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いい歳こいたおっさんがエースコンバットの思い出を語る話 6編


今回はアニキと四葉のクローバーについて語ります

最近(注:2026年1月にこの記事を書いています)、エースコンバット関連プラモデルの素晴らしい作例を連続で拝見する機会があり(いやー、眼福眼福!)、ここ20年ほど自分がプレイしてきたエースコンバットシリーズを思い出し、PS2三部作(AC04/5/ZERO)、Xbox360(AC6)、PS4(AC7)を久しぶりにプレイしました。実に懐かしい。古いゲームの再プレイは単に遊んで楽しいだけでなく、最初にプレイした当時の記憶や思い出が蘇って来て、感慨に耽りながらプレイしました。
今回はシリーズ中最もストーリーが好きな「エースコンバット6 解放への戦火」に登場する2人のパイロットについて思いつくままつらつらと書いていきます。

エースコンバット6の紹介

エースコンバットは戦闘機を操縦して敵機と空中戦をしたり地上目標を爆撃する、フライトシューティングというジャンルのシューティングゲームです。
そして、シリーズの一つに「エースコンバット6」があります。

エースコンバット6のサブタイトルは「解放への戦火」といい、架空のエースコンバット世界(ストレンジリアル世界と言います)で起きた「エメリア・エストバキア戦闘(通称EE戦争)」で活躍した主人公(TACネーム:タリズマン)の物語です。
プレイヤーは物語の主人公・タリズマンとなって戦闘機を操り、EE戦争で英雄となります。
発売は2007年、対応機種はXbox360です。

ストーリーは、隣国エストバキアからの襲撃を受けたエメリア軍が、一度は首都を放棄し地方へ撤退したものの、再軍備して徐々に敵を蹴散らしながら首都へ侵攻し、ついには首都を解放する……という流れで、ノースポイントに押し込まれたISAFがメビウス1の活躍でエルジア軍を跳ね除けるAC04と構図がよく似ています。違いは、AC04がFCUの首都サンサルバシオン解放で終わらずに敵首都ファーバンティまで攻め込む(その後、メガリス攻略に進む)のに対し、AC6では自国首都グレースメリアを開放することが最終目標です(その後、シャンデリア攻略に進む)。
特に首都開放のカタルシスはAC史上最高だと思います。
シャムロック「ゴーストアイ、(俺たちを)止めるなら今のうちだぞ」
ゴーストアイ「お袋の頼みだってお前たちを止めやしない」

タリズマンとシャムロックは
共にF-15Eを駆り、エストバキア軍に戦いを挑みます。
地上部隊を支援するタリズマン。
アイガイオン戦は大型爆弾で対応すると
あっという間にクリアできます(笑)。
F-15Eはチャコールリザード迷彩も選べます。
AC6のF-15Eは対空戦闘もこなします。

守るものを背負った、二人の男

AC6が他のシリーズ作品と大きく違う点は、「悪人がいない」ことです(画面に出てこない上層部にはいるかもしれないが、少なくとも画面に出てくる登場人物に関して言えば悪人はいない)。
敵陣で言えば初戦で被弾し、足を悪くして地上勤務となったヴォイチェク中佐、その後任のパステルナーク少佐、その部下トーシャ……みんな明日の自国を背負う人材ばかり。
味方も、首都に妻子を残したシャムロックなど、気持ちの良い連中ばかりです。

未来に掛けるアニキ・パステルナーク

主人公ガルーダ隊抹殺の命を帯びて物語中盤から登場したパステルナーク。気さくで部下想い。前の隊長ヴォイチェクが「オヤジ」タイプならパステルナークは隊員たちのアニキ分です。
彼はヴォイチェク負傷のため隊長不在となったエース部隊の「シュトリゴン隊」を途中から率いますが、上層部の愚策で隊員を小分けにして前線に逐次投入させられた結果、ガルーダ隊に各個撃破され、隊の戦力が徐々に削がれていきます。ようやくシュトリゴン隊が全力出撃を命じられたのはエメリア軍が首都グレースメリアを開放した後、つまり敗戦が決定的になった後でした。
「ジェントルマンがこんなに集まるとは、壮観だな」
エメリア軍勝利後のグレースメリアに全機突入せよ……それは言い換えると「死んで来い」と等価です。上層部は見栄、あるいは最後の悪あがきのためにシュトリゴン隊を使い捨てにする気でした。
パステルナークはそんな上層部に最後の抵抗を試みます。部下たちに180度回頭……つまり祖国への帰投を命じ、自身は単機でガルーダ隊に勝負を挑むのです。「ガルーダの相手は俺に任せて全機進路を東に取り、戦域を離脱しろ。明日の祖国を頼む」と言い残して。
そしてタリズマンと死闘を演じた結果、撃墜されるパステルナーク。
「シュトリゴン隊の戦闘空域離脱を確認……勝った……」
爆発四散する機体の中、パステルナーク最後の言葉です。彼は自分の命と引き換えに時間を稼ぎ、隊員全員を逃がすことに成功したのでした。
エースコンバット史上、最もほろ苦い勝利だと思うのは私だけでしょうか(いや無い)。ちなみに次点はバンカーショット作戦(AC04)かな?
ゴーストアイはじめ味方が一斉に首都解放の歓喜に沸いている中、プレイヤーの私(=タリズマン)だけが敵(パステルナーク)に敵わなかった……試合に勝って勝負に負けたという気分に沈みます。
こうしてパステルナークがその命で稼いだ時間で、シュトリゴン隊の隊員は生き延びることが出来ました。
終戦後、捕虜収容所でパステルナークに生かされた隊員の一人、トーシャは婚約者のルドミラと結婚し、新しい家庭を築くことになります。パステルナークの遺言通り、戦後の祖国を支えるために。それはパステルナークが自らの命と引き換えに得た「守るべきもの、未来」でした。

幸運を祈る迷い人・シャムロック

シャムロックはエストバキア軍による首都グレースメリア侵攻(奇襲)のため、軍の決定に従い、妻子を首都に残したまま撤退を余儀なくされます。この日から彼の存在目的は「首都に残した妻子を救う事」となります。
以後、タリズマンと2人でガルーダ隊を編成し、エメリア軍を勝利に導きます。

話は脱線しますが、AC6が他のシリーズ作品と違うのは、この作品では一つのマップ上で複数の作戦が同時進行し、複数の部隊がそれぞれに与えられた作戦に従って戦闘を繰り広げる点です。そのままでは負けてしまう(ように彼我の戦力差が調整されている)ところにガルーダ隊が介入し、各作戦を勝利に導くことでミッションクリアとなります(なので、ガルーダ隊に明確に作戦目的が与えられることはミッション12の大量破壊兵器排除を除いて無く、基本的に「他部隊を支援してこい」です。この判り難さも人気が出ない理由の一つかもしれません)。
主人公の「タリズマン」は幸運のお守り、相棒の「シャムロック」は四葉のクローバーという意味でやはり幸運のお守り。ガルーダ隊は味方にとって「勝利のお守り」という存在です。

話をもとに戻します。そういうわけでエメリア軍はガルーダ隊の加護で首都を開放できたわけですがが、そこで判ったのが、シャムロックの妻子の死亡記録です。
「俺は祖国を守り、家族を失った」なんとも皮肉なものです。
「もう戦う理由が無い。軍を辞める」悲しみに打ちひしがれるシャムロック。
しかし、そこでシャンデリアから発射された巡航ミサイルによるグレースメリア無差別爆撃が開始され、街は大混乱に。
シャムロックは再び戦う決意をします。
翌日未明、エメリア軍はシャンデリア攻略に全部隊を差し向けます。シャムロックの姿もそこにありました。
シャンデリアは無敵を誇りますが、弱点が構造基部のトレンチにあります。あまりにもハリネズミな防御に手を出しあぐねるエメリア軍。そんな膠着状態を打ち破ったのはシャムロックでした。トレンチの奥にある弱点に、捨て身の強行偵察を仕掛けます。彼の命がけのデータで弱点の詳細が判ったものの、機体はシャンデリアの対空兵装を全身に浴びてボロボロに。シャムロックはそのまま墜落していきます。
「マーカス!マーカス!」
マーカスはシャムロックの本名。それまで沈着冷静だった空中管制官ゴーストアイが唯一取り乱すシーンです。
シャムロックからデータを受け取ったタリズマンが弱点にとどめを刺し、エメリア軍はなんとかシャンデリアを崩壊させることに成功しました。
終戦後、グレースメリアの市街地を車椅子で進むシャムロックの姿が。
彼は墜落前に辛くも脱出に成功したものの負傷し、車いす生活を余儀なくされていました。彼の目的地はメリッサとマティルダのハーマン母娘。この2人が提供してくれた設計図でシャンデリアを攻略できたのでした。ハーマン家を訪問したシャムロックは、ハーマン親子やその他の子供たちの笑顔で歓迎を受けます。
「僕が守ったのはこれだったんだ」
自分の妻子は守れなかったものの、このようにグレースメリア市民の大勢の笑顔を守ることが出来た。シャムロックは自分が守ったものの重さを、こうして噛み締めるのでした。

立場は違えど、どちらも守ったものは同じ

パステルナークとシャムロック。パステルナークは自分の命を、シャムロックは大切な家族を失いました。しかしパステルナークは、例えばトーシャとルドミラという新しい「家庭」を残し、荒廃した祖国復興の基礎を作りました。シャムロックもグレースメリア市民の笑顔を守り、荒廃した首都の再建に希望を繋げました。それはどちらも輝かしい未来に繋がります。
敵と味方、立場が真逆の2人が守ったものは実は同じだった、というエンディングムービーで物語は幕を閉じます。テーマ曲の合唱の歌詞も「夜は辛くて怖いけど、いつか輝かしい朝がやって来る」という内容です。未来に希望を持とうというのがAC6の通奏低音(隠しテーマ)なのかもしれません。

このゲームをプレイした当時、私は結婚したばかりでパステルナーク視点(新しい家庭=社会の最小構成単位を築く責任)でエンディングムービーを観ていたのですが、最近久々にプレイしてみて(今は息子と娘がいます)、シャムロックの立場(家族を守る責任)に立っている自分に気づきました。
まあ、最近は自分よりも上手にプレイする息子を見てその成長にニヤニヤするほうが多いのですが……
AC6におけるこの人間ドラマは、シリーズの他作品にはなかなか見られないものです。国家転覆とか軍産複合体の陰謀とかはAC5や7でやってもらうとして、AC6で味わうべきは人間ドラマですね。
そして……どちらの視点に立っても、最後に残る「読後感」は、人々に対する優しいまなざし。やはりAC6のエンディングは歴代エースコンバットで最も温かい気持ちで泣ける、と思うのでした。

おまけ(BGMも最高)

ミッション1のグレースメリア侵略時のBGMと、ミッション13のグレースメリア解放戦のBGMが、実は同じメロディでアレンジ違いというのが芸が細かくて好きです。ミッション1はグレースメリアを放棄せざるを得ない切羽詰まった曲調で、ミッション13は首都奪還の喜びに満ちた、力強く開放的な曲調になっています。それが同じメロディで描かれるので、「おなじグレースメリアを舞台としながら攻守の立場が完全に逆転している」という状況をうまく演出しています。こういうのがプロの仕事なんだろうなぁ。
作曲が趣味の私としては、音楽でこういう演出ができるプロに憧れることしきりです。素人の俺でも頑張ってこんな曲を作ってやる!と(未だに実現していませんが)。
これまた歴代エスコンサントラ中、最も好きな音楽です。


どさくさに紛れてオリジナル曲を紹介

この流れで厚かましく自作曲を紹介します。
私がメキシコ出向時代に制作した楽曲です。
「すべての夏をこの一日に」は、テオティワカンを訪れた時の感動を描いた曲です。


「防人の夢」は、メキシコに駐在した自分を経済戦争の先兵、メキシコに築いた日本の橋頭堡を守る防人に見立てて書いた曲です。当時は第一次トランプ政権の真っ只中で、NAFTAの枠組みを超えて関税を掛けたり、トヨタに「メキシコの工場で車を作ってもアメリカに輸入するな、アメリカに工場を建てろ」と圧力を掛けたり、大変な時期でした。


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