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Photo bytakksusie

おあずけのクリスマス

    ひかり


    街中が、きらきらしていた。

    12月に入ったとたん、ショウウィンドゥも、街灯も、並木にも飾りつけされて、陽が落ちるときらきらと輝きはじめる。

    デパートやショッピングモール、高級な鞄や時計を扱う店、駅のコンコースにまで大きなツリーがしつらえられて、きらびやかな景色に彩りを添える。

    クリスマスイブは恋人たちにとっては特別な夜。
    いまごろきっと、いろいろな場所で楽しくしあわせな時間が生まれているんだろう。

    だけど、受験生の俺にはまだまだ無縁な話だ。
    今日も塾の学習室で最後まで残って勉強してきた。
    大学入試まであと少し。合格を勝ち取るためには、ここで気を抜くわけにはいかない。

    とはいえ、世の中が浮かれている最中に頑張れるのは、ひとえに彼女のおかげだ。
    進学塾で出会った彼女とは、第一志望の大学が同じだった。
    言葉をかわしたことは、ない。

    さらさらの黒髪。きれいに整えられた眉。
    華美なところはまったくなくて、とびぬけて美人とか、アイドルの誰々似とか、そういう感じでもないのに、なぜか目を惹く。

    お互い無事に合格したら、そうしたら告白する。
    それまでは、同じ教室内で一緒に勉強できるのを励みに、そっと見るだけでいい。

    クリスマスはおあずけでいい。
    頑張ったその先に、楽しいことがきっとあるはずだから。



    (586字)

    #クリスマスは片想い文芸部

    ナルさんの企画にすべり込みで参加します。
    書けないかと、間にあわないかと思いました。

     
     
     
    信州在住の物書き。エッセイ、掌編小説など思うままに綴ります。創作大賞2025 中間選考通過(フード部門)。 2026年は小説『羅針盤の示すその未来(さき)へ』をオールカテゴリ部門に応募。桜や花、航空機、風景などを中心に撮影も。記事中の写真は基本、本人撮影。たまに夫(掲載了承済)。

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