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Photo byk_jack_norio

「願いを持ち続けた人が、最後に取り戻すもの」

    妊活のご相談(占い)を受けていると、
    たくさんの方の時間に触れます。

    願って、傷ついて、
    立ち止まって、
    それでもまた前を向こうとする時間。

    そのひとつひとつを見ていると、
    私はふと思うことがあります。

    それは、

    願いを持ち続けた人は、
    最後に何を取り戻していくのだろう

    ということです。


    妊活という時間は、
    何かを待つ時間であると同時に、
    何かを少しずつ失っていく時間でもあります。

    最初の頃に持っていた無邪気さ。
    「きっと大丈夫」と思える軽やかさ。
    何も疑わずに未来を描けた感覚。

    願いが深くなればなるほど、
    人は少しずつ慎重になります。

    期待することが怖くなり、
    前向きな言葉にさえ
    身構えるようになることがあります。

    それは、
    弱くなったからではありません。

    それだけ真剣に、
    この時間を生きてきたからだと思います。


    でも私は、
    たくさんの方の時間に寄り添う中で、
    ひとつ感じていることがあります。

    それは、

    願いを持ち続けた人は、
    失ったものばかりではなく、
    最後にあるものを取り戻していく、
    ということです。


    それは、
    “自分を信じる感覚”です。


    ここでいう「自分を信じる」は、
    何でもうまくいくと思い込むことではありません。

    不安がなくなることでも、
    傷つかなくなることでもありません。

    そうではなく、

    うまくいかない日があっても、
    揺れる日があっても、
    それでも

    「私は私として、ここまで歩いてきた」

    と感じられること。

    その静かな実感こそが、
    人が最後に取り戻していく
    いちばん大きなものなのではないかと
    私は思っています。


    願い続ける時間の中で、
    人はたくさん迷います。

    「このままでいいのかな」
    「私は間違っているのかな」
    「もっと違うやり方があるのかな」

    そんなふうに、
    外側に答えを探し続けることもあります。

    でも長い時間を経た方ほど、
    ある地点で少しずつ変わっていきます。

    外側の正解よりも、
    自分の心の声に耳を澄ませるようになる。

    「本当はどうしたいのか」
    「何を大切にしたいのか」
    「私は私をどう扱いたいのか」

    その問いに、
    ゆっくりと向き合い始めるのです。


    私は、その変化がとても尊いと思っています。

    なぜならそれは、
    何かを得るためだけの時間から、

    “自分自身と深く出会う時間”へと
    変わっていく瞬間だからです。


    願いが叶うことは、
    もちろん尊くて、
    うれしくて、
    奇跡のようなことです。

    でもそれだけではなく、

    ここまで願い続けてきた時間の中で、
    人は少しずつ

    自分の弱さを知り、
    自分のやさしさを知り、
    自分の本当の強さを知っていく。

    そして最後に、
    失っていたように見えた
    “自分を信じる感覚”を、
    まったく新しい形で取り戻していくのだと思います。


    それは、
    最初に持っていた無邪気な自信とは違います。

    何も知らなかった頃の、
    軽い前向きさとも違います。

    傷ついたことを知っている。
    報われない夜を知っている。
    思うようにいかない苦しさを知っている。

    そのうえで、

    「それでも私は、ここにいる」
    「それでも私は、まだ自分を見捨てていない」

    と感じられること。

    その感覚は、
    きっと前よりもずっと静かで、
    ずっと深いものです。


    私はこれまで、
    ご縁がつながる方の時間をたくさん見てきました。

    その中で感じています。

    流れが変わる方は、
    劇的に強くなった人ではなく、
    自分との関係が少しやわらかくなった人なのだと。

    「私が悪い」ではなく
    「私も苦しかった」と思えるようになったとき。

    「まだ足りない」ではなく
    「ここまで、本当によくやってきた」と言えるようになったとき。

    人はその瞬間に、
    もう一度自分を信じる力を
    静かに取り戻していくのだと思います。


    私はその流れを、
    天使ちゃんとのご縁と呼んでいます。

    それは、
    完璧な人のもとに来るものではなく、
    揺れながらも、傷つきながらも、
    最後まで自分の心を閉じきらなかった人のもとに
    そっと訪れるものなのかもしれません。


    だからもし今、
    自分を見失いそうになっているなら、
    どうか思い出してください。

    ここまで願ってきたあなたは、
    何も持たずに立っているわけではありません。

    あなたの中にはもう、
    たくさんのものが残っています。

    やさしさ。
    痛みを知る力。
    人を想う力。
    そして、
    それでももう一度自分を信じようとする力。

    それらはすべて、
    ここまでの時間が
    あなたの中に残してくれたものです。


    願いを持ち続けた人が、
    最後に取り戻すもの。

    私はそれを、
    「自分の人生を、自分の足で歩いていいと思える感覚」
    なのではないかと思っています。

    未来がまだ見えなくても、
    それでも自分を見捨てないこと。

    それがきっと、
    人が最後に手にする
    いちばん静かで、いちばん強い光なのだと思います。


    これからも私は、
    たくさんの想いに寄り添いながら、
    言葉を通して小さな灯りを届けていきたいと思っています。

    その灯りが、
    あなたが失ったと思っていたものを
    もう一度、自分の中に見つけ直すための
    やさしい光でありますように。

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