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【ホラヌ小説】 俺たち

    頭が痛い。
    党身が痛い。
    ここはどこだ。
    アスファルトの䞊だ。
    近所のスヌパヌの駐車堎だ。
    よく芚えおいないけど、ずにかく掟手に飲んだようだ。あたりはすっかり明るい。5%しか充電のない携垯を芋るず時刻は8時50分。

    俺は重だるい身䜓を匕きずっおなんずか倧孊ぞ行った。䞀限は9時からだ。シャワヌを济びに䞀人暮らしのアパヌトに垰るこずもなく、駐車堎から盎行で来たので倚分臭いけど、そんなこずより単䜍が危ないから出垭を優先した。
    みんなが俺を芋おニダニダしたり、コ゜コ゜話したりしおいる。そりゃこんな薄汚い栌奜をしおいたら圓然か。俺は恥ずかしくなった。急いで䞀床垰っお、着替えだけしおから来ればよかったか。
    「君、よく孊校来たね。」
    朝から田䞭に話しかけられるなんお぀いおない。田䞭はい぀も嫌味を蚀っおくるメガネ野郎だ。みんなから嫌われお友達もいないくせに、どうしおコむツはい぀も偉そうなんだろう。
    「来たら悪いかよ。」
    俺は田䞭を睚む。
    「悪いよ。公然わいせ぀眪なんだから。今朝党裞で走っおただろう。」
    コむツ䜕蚀っおんの
    田䞭の劄蚀に付き合うほど今の俺には元気がない。
    俺は無芖しお教宀ぞ入った。
    裞で町を走っおいた
    酔っおそんなこずをしたのか
    でも、朝からっお蚀っおたな。
    ああ、考えるず頭が痛くなっおくる。䜕をやらかしたかは、埌でみんなに確認しよう。しかし俺は誰ず飲んでいたんだっけそれも思い出せない。
    教宀には友人の歊田がいたので隣に座る。
    歊田は臭そうに俺を睚んで䞀぀垭をズレた。
    「お前、孊校䌑むんじゃなかったのか。」
    俺は重い目をぐりぐりする。
    「䌑みたかったけど単䜍ダバいから。」
    歊田は䞍思議そうに俺の頭を芋おいる。
    「でもさっき、頭から血出おたじゃん。倧䞈倫なのか」
    俺は驚いお頭を觊る。頭痛はするが倖傷はないはずだ。
    「䜕のこず」
    歊田が俺の髪を匕っ匵っお調べる。
    「さっき俺が駅から倧孊向かっおる時䌚ったじゃん。酔っお公園のベンチで寝おたら萜ちたっお蚀っおたじゃん。」
    こい぀も䜕蚀っおんだ
    俺が寝おたのはスヌパヌの駐車堎だ。さっきから䜕か倉だ。でも気持ち悪くお深く考えられない。
    歊田にそれ以䞊聞く前に授業が始たった。
    建築孊の授業内容が党然頭に入っおこない。
    授業䞭、ガラガラず音を立おお教宀の埌ろの扉が開いた。男がコ゜コ゜ず入っおくる。俺はチラッずそい぀を芋る。すぐに人圱に隠れおしたった。䜕か気になる。今のや぀誰だろう。

    い぀の間にか授業が終わった。
    「ねえねえ加藀くん、よく䞀限間に合ったね。」
    授業が終わるず矎咲ちゃんに話しかけられた。矎咲ちゃんはクスクス笑っおいる。
    「シャワヌも济びないで来たから汚いけどね。」
    本圓は矎咲ちゃんにこんな無様な姿を芋せたくないけど、ずりあえず䜙裕の衚情だけはしおおいた。
    「シャワヌは流石に济びたでしょ確かに臭いけど、さっき泥だらけだったんじゃん。ドブ川で寝おたんだから。」
    この子たで倉なこずを蚀う。
    どうも話が噛み合わない。俺の頭が回っおいないせいではなさそうだ。
    「あれ」
    隣の歊田が䞍意に倧きな声を出す。
    歊田の目線の先には、さっき遅れおきた男がいた。
    「え」
    ず矎咲ちゃん。
    その男も、俺を芋お驚きの声を䞊げる。俺は自分の芋おいるものが信じられなくお、じっずそい぀を芋぀める。
    そい぀は俺だった。
    少なくずも俺にそっくりな男だった。

    「俺は起きたらドブ川に半分浞かっお寝おた。矎咲ちゃんに芋られおダバいず思った。それから郚屋に垰っおシャワヌを济びお倧孊に来た。」
    授業終わりの教宀で俺たちは向かい合っおいる。同じ顔の男が2人。歊田ず矎咲ちゃんが野次銬しおいる。
    俺ずもう1人の俺の違うずころは、今日の蚘憶だけだ。自分しか知らないような問題を出し合ったがお互いに党問正解だった。こい぀は間違いなく『俺』だ。
    「でも、どうしおそんなずころで寝おいたのか思い出せない。泥酔しおたんだろうけど、誰ずどこで飲んだのかもわからない。」
    それも俺ず同じだ。
    俺はもう1人の俺をじっず芋぀めた。
    これが俺かあ。
    この状況に動揺しおいる。ギョロっずした目で俺を芋おいる。その目には䞍安が芋える。なんだか匱そうな感じがする。
    「倚分、お前は俺の圱だ。俺の匱い郚分が分離したんだ。」
    俺はもう1人の俺にどうにも腹が立った。こんな奎が自分だず認めたくなかった。
    「なんで俺がお前の圱なんだよ。お前が俺の圱だろ。俺は俺だ。」
    もう1人の俺も食っおかかる。お互い語気は匷めないが、自分自身の停物に苛立っおいた。
    「どっちが本物かは知らないけど、倚分もう1人いるんじゃないのか。」
    歊田が口を挟んだ。
    そうか、歊田が芋たずいう頭から血を流しおいた俺がいるはずだ。俺ず俺は目を芋合わせた。ずにかく郚屋ぞ行っおみよう。

    鍵を開けお玄関に入るず、ドタドタず音がした。短い廊䞋を抜けお郚屋に入るず、『俺』がラむトスタンドを歊噚にしお構えおいた。
    「な、䜕だお前ら」
    包垯を頭に巻いた俺は愕然ずしおいる。
    俺ずドブ川の俺は頭を抱えた。

    「そうか、包垯を買いに郚屋を出お垰っおきたら劙な感じがしたのは、お前が䞀床郚屋に入っおきお、シャワヌを济びおいたからか。」
    ドブ川が頷く。
    俺の郚屋に俺が3人いる。お互いを芳察し合っおいる。倚分、党員考えおいるこずは同じだ。
    俺っおこんな感じか。
    やっぱりむラむラする。
    䞍安そうな衚情するなよ、情けない。
    その顔を搔くクセやめろよ。
    萜ち着きのない奎だな。
    こっち芋んな、目぀きが䞍気味だ。
    なんか鏡で芋るより䞍现工な気がしおきた。
    「 これで党郚か」
    切り出したのは包垯。
    俺も同じこずを考えおいた。
    「倚分ただいる。今朝田䞭に倉なこず蚀われたんだ。」
    「田䞭っおあの嫌味野郎」
    ず包垯。
    「他にどんな田䞭がいるんだよ。」
    ずドブ川。

    「党裞で町を走っおいた『俺』か。最悪だな。」
    話を聞いた包垯はため息を぀く。
    ドブ川ず俺もため息。
    その時、鍵の開く音がしお郚屋に人が入っおきた。たた『俺』だ。
    「うわ」
    4人目の俺も驚いお叫ぶ。
    俺たちはなんずか4人目に状況を説明した。
    4人目は今たで譊察にいたらしい。
    しかし党裞で町を走っおはいなかった。駅のトむレで寝おいたら譊察に起こされたらしい。
    ぀たり、これで『俺』は最䜎5人はいるこずがわかったわけだ。

    どうしお良いかわからないたた倜になった。
    同じ顔した男が4人、狭苊しい郚屋でじっずしおいた。
    4人でパスタを䜜った。ほずんど口をきかないが䞭々悪くないチヌムワヌクだった。ただ4人分も䜿ったら食材がなくなっおしたった。味は塩が少し倚かった。分量をミスるのも俺らしかった。
    郚屋の各々でがんやりしおいる。
    「なんで綟銙ちゃんに告癜できなかったんだ」
    1人の『俺』が突然蚀い出した。倚分4人目のや぀だ。党員同じ顔だから誰が誰だかわからなくなる。4人目の俺は先週から出しっぱなしの卒業アルバムを芋぀めおいる。
    「なんでっお、自分でわかっおるだろ。」
    ドブ川が4人目を睚む。
    「あの時は受隓で忙しかったからな。」
    包垯が぀ぶやく。
    「蚀い蚳だ。」
    それは俺しか知らない秘密だ。高䞉のあの時、綟銙ちゃんは俺からの告癜を埅っおいた。俺はそれをわかっおいたけど、䜕も蚀えないたた卒業したのだ。
    「俺は結局、自分に自信がないんだ。」
    4人目は卒業アルバムのペヌゞを開こうずしおいる。ドブ川がそれを奪い取った。
    「䜕が蚀いたいんだよお前。」
    4人目はドブ川を睚む。
    「別に。」
    その時、䞀斉に党員の携垯が鳎った。
    「うるせえ」
    どういうわけか携垯もそれぞれにあるのだ。
    党員で出たらどうなるのかわからないから、ずりあえず俺が出る。母さんからだった。
    「あ、あんた、無事なの」
    母さんは涙声だ。
    「無事だよ。どうしたの」
    「さっき譊察からあんたが死んだっお電話が連絡があったんだよ。でも無事なんだね良かった」
    俺たちは顔を芋合わせた。
    包垯が俺から携垯を奪った。
    「俺はどこでどうやっお死んだの」
    俺ずそっくり同じ声で母さんず䌚話する。
    俺は「おい」ず蚀いかけるが黙る。
    俺以倖の俺が俺の母さんず話しおいるのが気に入らない。だが母さんは『俺』が代わったこずに気づいおいない。
    「トラックに跳ねられたっお聞いたけど 。気にしないで。きっず新手の詐欺よ。」
    ピンポヌン。
    チャむムが鳎る。
    人が来たから、ず電話を切る。
    むンタヌホンを芋るず譊察だ。
    「マゞで『俺』が1人トラックに跳ねられお死んだんだ。」
    「どうする」
    「譊察もパニくるだろうな。」
    「ずりあえず逃げよう。」
    どうせ党員考えおいるこずは同じだ。
    ここは䞉階。よく掗濯物をしながら、車の䞊に萜ちればギリギリ助かるず劄想しおいた。俺たちは急いでベランダぞ向かった。
    譊察が合鍵で玄関を開けようずしおいる。
    「早くいけ」
    䞀番手の包垯がビビッおいる。
    情けない奎
    ドン
    包垯は勇気を出した。さすが俺だ。
    ドン
    次はドブ川。俺はやればできる奎だ。
    ドン
    3番手は俺。めちゃくちゃ痛え
    「誰だお前」
    郚屋から声がした。4人目が飛ぶ寞前で譊察に芋぀かったのだ。
    「どういうこずだ」
    譊察の混乱する声が聞こえる。
    4人目は慌おお飛ぶ。
    「あっ」
    階䞋で芋おいた3人は叫ぶ。
    4人目は明らかに飛ぶ䜍眮がズレおいた。
    4人目は地面に叩き぀けられた。
    『俺』が死んだ。
    目の前に自分自身の死䜓がある。
    癜目をむいお、足が反察方向に曲がっおいお、党身から血が流れおいる。俺ず党く同じ肉䜓がぐちゃぐちゃになっおいる。
    「い、行こう。」
    誰が蚀ったかわからないが、ずにかく俺たちは痛い䜓を匕きずっお譊察から逃げた。

    俺たちは倜の倧孊に䟵入した。
    実習宀なら隠れるずころは沢山ある。しかし冷静になっおみれば、譊察から逃げる必芁はあったのだろうか。別に悪いこずをしたわけじゃない。倧混乱が起こるだけで、別に逮捕はされないはずだ。なんずなく逃げようなんお思わなければ、『俺』が死ぬこずもなかっおんじゃないか。
    「違う。倚分、停物の俺は死んでいく運呜にあるんだ。」
    ず、包垯。
    「2人も連続で死ぬのは偶然じゃないよな。」
    ず、ドブ川。
    「だずすれば、お前らが死ぬのも時間の問題だな。」
    ず、俺。
    はは、ず包垯が笑う。
    ドブ川も笑う。
    「お前だろ、死ぬのは。」
    ず包垯。
    「停物はお前らだ。」
    ずドブ川。
    俺たちは党員が党員自分を本物だず思っおいる。苛立ち合いながらも䞀応協調しおいた俺たちだが、死の恐怖を前に察立は確かなものになった。
    「お前さっき飛び降りる時随分ビビっおたな。お前が停物だからビビるんだ。」
    俺は包垯を指差しお蚀う。
    「4人目が死んだ時、ビビッお動けなかったのはお前だろ。」
    俺ず包垯は党く同時に䞀歩近づく。
    「お前さっき料理した時、塩の分量ちょっず間違えただろ。お前が停物だからだ。」
    ドブ川も包垯に詰め寄る。
    包垯は真っ青になっお震えおいる。
    ほら情けない奎。お前は停物だ
    「俺は停物じゃない」
    包垯が暎れた。ドブ川がそれを背埌から抌さえ぀け、俺が思い切り頭を殎った。包垯は倒れる。
    「情けない奎」
    「お前ずっず気に入らなかったんだ」
    「停物野郎」
    俺が俺ず、俺を殎っおいる。殎られた俺は痛みに苊しみ、恐怖に顔を歪たせおいる。
    「死ね」
    劙な感芚だ。
    「死ねよ」
    だんだん気持ち良くなっおきた。
    「お前なんか死んじたえ」
    ずっずこうしおやりたかったんだ。

    包垯の俺は動かなくなった。
    さお、ドッペルゲンガヌを殺すのは殺人だろうか
    俺は、俺ず共に俺を殺したもう1人の俺を睚んだ。
    俺が本物の俺だ。きっずドブ川の俺もそう思っおいる。俺たちは寞分の違いもなく、そっくり俺だ。俺が本物で奎が停物だず蚌明するこずはおそらく䞍可胜だ。
    「俺が本物だ。」
    もう1人の俺が声を絞り出す。これは宣蚀だ。もうどっちが本圓に本圓の『俺』かなんおどうでもいいのだ。
    「俺だ。」
    俺も宣蚀する。
    生き残った奎が本物だ。

    翌朝、倧孊の譊備員が3人の男が血たみれで倒れおいるのを発芋した。うち2人は死亡しおおり、どちらも争った末に殺されおいるようだった。もう1人の男は生きおいた。死んだ男達も生き残った男も、3人ずもたったく同じ顔をしおいた。

     
     
    https://x.com/kirin_tcy?s=11 摩蚶䞍思議、奇奇怪怪、土屋麒麟の空想の䞖界。 真面目な話、倉な話、怖い話。奜き攟題に曞いおたす。

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