
4話 使命がある人が眩しく見えた
「私はこれをするために生まれてきました」
そんな言葉を聞くたびに、
すごいなと思っていました。
羨ましいなとも思っていました。
そして少しだけ、
苦しくもなっていました。
私には、そこまで言い切れるものがなかったからです。
使命。
天職。
人生の目的。
そういうものを見つけている人たちは、
迷いがなくて、
自信があって、
まっすぐ前を向いているように見えました。
一方の私は、
好きなことはある。
やりたいこともある。
誰かの役に立ちたい気持ちもある。
でも、
「私はこれをするために生まれてきた」
そう言えるほどの確信はありませんでした。
だから、
使命を語る人を見るたびに、
「私はまだ見つかっていない」
「私は遅れている」
そんな気持ちになっていたのです。
今思えば、
私は使命がある人に憧れていたのではなく、
迷いのない姿に憧れていたのかもしれません。
人は誰でも、
答えを持っている人を見ると安心します。
だから、
自分の道を迷わず歩いているように見える人が眩しかった。
でも、
本当にそうだったのでしょうか。
最近になって思うのです。
私から見て使命を見つけているように見えた人も、
きっと悩んだ時期があったはず。
迷ったことがなかったわけではないはず。
ただ、
その過程を知らなかっただけなのだと。
私たちはつい、
人の「今」だけを見てしまいます。
でも人生は、
完成形ではなく途中経過。
誰もが何かを探しながら生きているのかもしれません。
そう思えるようになってから、
少しだけ楽になりました。
使命が見つかっていなくてもいい。
迷っていてもいい。
答えが出ていなくてもいい。
そう思えるようになったのです。
今でも、
使命を語る人を見ると素敵だなと思います。
でも以前のように、
自分と比べて落ち込むことは少なくなりました。
人には人の道があり、
私には私の道がある。
最近ようやく、
そんな当たり前のことを受け入れられるようになった気がします。