
親の心配、子の心知らず。——新一年生の娘が、一週間で僕を「卒業」した話。
独りよがりのソワソワ
入学式の翌日から、僕の心はどこか「ここにあらず」の状態でした。
仕事をしていても、ふとした瞬間に時計を見ては「今ごろ休み時間かな」「一人でポツンと座ってないかな」なんて、柄にもなくソワソワしてしまって。
車内でハンドルを握っているときも、考えるのは娘のことばかりでした。
「友達、できた?」
そう聞くのは簡単ですが、もしできていなかったら……と思うと、プレッシャーをかけたくなくて、どうしても口に出せませんでした。
きっと、この記事を読んでくださっているパパさん、ママさんの中にも、同じように胸を痛めている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
「偵察」という名の、少し情けない親心
一週間が経った、ある日の放課後。
僕はたまたまを装って、平日の仕事休みの日に娘を迎えに行きました。
校門の少し手前で、まるでスパイのように様子を伺います。
「もし一人でトボトボ歩いてきたら、思いっきり抱きしめて、大好きなアイスでも買いに行こう」
そんな、ちょっと情けない「パパがヒーローになれるシナリオ」を、勝手に頭の中で用意していたのです。
でも、本当は。
守ってあげたいと思っていたのは、僕だけだったのかもしれません。
「パパ、またね」の向こう側
しかし視界に飛び込んできたのは、そんな僕の感傷を軽やかに飛び越えていく光景でした。
「ひまりちゃん、また明日ねー!」
「うん、バイバイ!」
娘は、僕が一度も聞いたことのない名前を呼び、知らない女の子と笑顔で手を振っていました。
ランドセルを揺らしながら駆け寄ってくる娘の顔には、「寂しさ」の欠片もありません。
「パパ!あのね、今日〇〇ちゃんとね……」
止まらない「新しい世界」の話。
僕がこの一週間、夜も眠れないほど心配していたあの時間は、一体どこへぶつければいいのでしょうか。
小さな背中に、教えられたこと
「さすが、ひまりだね」
僕は呆れ半分、感心半分で笑ってしまいました。
親が思う以上に、子供は強いものです。
僕たちが「守らなきゃ」と握りしめていた手は、いつの間にか、彼女たちを縛るものになっていたのかもしれません。
僕の手を離れて、新しい世界へ軽やかに飛び込んでいった小さな背中。
その背中が少しだけ頼もしく、そして少しだけ遠く見えた、春の日の夕暮れでした。
「大丈夫だよ、パパ」
弾むようなその足取りが、僕にそう教えてくれているようでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
子どもの成長は、親が思うよりもずっと速く、そして力強いものですね。
少し寂しさはありますが、こうして一つずつ「パパ」を卒業していく背中を、これからも大切に見守っていこうと思います。
皆さんのご家庭でも、この春、素敵な「卒業」と「出会い」がありましたか?
もしよろしければ、コメントなどで皆さんのエピソードも聞かせていただけたら嬉しいです。
それでは、また。
ひまたつパパでした。