4,950円の掘り出し物。12mm合板で「一生モノ」のランタンケースを作る
ようやく春の足音が聞こえてきました。 千葉の自宅のウッドデッキに注ぐ日差しも、心なしか温かさを帯びています。 こうなると、がぜん「DIY欲」が湧いてくるものです。
そんなDIY日和の午後、私はリサイクルショップ「トレジャーファクトリー」で、運命の一台に出会いました。 コールマンのワンマントルランタン、286A。 値札には「ケース付き 6,600円」の文字がありました。 しかし、ここから少し不思議な時間が始まります。
倉庫に消えた彼女と、苦い記憶
店員の彼女は「倉庫にあるはず」とケースを探しに行きましたが、待てど暮らせど戻ってきません。 10分、15分……。 彼女がバックヤードで懸命に探してくれている間、私は棚の286Aを眺めながら、ある「苦い記憶」を思い出していました。
かつて愛用していたランタンを運んでいた時のこと。 純正ケースの留め具が経年劣化で緩んでおり、不意に外れて落下。一番繊細なホヤ(ガラスの筒)にヒビが入ってしまったのです。 これはコールマンの樹脂製ケースでは、意外と知られた「あるある」のトラブルかもしれません。
ようやく戻ってきた彼女が、申し訳なさそうに「ケースが見つかりませんでした」と告げたとき、私の中ではすでに答えが出ていました。
「……なければ、自分で作ればいい」
286Aの「相場」と、4,950円の価値
ここで、今回手に入れた286Aの相場感について触れておきましょう。
現行モデル: 現在のカタログモデル(型番:2164001)は、伝統的なレッドが主流で、定価はおよそ20,000円前後です。
中古市場の相場:リサイクルショップやフリマアプリでは、ケース付きの良品で8,000円〜12,000円程度、ケースなしでも6,000円〜7,000円ほどで取引されるのが一般的です。
今回の決着:1年前から入荷し、ずっと売れ残っていたというその個体は、ケースなしという条件で4,950円まで値下がりしました。 長く使える道具だと考えれば、驚くほど「買い」の価格でした。
12mm合板、一点突破の「守り」
自宅に戻り、12mm合板の端材を引っ張り出します。 当初はリバーシブル構造なども検討しましたが、最終的に行き着いたのは、過去の教訓を活かした「一点突破」の頑丈なケースでした。 壊れやすいホヤとマントルを、走行中の振動や不意の衝撃から守り抜く。その一点に絞り込んだ「木の金庫」です。

キチキチのサイズ感: 現物合わせで切り詰めた内寸により、本体が中で暴れる隙を与えません。
ヘッド固定の妙: 天板の内側にゴムを貼り、ランタンのヘッドを上から押さえつける構造にしました。 これにより、ハイゼットの荷室での「横置き」も可能にしています。
パッチン錠の安心感: 金属製のラッチを採用し、走行中の不意な開放を物理的に防ぎます。
持ち手としての「のぞき窓」:ハンドルの干渉回避のために開けた側面の円形穴ですが、これが最高の「持ち手」になりました。棚から引き出す時だけでなく、持ち運ぶ際にも指がしっかりとかかり、非常に便利です。あえて外付けの取っ手を付けないことで、積載時のフラットな収まりと実用性を両立させました。

互換マントルの「洗礼」
整備の過程で、マントルは「長野アウトドアスタイル」の21型互換品を使用しました。 ただ、これには少しコツが必要でした。純正に比べると空焼きの際の火の回りが独特で、少し難易度が高い印象です。 しかし、一度焼いてしまえば286Aらしい力強い輝きを放ってくれました。
良い道具を自分で世話し、専用の居場所を与えて長く使い続ける。 12mm合板のずっしりとした重みは、そのままこの道具への愛着の重みでもあります。春の光を浴びながら、ハイゼットの傍らで灯る286Aの明かり。 これからのキャンプシーズンが、今から楽しみでなりません。
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