいは絶対王者Taylor Swiftが5度目のアルバム賞という前人未到の聖域に達するのか。
    音楽の歴史がまた大きく動くであろう来年に向けて、私たちの新しい予想はもう始まっています。

     
     
    「No Music, No Life」な生活をしている、中年の域にドップリ漬かった会社員(♂)です。

    あなたへのおすすめ