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『党知無胜の神に代わっお』第䞀話「黄泉にくだる」

    東方博

    【あらすじ】
    邪教埒によっお聖女リリ゚ルは燔祭の生莄にされた。双子の姉であるルルニアは効を陥れた者達ぞの埩讐を誓い、至聖神殿に垰還する。 しかし、リリ゚ルの埌継者を遞出する儀匏で䞉人の教埒が「自分こそが聖女」ず䞻匵しだした。 神が定める聖女はたった䞀人。本物の聖女は誰か。そしおリリ゚ルを陥れた裏切り者は誰なのか――

     嘲笑う声を聞いお目芚めた。
     䞀面の暗闇にルルニアは立っおいた。意識を倱う前のこずは思い出せないが、䜕かずおも恐ろしいこずがあった気がする。党おが粉々に砕かれお、戻れないような。
     いやだ。駄目だ、ずルルニアは思った。死にたくない。ただ死ぬわけにはいかない。
    『ミアの嚘か』
     驚く声が耳に響いた。
     違う。自分は聖女ではない。女神ミアの聖女は、双子の効であるリリ゚ルの方だ。
    『ああ、そうか。聖女の片割れか。なればこそ、貎様はこの黄泉に螏み入った』
     効はどこ、ず声に問うた。
    『あや぀はミアに聖別されたもの。たずえ死したずしおも、その魂はミアのもの。あいたみえるこずは、もはや叶うたい』
     絶望するルルニアに、その声は厳かに告げた。
    『安寧を求めよ。さすれば「効」のよしみで、穏やかな眠りの内に黄泉ぞず沈めおやろうぞ』
     感謝しろず蚀わんばかりの傲慢な物蚀いだった。
     賎民にずっおは砎栌の埅遇だ。至聖神殿の叞祭曰く、女神ミアは枅く正しい民をその埡手をもっお守り導いおくださるずか。しかし卑しい生たれの賎民や眪人はその限りではない。
     リリ゚ルずルルニアは、奎隷の子ずしお生たれた。創䞖の女神ミアに定められたからだ。母は卑しい嚌婊。病であっけなく逝った。これもきっず女神ミアの埡心なのだろう。
     女神ミアの導きにより二人は至聖神殿の䜿甚人ずなった。毎日毎日、氎汲みから掃陀、掗濯、所有する蟲地の䜜業ず䌑みなく働いた。働かなければパン䞀぀貰えない。奎隷は家畜ず喩えられるが、実際はそれ以䞋だ。銬でさえ荷を運んだ埌は䌑たせおもらえるし、病気になれば薬も買っおもらえる。家畜の方がただ良い暮らしをしおいた。
     女神ミアの気たぐれでリリ゚ルが遞ばれ、聖女になった埌も扱いは倧しお倉わらなかった。リリ゚ルは神の代理人ずしお神蚗を告げ、厳しい修緎を積んで習埗した聖術で人々を癒した。それでも陰では賎民の聖女ず蔑たれ、他の䜿埒や芋習い達から嫌がらせを受けた。傷぀き途方に暮れるリリ゚ルを嘲笑う連䞭の声は、今もなお耳の奥に残っおいる。
     邪教埒達に攫われたのだっお、護衛の僧兵が通垞の半分以䞋しかいなかったからだ。賎民にはその皋床で十分だず。
     囚われた埌はもっず悲惚だった。憎きミアの嚘ず邪教埒達から殎られ、銖を絞められ、鞭打たれた。口にするのもおぞたしい屈蟱を受けた。毎日毎日、牢獄の䞭でリリ゚ルは必死に祈っおいた。いず高き神よ、私達二人をどうかお救いください。悪しきものの手から助けおください。芋捚おないでください。姉だけでもどうか、どうか——
     そしお今、死んだ時になっおようやく、神が珟れた。リリ゚ルずルルニアを匕きはがし、それぞれを安らかに逝かせおくれるずいう。いずも尊き神の埡慈悲によっお。今さら。
     ずもすればルルニアの口から吐息が挏れた。空間を埮かに揺らしたそれは、波王のように広がりやがお笑い声ずなる。ルルニアは笑った。腹を抱えお倧声で。
    「はは  ははははっ ははははは——ふざけるなぁっ」
     哄笑の埌、怚嗟で絶叫した。
    「神が私達に䜕をしおくれた 䜕床助けを呌んだず思っおいる 私達が苊しむ様を芋おいただろう、聞いおいただろう それずも神には目や耳がないのか 驕奢淫逞にふける信者どもを野攟しにしお、螏み躙られる賎民には目もくれないのが、いず高き神の埡心なのか 埡朰しの、無胜な圹立たずめっ 私達が䜕をした 私の効が、お前に、䜕をっ」
    『嚁勢の良いこずだ』
    「呪っおやる」
     面癜がる声に、ルルニアは噛み付いた。
    「黄泉の奥底から、魂の限りに呪っおやる 笑いながら私達の背を螏み぀ける者どもを、効を陥れた教埒どもを そしお、それら党おを知っおいながら䜕もしない無胜の神を 呪われろ 呪われろ 呪われろ 私の流した血を、口を開けお飲み蟌んだ土よりもなお呪われるがいい」
     ほう、ず感嘆の声が聞こえた。
    『よくぞ蚀った』
     ルルニアは胞を匷く衝かれた。悲鳎すら䞊げられないたた、埌ろに倒れる。
    『神をも畏れぬ䞍遜さに免じお、我が力の䞀滎を貎様らに䞎えよう。殺意を解き攟ち、裁きをくだせ。無胜な我々に代わっお、存分に。裏切りに報いを、眪には眰を。貎様を熱く燃え䞊がらせるその激情によっお、埩讐を成し遂げるがいい』
     ただし、ず声は愉しげに釘を刺した。
    『代償は高く぀くぞ』

    むラスト蟰銬倧助
    キャラデザ508

    モノロヌグhttps://note.com/hiroshi_agata/n/n9120b4d5ed34?sub_rt=share_b
    第二話https://note.com/hiroshi_agata/n/n8f07e641d08e?sub_rt=share_b
    第䞉話https://note.com/hiroshi_agata/n/ne38142623cd0
    第四話https://note.com/hiroshi_agata/n/n30fca14ba29b
    第五話https://note.com/hiroshi_agata/n/n3ec76fc1e906
    第六話https://note.com/hiroshi_agata/n/n2c9fcde95868
    第䞃話https://note.com/hiroshi_agata/n/nadd2adc1afae
    第八話https://note.com/hiroshi_agata/n/nf91be3cace56


     
     
     
    小説・ボむスドラマ脚本・ゲヌムシナリオ等を曞いおおりたす。 アむコンは508https://twitter.com/508_kooya様

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