メインコンテンツへスキップ
見出し画像

肖像画を「絞首刑」に!?

    前回の記事で、ポーランドの画家ノルブリン(Jean-Pierre Norblin de La Gourdaine)という人物を知りました。素描がとても印象的だったので、今回はその続きです。

    ■前の記事を読む

    素描が見事なノルブリン。
    日本語wikipediaにもノルブリンの記事がありました。
    わたしは油彩画が専門だったのですが、ぜんぜん知らなかったです。
    まだまだ面白い人はたくさんいるんだなぁ。

    日本語wikiに、ノルブリンの油彩画紹介がありました。
    歴史画。処刑シーンのようです。
    私は超怖がりなので、ホントは怖い絵は見たくない。
    ですけど、解説がちょっと面白かったのでご紹介します。
    ぜんぜん閲覧注意じゃないです。なんか笑える絵でした。

    「裏切り者の絞首刑」

    なんとも恐ろしい題名の絵ですねぇ!

    画像
    「裏切り者の絞首刑」

    反乱が起きるたびに、首謀者は絞首刑になるのです。
    刑罰は見せしめであり、見世物でもあるわけです。

    しかしよく見ると…

    画像
    裏切り者の絞首刑(中央部分)

    なんでしょう、これ?
    「絵」を絞首刑に…????
    絵をひもでぶら下げてるだけじゃないですか?


    この絵は、18世紀のポーランドの戦争に関係しています。詳細は省略しますが、負けた側の首謀者たちは「国家の敵」として処刑されるはずでした。
    しかし、みんな国外にささっと逃げちゃってるので、処刑ができません。

    なので、「首謀者たちの肖像画」が代わりに「絞首刑」を受けたんだそうです。

    えーーー…。それでいいの??
    絵がない場合はどうするんだろう?

    画像
    裏切り者の絞首刑(右上部分)

    肖像画がないときは、画家を募って絞首刑にするための絵を描かせたそうです。

    絵の右上と左下に、順番待ちの絵が控えてます。

    画像
    裏切り者の絞首刑(右部分)

    あ、左側の女性はなんかひどい目にあってるぞ。
    泣いてる人もいるようだ。(絞首刑になってるのは、絵なのに!)


    このノリはなんなんでしょう?
    古い決まりに従って、大真面目にやっているようです。
    笑ってもいいものか、迷います。

    滑稽にも見えるのに、大真面目に描かれたこの絵。
    ノルブリンはどうしてこのテーマを選んだんだろう?

    百聞は一見にしかずとはよく言ったもので、もしこれが文字だけの記録だったら、あまりピンと来なかったかもしれません。

    写真のなかった時代、画家が映像作家のようにジャーナリズムの役割を果たしていました。ノルブリンがこのテーマを描いてくれたおかげで、実際にあった奇天烈な出来事を、私はリアルな実在感とともに知ることができてしまいました。

    凄惨な出来事が多いポーランド史、キラリと光るブラックユーモア。
    カオスです。


    ■参考サイト
    「裏切り者の絞首刑」–ワルシャワ国立美術館所蔵のヤン・ピョートル・ノルブリン


    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ