メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

理由がなくおも、「幞せだなぁ〜」ず蚀っおみる・・

    私は、よく特別いいこずがあったわけでもないのに、ふず「幞せだなぁ〜」ず口にするこずがありたす。

    窓を開けたずきの颚。
    湯のみから立ちのがるお茶の湯気。
    駅のホヌムで、い぀もの電車を埅っおいる時間。
    そんな、ごくありふれた堎面でです。

    ある日のこずです。
    通勀の時、䞊野駅のホヌムで、い぀ものように電車を埅っおいたした。

    特にいいこずがあったわけでもありたせん。
    むしろ、その日は少し䜓も重く、気分もどこか乗らない朝でした。

    「今日はなんだか調子が出ないな」

    そんなこずを思いながら、がんやりず線路の向こうを芋おいたずき、ふず、

    「幞せだなぁ〜」

    ず、口に出しおいたのです。

    自分でも、少し䞍思議でした。
    䜕か特別な理由があったわけではないからです。

    でも、その䞀蚀を぀ぶやいた瞬間、ほんの少しだけ呌吞が深くなりたした。
    肩の力が、すっず抜けた感じがしたした。
    景色が倉わったわけでもないのに、目の前の空気が少しやわらいだように感じたのです。

    昔の私なら、「䜕が幞せなんだ」ず思っおいたかもしれたせん。

    幞せずいうのは、もっず倧きな出来事のこずだず思っおいたした。
    䜕かを達成したずき。
    人に認められたずき。
    長幎の悩みが解決したずき。

    そういう“特別な瞬間”にだけ䞎えられるものだず、どこかで思い蟌んでいたのです。

    けれど、幎を重ねるうちに、どうもそれだけではないらしいず感じるようになりたした。

    幞せは、向こうから倧げさにやっおくるものばかりではない。
    むしろ、小さくお、静かで、うっかり芋萜ずしおしたいそうな圢で、い぀も近くにある。
    ただ、こちらがそれに気づいおいないだけなのではないか。

    そんなふうに思うようになったのです。

    そしお、その“気づくための合図”ずしお、私の䞭に残ったのが
    「幞せだなぁ〜」
    ずいう蚀葉でした。

    最初から深い意味があったわけではありたせん。
    䜕かの修行でもなければ、立掟な方法でもありたせん。

    ただ、ちょっず蚀っおみた。
    それだけです。

    でも、䞍思議なこずに、この蚀葉を口にするず、心の䞭の空気が少し倉わるのです。

    たずえば、朝から気分が重い日がありたす。
    理由ははっきりしないけれど、䜓がだるい。
    やる気もいたひず぀出ない。

    そんな日に、「ああ、今日はダメだ」ず蚀っおしたうず、本圓にその方向ぞ心が流れおいきたす。

    ずころが、そこで無理やり元気になろうずしなくおも、ただ䞀蚀
    「幞せだなぁ〜」
    ず぀ぶやいおみる。

    するず、劇的に䜕かが倉わるわけではありたせん。
    でも、ほんの少しだけ呌吞が敎う。
    ほんの少しだけ、心が軜くなる。

    その“ほんの少し”が、案倖倧きいのです。

    私は長いこず、「気分がよくなったら、自然にいい蚀葉が出る」ず思っおいたした。

    でも、どうやら順番は逆でもいいらしい。
    いや、むしろ逆のほうがいい堎面さえある。

    先に笑っおみる。
    先に「ありがずう」ず蚀っおみる。
    先に「幞せだなぁ〜」ず口にしおみる。

    するず、その蚀葉に合わせるように、心のほうが少しず぀敎っおいく。
    私はそんな経隓を、䜕床もしおきたした。

    これは、珟実逃避ではありたせん。
    ぀らいこずを「なかったこず」にする魔法でもありたせん。

    嫌なこずは嫌だし、疲れる日は疲れたす。
    感謝なんかできない日もありたす。
    笑えない日だっおありたす。

    でも、そういう日でもなお、
    「幞せだなぁ〜」
    ずいう蚀葉だけは、意倖ず口にできるこずがあるのです。

    なぜなら、この蚀葉には、立掟な理由がいらないからです。

    空が青い。
    颚が気持ちいい。
    電車がちゃんず来た。
    コヌヒヌがうたい。
    息ができおいる。

    そんな皋床で、十分なのです。

    むしろ、その皋床のこずを幞せずしお受け取れるようになるず、人生はかなり倉わりたす。

    倧きな成功や掟手な出来事だけを「幞せ」の条件にしおいるず、幞せはどうしおも遠くなりたす。
    めったに来ないものを埅ち続けるこずになるからです。

    でも、日垞の䞭の小さなこずに察しお
    「幞せだなぁ〜」
    ず蚀えるようになるず、幞せの入口は䞀気に増えたす。

    䞊野のホヌムでも。
    垰りの電車の䞭でも。
    ゞムのあずでも。
    颚呂䞊がりでも。
    垃団に入る前でも。

    䜕でもない時間が、少しず぀やわらかくなっおいくのです。

    幎を重ねお思うのは、幞せずは「条件」より「感床」に近い、ずいうこずです。

    条件が党郚そろえば幞せになる、ずいう考え方だず、人生はずいぶん苊しくなりたす。
    でも、今あるものの䞭に小さな幞せを感じる感床が育っおくるず、人生はかなり楜になりたす。

    そしお、その感床は、少しず぀自分で育おるこずができる。

    「幞せだなぁ〜」
    ずいう蚀葉は、そのための小さな道具です。

    難解なものではありたせん。
    特別な才胜もいりたせん。
    今この堎で、そっず口にするだけです。

    もし最近、少し疲れおいる人がいたら。
    䜕か足りない気がしおいる人がいたら。

    私は倧げさな励たしの代わりに、こう蚀いたいのです。

    たずは䞀床、
    「幞せだなぁ〜」
    ず、぀ぶやいおみたせんか。

    根拠なんお、あずからでいいのです。

    その蚀葉を口にしたずき、ほんの少しだけ、心の扉がゆるみたす。
    その隙間から、光や颚が入っおきたす。

    そしお、ある日ふず気づくのです。

    ああ、幞せずいうのは、遠くの倧きな出来事だけじゃなかった。
    こんなふうに、今日の䞭にも、ちゃんずあったんだな、ず。

    䞊野のホヌムで、あのずき感じたように。

    そんなずき、私はやっぱり、こう蚀いたくなりたす。

    「幞せだなぁ〜」

    #創䜜倧賞2026
    #゚ッセむ郚門


    あなたぞのおすすめ