
お酒は飲まないが雰囲気には飲まれる
僕はお酒が飲めない。
もともと父が異常にお酒に弱いので「まぁ自分もそうなんだろうなぁ」とは幼少期から思っていた。
父は付き合いでお酒を一杯でも飲んだらダースモールかってくらい顔を真っ赤にしていた。
中学生の頃にパッチテストをみんなで受ける授業があったが、自分だけありえない早さで赤くなっていた。
将来が約束された瞬間である。
そんなこともあり、成人してからもあまりお酒を飲まないようにして過ごした。
大学の悪しき習慣であるサークル飲みも、そもそもサークルに所属しないというウルトラCで解決。たまーに飲みに行くことがあっても適当な言い訳をして飲むのを回避し続けた。
ただ、全く飲まずにくることは不可能で、何度かタイミングを見て少しだけ飲んだが、とにかく眠くなる。高校生の頃、樋口の三大欲求の割合が「食欲:睡眠欲:性欲=1:5:5」と言われたくらいにはよく寝る人間なので、お酒を煽ることで本性が顕になるということだ。なんか10超えてない?
これに関して一番酷かったのは最初に就職した会社での歓迎会だ。車屋というのは体育会系の集まりみたいな社会なので、もちろん飲まされるのだが、僕はビールを一杯飲んだところで端っこで眠り始めてしまった。そしてそのまま起こされることなく歓迎会は進み、店を出るタイミングで起こされた。これ、僕の歓迎会だったんですよね?
あとは血行が良くなるからなのか体中が痒くなる。そこに酒による思考力の低下も合わさって、掻きこわすまで掻き続けてしまうのだ。正直酒を飲みたくない理由はこの一点に集約される。ストレスの相乗効果で皮膚掻痒が加速する。
そう、飲みの場は基本的にストレスなのだ。
やれお酌がどうだの、上座は偉い人だの、俺の若い頃はだの、しゃらくせえことが多すぎる。
友達との飲みの席はまた違うのだが、飲むとめんどくさくなる人間というのも存在するので、これも完全に除外し切れない。うわ、このグループでの飲み会かと思うことも無くはない。
ただ、だからと言って飲みの場でテンション低いのかと言われるとそんなことは全くなく、ほぼ酔ってる人と同じテンションで喋り続けることが可能である。飲みの場で僕が一番聞く台詞は「え、こいつ素面だよね?」である。常時酔っているような人間なのだ。よく社会生活できてますね。
これは単に僕がオンオフをきっちりしたいという性格だからなのだが、仕事中とかちょっと訳わからないくらい無表情で静かに仕事してると言われる。なんか人を殺す目だったよ、と。
しかし定時になった瞬間、先ほどまでが嘘のようにニコニコして喋り出すので「犯罪者の切り替え方」と言われた。
なので完全オフの飲み会の席ではテンションのたがを外している。というか、飲んでる人だけ楽しそうなのはズルいので飲まないなりに楽しんでやろうという「もったいない精神」が正しいかもしれない。損するのが嫌いなのだ。
コロナ禍以降、職場の飲み会は激減したが、それを心から喜んでるのは僕のような人間である。
あんなに身にもならないし、無駄に金だけ取られてると思うこともそうそうない。
職場の飲み会で楽しいのは、酔いすぎて記憶失くしそうな嫌いな先輩にこれはいい機会だと暴言を吐きまくることくらいだ。
ただ、たまにちゃんと覚えてて「昨日お前、『これだから仕事もせずに女性職員にばっか話しかけて嫌われてるような人間は!』とか言ってたよな?」と問い正されることがあるので、あまりおすすめはしない。僕の場合は素面で言ってるのでなおさら言い訳が効かない。
お酒が嫌いだけど仕方なく付き合わされて飲み会に出る世の中のみんな。
たまに楽しい飲みの席もあるから、それ以外は心を無にして頑張ろうな。
せっかくだから君らしい楽しみ方を見つけてくれ。
僕は先輩との関係悪化する楽しみ方しかできない。
※顔の赤さを表現するのにダースモールは不適切でしたことをここにお詫びします。