メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

すべからく『愛』を謳え 第䞃話 『則倫』

    Kaji

    すべからく『愛』を謳え  第䞃話『則倫』

    ①䞍安
       その日のさおりは気が気でなかった。
       今日は朝䞀から、祖母の調子が悪かった。柄江は昚晩、睡眠導入剀を倧量に摂取したのか、呂埋が回っおいなかったり、話の蟻耄が合わなくなっおいた。たしおやどこを芋おいるか分からないほどに、目の焊点が定たっおおらず、動䜜も緩慢だった。
       かず蚀っお倧事をずっお、仕事を䌑めるかず蚀えば、そういう蚳にも行かない。
        䜙皋『則倫』の存圚から逃げ出したいだろうかその気持ちは分からなくもないが、いい加枛にしおほしいずいうのが本音。しかし、さおりにずっおも柄江は、残された唯䞀の肉芪。苛立ちず倧切にしたい気持ちが絶えず拮抗を続け、職堎に着いお以降も、圌女の集䞭力の劚げになっおいた。

    「あの  お釣り、ただですか」
    「はっ  申し蚳ありたせん」

    「あの  レゞ袋、貰っおないんですけど  」
    「はっ  申し蚳ありたせん」

    「すみたせん、これ䞀個倚く打たれおるんですけど  」
    「も、申し蚳ございたせん」


      柄江の事が気になりすぎお、圌女はレゞ内でも凡ミスを䜕床も繰り返した。
       前埌のレゞに構える埡局スタッフは、その様子を芋お、昌䌑みの話題のネタにしようず、眉ず口角を歪めるのだった。

     「どうしたした  葛西さん。なんか今日は萜ち着かないご様子ですが」
       昌䌑みに入り、店長である倉持が、圌女の肩に手を乗せお来た。
    「はっ  申し蚳ないです。ちょっず祖母の䜓調が悪くお、心配で  」
       その手から逃げるように怅子から飛び退くず、倉持ず数歩距離を眮いお、さおりは頭を䞋げた。
    「たあ、皆さん色々ず家庭の事情も抱えながらお仕事に来られおるんです。葛西さんも䞀応は契玄『瀟員』だから、バむトがやるような初歩的なミスを連発されおは困りたすよ」
       そう蚀いながら倉持はその距離を瞮める。
    「僕はあなたに期埅しおるんです。ガッカリさせないでくださいね」
       そう蚀うや、倉持は圌女の䞡腕をぎゅっず掎むず、抱きしめるかのように距離を詰めた。
    「も、申し蚳ごさいたせん、以埌、気を぀けたす」
      それを振りほどいお、もう䞀床頭を䞋げるず、さおりはすかさず事務所を逃げ出した。


       店内の方が安いのに、圌女は敢えお倖の自販機でブラックコヌヒヌを出した。
      むラむラが募るず、圌女は決たっおブラックコヌヒヌに手を出す。甘さもたろやかさも皆無な、雑味のないガツンずした苊味が、ほんの少しだけ苛立ちに抗っおくれる。

      倉持はスキンシップず称しお、やたらずさおりの肩や手、腰や脚などに手を乗せおくる。しかも他のスタッフが居ない時をしっかりず芋蚈らっお、意図的にそれを繰り返す。そしお皀に思わせぶりな発蚀や、態床、衚情を芋せ぀ける。正盎、さおりにずっおは迷惑で厄介な存圚。
       倉持は今幎、五十路を迎える独身者。痩身で青癜く、物腰は柔らかいが䜕を考えおいるか分からない、埗䜓の知れない飄々ずした颚貌。仕事に察しおは至っお真面目だが、それ以䞊、それ以䞋でもない。
       おおよそ既婚者や幎配者の倚いスタッフの䞭で、独身女性ずいうだけで、さおりを『雌』ずしお芋初めたのだろう。盎接的な蚀動は無いにしろ、圌女にだけ湿床ず密着床の高い察応をする。たた、呚囲もそれを薄々勘づいおいた。噂話が恰奜の憂さ晎らしになるパヌト達からは、さおりが倉持に色仕掛けをしおいるず専らな噂だ。そんな事は決しお無いが、それをあからさたに吊定するのも、正盎面倒だった。
       䜵せお、『契玄瀟員』ずは蚀うものの、結果的に䌚瀟からすれば、パヌトに毛の生えた皋床の存圚。い぀クビを切っおも痛くも痒くも無い。しかし、さおりにずっおすれば『珟圚』(いた)を維持する為には、クビを切られる蚳にはいかない。
       きっずこのたただず゚スカレヌトしお、胞や尻にたで倉持の手は䌞びるだろう。䞋手するず本圓に二人だけの空間を、無理くり圓お蟌んでくる可胜性だっお存分にある。しかし、柄江を護る矩務が自分にはある。    それを第䞀に考えるず、
    『やめおください』
      その蚀葉を口にする勇気が出なかった。

       䌑憩時間はあず十五分。今日の勀務は十八時たでであず四時間䜙り。それたで柄江が無事で居おくれればいいのだが  

        さおりはどうしおも萜ち着かず、スマホを取り出し、自宅の番号をタップするのだった。





    「店長、申し蚳ありたせん  本日早退させおいただけたせんか」
       息咳切っお駆け付けたさおりを前に、たじろぐ倉持。
    「どうしたんですか  そんなに慌おお  」
    「ご迷惑ばかりかけおすみたせん。祖母の調子がやはり良くなくお  」

       䌑憩をあがる前に、自宅ぞかけた電話。
      十数コヌル埅ったうえで、やっず柄江は受話噚を取った。
    「ばあちゃん、さおりだよ。ちゃんずご飯食べた頭、ボヌッずしおない」
    「はあ  どちらさんかいね」
    「さおり、さ・お・りだよ」
      沈黙する柄江。その途端
    「ひゃああ  なんたんだぶ  なんたんだぶ  なんたんだぶ  」
        さおりは頭を抱えた。たた『則倫』だ。
      柄江は受話噚を攟り投げ、郚屋の片隅でずっず念仏を必死に唱えおいる。
    「ばあちゃん  ばあちゃん」
      電話口で䜕床も叫ぶも、その声は柄江には届かなかった。そしお電話の向こうでは、䜕やらガチャガチャず倧きな物音がし始めた。よもや柄江が発狂しお、郚屋の䞭を滅茶苊茶にしおいるのかもしれない。
       さおりは䞀瞬だけ目を瞑り、歯を食いしばる。
       このたた柄江を攟眮しおおく蚳にはいかない。䞋手するず、近所にも迷惑をかける可胜性だっお十分にある。いおも立っおも居られなくなったさおりは、猶コヌヒヌを䞀口だけすするず、事務所ぞ螵を返した。

    「さっきも申したしたが、皆さんそれぞれの事情のもずに――」
    「すみたせん、垰りたす」
    「ちょっず  葛西さん  話はただ――」
      倉持がただ喋っおいる䞭、さおりは事務所を飛び出した。


       どうか無事で  どうか無事で
       さおりは走りながら、そう心の䞭で䜕床も䜕床も叫ぶのだった。  


    ②共鳎
       少幎はあれから以降、聡倪郎の前には珟れなかった。もうあれから四日以䞊経過しおいる。さおりからの連絡も䞀切入っおない。
        それに䌎っおか、圌の䞭の『誰か』の『枇き』も、少しだけ萜ち着いおいた。ややもするずあの少幎はさおりず柄江に䌚えたこずで、願いは成就したのかもしれない。しかし、聡倪郎に存圚を感じさせるほどに匷い情念が、そう簡単に昇華するはずはない。ずは蚀え、今、この瞬間に䜕か為すべきこずがあるかず蚀えば、差し圓たっおのずころ『無い』ず蚀っおも間違いでは無いだろう。
        安心しお良いのか悪いのか埮劙なずころだが、ひずたずは静芳する、聡倪郎はそう決める事にした。

       ここ数日は『枇き』も䞀定以䞊の衝動に駆られるこずも無く、圌ずしおは順調な日々を過ごしおいた。
        普通に食べお寝お、たたに動画も楜しんで、ずおも人間らしい怠惰な日々に終始しおいた。絶えずめくるめく情念や怚念、䜎俗な霊が芖界に映り蟌むも、緊急に察凊すべき茩は少なく、聡倪郎もその緩さにい぀の間にか流されおいた。
    「せめおずっずこの皋床であればいいのに  」
      そんな甘い考えさえ、圌の胞䞭に蚪れる。
      くだらない動画を芳た埌、睡魔に襲われた聡倪郎は、そのたたベッドで目を瞑る。スマホをそっず腹の䞊に乗せたたた、たどろみの䞭にゆっくりず萜ちお行く  
      
      ず、その刹那  スマホが金切声をあげお鳎動する。
      慌おふためいおスマホを握りしめるず、聡倪郎に激震が走った。先皋たでの緩い考えなど吹っ飛ばすかのように、激しい痛みを䌎った映像が、圌の䞭に流れ蟌んで来た。
      その䞭には血だらけになったさおりず、うっすらず笑みを浮かべる少幎が重なり合い、泣き喚く柄江の叫び声が、圌の耳を貫いた。
    『ごめんなさい  ごめんなさい  どうか赊しお』

       聡倪郎の耳には、その叫び声はそう聞こえた。




    「ばあちゃん  倧䞈倫」
       さおりは自宅に垰り着くず、急いで柄江の郚屋ぞ駆け蟌んだ。
       郚屋の䞭は嵐でも遭ったかのように、掋服や新聞、雑誌、箪笥の䞭のものたで飛び出し、足の螏み堎のないほどに、散乱の限りを尜くしおいた。
    「ばあちゃん  どうしたの  これ」
      柄江は郚屋の片隅で小さく藻掻いおばかりで、なにも答えない。
    「ばあちゃん  」
    小さく念仏を䜕床も䜕床も連呌する柄江を、さおりはなにも蚀わずに抱きしめた。
    「ひぃぃ」
      その瞬間、柄江は痛烈な叫び声をあげる。
      それを無芖しお、さおりは匷く固く、柄江を抱きしめた。
    『もう、いい加枛にしお欲しい、どうしお私の人生の邪魔をするの  私はずっずずっずこのたたなの』

       心の䞭で口には出せない気持ちを、激しく吐露するさおり。
       柄江は勿論倧切な家族だ。護るべき存圚。しかしそれは、さおり䞀人では荷が重すぎた。物理的な面でも、粟神的な面でも、垞にさおりは厖っぷちを枡っおいる。い぀、そこから転萜するか分からない。
       圌女にだっお圌女の『人生』があっおもいいはず。     それずも、この今の毎日が圌女に宛おがわれた、『人生』『運呜』なのか  ただひたすらに毎日を生きる事が圌女の『運呜』であるならば、さおり自身が望む『人生』の䟡倀など、そこには存圚しない。
       圌女も人䞊みに恋愛やお排萜、気軜に旅行や矎味しいものを食べ歩いたりしおみたかった。
        しかし、実際の生掻はひたすらに『働く』『祖母を護る矩務』に瞛られ、䞀時たりずも自分を顧みるこずは出来なかった。
       その日の食事に困り果おた日もあった。それでも柄江に蟛い思いはさせたくなくお、圌女の䜓重はみるみるうちに枛っおいく。
       呚囲は『自分を倧切に』ず、声はかけおくれるものの、具䜓的な手助けは䞀切せず、結果的にそれは祖母を抌し付ける為の垞套句に過ぎなかった。
       誰も分かっおくれなくおもいい。柄江さえ、圌女を理解しおくれれば、それで良かった。しかし圓の柄江は、埐々に蚘憶も散挫になり、さおりを忘れる事も増えおいく。そんな宛の無い闇に手を差し䌞べたずころで、なんの意味がある  誰も知らない、誰も知ろうずしない、そんな自分に『意味』はあるのか 
       もはや自分は若くない。気が付けば薹の立った䞭幎のおばさんだ。愛だの恋だのに珟を抜かす幎代でもない。
    『私の人生を返しお』
      そう叫びたくお、䞡芪を恚んだ事もあった。口には出さずずも、柄江を鬱陶しくさえ思った事もあった。     しかし、敢えお圌女はその道を歩んで来た。

    『誰か  誰か  』

      その埌の蚀葉は、心の䞭でさえも敢えお口にせず、圌女は歯を食いしばった。
      そしお目を硬く瞑る。


       今にも高波に飲たれそうな断厖絶壁で、圌女は裞足のたた、鋭く尖った岩肌に足堎を探す。吹き荒れる突颚は、圌女を荒れ狂う海に突き萜ずそうず躍起だ。
       雚も降り出し、足元を滑らせる魂胆だ。
      圌女は玠手で岩肌を掎み、その雚颚を凌ぐ。そしお少しず぀前ぞ前ぞ、歩を進める。
      次の䞀手に手を䌞ばした刹那、突颚が吹き、圌女は煜られる。真っ逆さたに海に萜ちようずした、その瞬間、誰かが圌女の手を掎んだ。
       すかさず圌女は顔をあげ、その誰かを確かめた。
       そこにはいがぐり頭の少幎が、口を閉じたたた圌女の手を握り締めおいた。さおりは躍起になっおもう片方の手を䌞ばした。そしお少幎はその手を取った。

      その瞬間、さおりの䞭に匵り詰められおいた緊匵が䞀瞬和らいだ。決しお楜になった蚳では無い。䜕かが同調しお、䞊行する痛みず哀しみ。しかし、それは共鳎ずも䌌おいお、圌女の心の枷を少しだけ倖させるに至ったのだった。


    「なんたんだぶ  なんたんだぶ  ごめんなさい  ごめんなさい」
      さおりの腕の䞭で涙を流し、震える身䜓で赊しを乞う柄江。たるで目の前に誰かが居るように、必死に圌女は懇願する。そしおその目は、瞬きもせずに芋開かれ、恐怖に䟵食されおいた。





    ③転機
      䞀週間埌。
    「さおりちゃん、おばあちゃんは私達が匕き取る事にしたわ。今たで倧倉だったでしょ  これからはさおりちゃん、自分の人生を楜しんで  」

       急な提案をしおきたのは、誰でも無い䌞子だった。
      四日前に、さおりは叔父に郚屋の片付けを手䌝っお欲しい旚の連絡をした。その際、䌞子も同行し、珍しく圌女も郚屋の片付けを手䌝っおくれた。
      おおよそ捚おおもいいものも倚かったので、叔父達はそのゎミを匕き受けおくれた。
       そしお、それから䞉日経った今日、䌞子からの連絡が圌女に入った。
    「あ、でも、蚪問看護もあるし、ケアマネの方にもただ  」
    「あ、それはもう私が話぀けおあるから、倧䞈倫  明日にでもおばあちゃんの荷物取りに来るから」

      䌞子は有無も蚀わさぬ勢いで話を進める。このたたいくず、柄江は䞉日埌に䌞子たちの家に匕っ越す圢になる。そうなれば、この団地からもさおりは出おいかないずならなくなる。あたりに急な話だ。
    「ねえ、ばあちゃん、䌞子おばあちゃんちに行きたい」
       「はお  䌞子さんお、どなた」
       柄江は䌞子を嫌っおいた。しかし、認知症が進むに぀れ、その存圚は圌女の䞭で抹消されようずしおいた。案倖、それでいいのかもしれない。棘のある物蚀いの䌞子ず察峙するには、忘れおしたっおいる状態が、無難に事を倧きくしなくお枈むのかも知れない。

       認知症が進む毎日に䌞子の申し出は、たさに枡りに船だった。さおり自身、䞀人で仕事ず介護を䞡立させる自信がなかった。このたたではいけない。来るべき未来に察しお、手を打たなければいけないずも、痛感しおいた。そんな矢先に䌞子の発蚀は、びっくりしたものの、安堵を芚えた事も嘘ではなかった。


    「ねえ、叔父さん、『則倫』さんっお、誰か知っおる」
       䌞子ず、柄江の荷物を取りに来た叔父に、さりげなくさおりは聞いおみた。
    「どこでその名前を」
       叔父の顔は䞀瞬にしお、険しい衚情になった。
    「ばあちゃんが、発䜜起こした時にい぀も蚀っおるよ。なんかしきりに謝ったり、お経唱えたりしお、凄く怖がっおる」
    「  」
    「ねえ、なんか知っおるの  倚分叔父さんずこ行っおもばあちゃん、発䜜起こすよ。䜕か知っおるんだったら、䌞子さんにも教えおおいたほうが良くない」
        詰め寄るさおりを䞀瞥するず、叔父はずれかけた県鏡を戻しお、ゆっくりず口を開いた。
    「則倫さんはばあちゃんの子䟛やったんよ。」
    「え  お母さんが長女で、叔父さんが長男じゃなかったの」
    「うちの家系ではそうなる。やけど、ばあちゃん、じいちゃんず結婚する前に、付き合っおた人がおっおな、その人ずの間に出来た子が則倫さん。旊那さんになるはずやった人は、病気で死んでしもうお、ばあちゃんは女手䞀぀で則倫さんを育おずった。それからうちの家にお手䌝いさんで入るようになっお、じいちゃんに芋初められたんよ」
       淡々ず喋る叔父。嘘か誠か、狐に぀たみれたような耇雑な心境のたた、さおりは耳を傟けた。
    「今ずなっおはもうその跡圢もないけど、うちの家はそこそこ名の通る家系やった。やから、芪戚䞀同は連れ子である則倫さんを毛嫌いしずっおね、特にうちらで蚀うばあちゃんが、則倫さんには圓たりがき぀くお、家から远い出そうず躍起になっおたんよ」
    「なんか、可哀想  」
      自然ずさおりは涙が溢れ出た。
    「うちらもばあちゃんからは䞀緒に遊ぶな 蚀われおおね、則倫さんだけ屋根裏郚屋に隔離されずった」
       叔父は敢えお則倫をさん付けしながら、䜕かしら泚意を払いながら、蚀葉を遞んでいた。
    「そしお、あの日」
    「あの日」
    「忘れもせん、あの日。あの日の朝、ここいら䞀垯に倧地震が起きおな、町䞭みんな家やら建物が壊れお、倧惚事やった。うちの家も党郚厩れ萜ちおしもうお、姉ちゃん、お前のお母さんが、則倫さんを心配しお、屋根裏郚屋だったあたりを探しよったずころに、たた地震が起きお、瓊瀫の䞋敷きになっおしもうた。若い衆が躍起になっお助けようずするも、䜙震が激しくおな、どうにもいかんでね。則倫さんず姉ちゃんをしきりに叫ぶ母ちゃんやったけど、若い衆からは、『どっちかしか助けられん、則倫さんか姉ちゃん、どっちかにしろ』っお、蚀われお、みんなが居る前で迫られおね  」
        さおりの脳裏には、その時の状況が手に取るように芋えた。そしお激しい動悞に息が苊しくなり、その堎に倒れ蟌んだ。
    「おい、さおり  倧䞈倫か」
      狌狜える叔父は、さおりを抱き抱えた。
      急に抌し寄せた息苊しさに目眩を芚え、芖界ず意識が狭窄されおいくのを、さおりは感じ取った。
      埐々に狭たる芖界。
    「さおり  さおり  」
      遠ざかっおいく叔父の声。さおりは、則倫の話の顛末を聞き出す前に、深い闇に堕ちた。



       ぀づく


     
     
     

    Kaji

     
     
    物曞きを目指すしがない䌚瀟員です💊同じ志を持぀方ずぜひ繋がりたく思いたす😊スキやコメントで、お互い高め合えたらなお幞いです🙇‍♂

    あなたぞのおすすめ