
青二プロダクションへの挑戦でガチギレされた話【宅録声優プロデュース編 #17】
こんにちは!副業が趣味になっちゃったひと、ヒッピーさんです。
前回は、有名小説のオーディオブック収録現場で、厳しいダメ出しすらされない「静かなるスルー」というプロの洗礼を浴び、夫婦で「求められる成果物とは何か」を深く考えさせられたお話をしました。
プロの深淵を覗き見つつも、有名人との掛け合いという「最強の実績」をまた一つ経歴書に書き加えた我が家のスタジオ。 ココナラでもついに最高峰の「プラチナランク」を取得し、地上波アニメ、有名作のオーディオブックと、着実に階段を駆け上がってきました。
これだけのハクが付けば、おじさんプロデューサーの野望はもう止まりません。 「もっと、もっと奥さんに強烈な経験を積ませて、表現者として覚醒させたい……!」
そう考えた私が次に目をつけたのは、ネットの副業サイトではなく、声優業界の「ど真ん中」、文字通りの「聖地」でした。
この記事を読めば、「調子に乗りすぎたプロデューサーが現実の雷を落とされる瞬間」がわかり、のほほんと「さすがに青二は暴走しすぎで草(笑)」と楽しんでいただけるはずです。

それでは、我が家に最大級の家庭内落雷が響き渡る第17話、スタートです!


プロ業界の「ど真ん中」へ。おじさんが目をつけた業界最大手の門
「宅録声優」という枠を超えて、もっと多くの刺激を奥さんに吸収してほしい。
そう考えた私が目をつけたのは、声優プロダクションが主催する一般オーディションでした。 アニメ、ゲーム、テレビのナレーション。誰もが一度は耳にしたことがある超有名声優さんたちが数多く所属する、業界最大手の絶対王者――「青二プロダクション」。
その新人発掘オーディションの案内を見つけた瞬間、私の脳内にはまたしても「名プロデューサーとしての直感(※ただの暴走)」がビンビンに走りました。
「これだ……! ここに奥さんをエントリーさせよう!」
もちろん、そんなオーディションに集まるのは、全国から人生を賭けてやってくるガチの声優志望者ばかり。レベルの高さは折り紙付きですし、審査の厳しさもこれまでの比ではないことは百も承知でした。
「選ばれるのは5名」の超難関。それでも突撃したかった理由
正直に言えば、最終的に事務所への所属を掴み取れるのは、全国から集まる猛者たちの中でせいぜい「5名程度」という超・狭き門です。
そんな奇跡みたいな確率、いくら我が家の奥さんでも簡単に通るとは思っていませんでした。 でも、私は「合格」そのものだけが目的ではなかったのです。
熱意に満ち溢れた本物のプロ志望者たちの中に奥さんを放り込むことで、「どこまで通用するのか」を肌で感じてほしかった。そして、その熱い空間で、これまでにない新しい「気づき」を得てくれたら、それだけでプロデュースとしては大成功だと思ったのです。
「これは絶対にいい経験になるぞ……!」と、一人で勝手に大興奮した私は、さっそく仕事部屋からリビングへと走り、奥さんに向かって熱意120%でこのプレゼンをぶちかましました。
しかし、奥さんの反応は、私の予想とは180度違うものでした。
「今の生活はどうなるの!」リビングに響き渡る正論の雷
「いやいやいや……!!! 絶対にそれはないから!!!」
奥さんの口から飛び出したのは、プロデューサーの妄想を木っ端微塵に打ち砕く、あまりにもリアルで、あまりにも真っ当な「正論の雷」でした。
「もし、万が一にでも最終選考まで残ったら、その後は『青二塾生』として長期間、ガッツリ時間もスケジュールも拘束されるんだよ!? 私たちの今の生活や家庭のバランスはどうなるの!?」
「……あ。」(絶句する夫)
「そもそも、そんな簡単に受かる世界じゃないのは百も承知だけど、人生を賭けて、死に物狂いでその5枠を狙いに来ている人たちに対して、『ちょっと力試しで〜』なんて中途半端な気持ちで参加するのは、その人たちにも、作品にも失礼でしょ!!」
ぐうの音も出ませんでした。 完全に実績に味を占め、プロデューサー気取りで舞い上がっていた私の頭に、冷や水がバケツごと降ってきたような感覚でした。
私たちには、守るべき大切な家庭があり、今の生活のペースがあります。 エンタメとしての楽しさや「ハク付け」ばかりを追い求め、一番大切な「本人の生活」と「表現への誠実さ」を見失っていたのは私の方でした。
「……そうだよね。ちょっと調子に乗りすぎた。ごめん」
リビングに響いた雷を浴びて、私は静かに反省。今回はエントリーをきっぱりと断念し、我が家のスタジオは平穏を取り戻した……かに見えました。
💡 今回のプロデューサー(夫)の教訓
今回のエピソードの教訓はこんな感じです。
「副業の目的を見失うな。主軸はあくまで『生活の豊さ』にある」 実績が出始めると、もっと上へ、もっと大きな舞台へとエスカレーター式に野望が膨らみがちです。しかし、副業の本来の目的は「今の生活や家庭を楽しく、豊かにすること」。家庭のバランスを壊してまで大舞台に突撃するのは本末転倒です。
「プロの戦場へのリスペクトを忘れるな」 「力試し」や「経験のため」という動機自体は悪くありませんが、相手が人生を賭けている聖域である場合、中途半端な覚悟での突撃は周囲へのリスペクトを欠くことになります。引くべき一線を見極めるのも、プロデューサーの大切な仕事です。
次回予告
青二プロダクションへの突撃を断念し、一時の冷静さを取り戻した我が家のスタジオ。 しかし、この「青二塾事件」をきっかけに、私と奥さんの間で、これまで心の奥底に隠れていた「ある決定的なズレ」が表面化してしまいます。
「私は、ただ楽しく声を届けたいだけなのに……」 「いや、せっかくの才能なんだから、もっと上を目指すべきだ!」
良かれと思って背中を押し続ける夫と、足元を大切にしたい妻。 お互いの「副業への方向性の違い」がついに修復不可能な段階を迎え、我が家のスタジオに最大の危機が訪れます。
次回、 「方向性の違いがついに限界へ。ヒッピーさん、プロデュースを降りる!?」
え、この連載、まさかのここで最終回……!? 次回、涙のシリアス展開。楽しみにね!ではでは!!

ヒッピーさん
社会人博士取得後、なぜか副業が趣味になってしまったサラリーマン。自らの失敗談から「楽しく副業を続けるコツ」や「副業に大切な考え方」などを自分なりに伝えられたならと思っている。本来はマイペースな性格で、最近はのんびりドライブするのがお気に入り。
わたしが副業で得たもの
・普段外で見せられないわたしを表現できる
・本業やプライベートで得られない体験ができる
・ほめられる機会が増えて自己肯定感が増える
・副業で得られたノウハウが本業やプライベートで活きる
・収入が増えて気持ちの上で余裕ができる
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