メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bymorikoharu

【詩】フルッタと朝

    夏の終わりかけている朝
    猫のように伸びをして
    彼女は冷蔵庫をあける
    林檎柄をしたフルッタのコップに
    レモンウォーターを注いで
    氷をみっつ落とせば
    静かな朝が満たされていく
    光が透き通って白い肌に触れ
    林檎の模様が刻まれる
    クローゼットを開いて
    薄手のシャツに袖をとおす
    コスモスが咲き始める季節
    狭間で星は輝いている
    幸せは日常の中で気づくもの
    ホットサンドの焼き目とか
    ラジオから流れるショパンのように
    自然で心地よいもの
    水滴に湾曲した天使が映り
    やがて指先で溶けていく
    町の教会の鐘が鳴ると
    近所の幼稚園から
    児童たちの笑い声が聞こえる
    あの頃みたいに泣くことは
    できなくなったけれど
    透明な唇が夢を知っている
    必要なものだけで暮らしていこう

     
     
     
    ロックで愛してキスで殺して★詩誌『ココア共和国』にて詩が掲載され(48回)エッセイの執筆依頼を受ける。『詩と思想』に10回入選|詩のコンテスト|第33回可児市文芸祭入選|第23回 「家族の絆 愛の詩」佳作|第64回大垣市文芸祭佳作|第10回郡上市文芸祭賞を受賞

    あなたへのおすすめ