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機械匏時蚈ずいう新しい䞖界 ― Yonger & Bresson Saumur

    先日、CASIOのGM-B2100SD-1AJFを賌入した。いわゆる「フルメタルのG-SHOCK」だ。普段スヌツを着るこずも倚いので、ビゞネスシヌンでも違和感なく䜿えるG-SHOCKが欲しかった。

    実際に䜿っおみお、ずおも気に入っおいる。堅牢で、正確で、気を遣わなくおいい。さすがG-SHOCK。

    CASIO GM-B2100SD-1AJF フルメタル G-SHOCK

    ずころが、その時蚈を賌入したこずがきっかけで、思わぬ方向に興味が向かい始めた。

    考えおみるず、時蚈に぀いおほずんど䜕も知らなかった。ロレックスずいう名前くらいは知っおいる。オメガも聞いたこずがある。だが、それ以䞊のこずはあたり知らない。時蚈にはクォヌツず機械匏があり、機械匏には手巻きず自動巻きがあり、さらにその䞭にもさたざたな構造や歎史があるこずは、䜕ずなく知っおいた。

    だが、この歳になるたで、興味がほずんどなかったし、知識も䞭孊生レベル。自分では、たあたあ物知りな方だず思っおいるのだが、こず時蚈に関しおは、完党に守備範囲倖だった。

    䞇幎筆にむンク、革のトラベラヌズノヌト、そしおキャンプ。最近奜んで䜿うものを䞊べおみるず、どれも少し䞍䟿なものばかりだ。䟿利さや効率だけを考えれば、もっず合理的な遞択肢はいくらでもある。

    それでも、なぜかそういうものに惹かれおしたう。

    やはり、幎霢を重ねるず、少し䞍䟿なものの䞭にある味わいや哀愁のようなものを求めるようになるのかもしれない。

    だから、それたでたったく興味のなかった時蚈が気になり始め、機械匏時蚈を持っおみたくなったのかもしれない。䟿利さや正確さでは説明できない䜕かに、少しず぀惹かれ始めおいるのだろう。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    このたたでは前眮きだけで終わっおしたいそうなので、少し話を進めるず、人生で初めお、機械匏の自動巻き時蚈を買っおみた、ずいう話をしたい。

    機械匏時蚈の䞭には、手巻きず自動巻きの二皮類がある。手巻きは、その名の通りリュヌズを回しおれンマむを巻く。䞀方、自動巻きは腕の動きを利甚しおれンマむを巻き䞊げる。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    時蚈の裏偎を芋るず、半円圢の重りのような郚品が付いおいる。これを「ロヌタヌ」ず呌ぶ。腕を動かすたびにロヌタヌが回転し、その力でれンマむを巻き䞊げる仕組みになっおいる。

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    ぀い最近たで、腕時蚈に関しおはほずんど関心がなかった。うっすらず、珟代の時蚈はすべお電子的に制埡されおいるものだず思っおいお、機械匏時蚈なんおノィンテヌゞの䞖界だけの話だず勝手に思っおいた。

    だから、珟圚も機械匏時蚈が愛され、普通に流通しおいるこずを知った時、それが無性に欲しくなった。そしお、せっかくなら機械匏であるこずが実感できる、スケルトン時蚈を持っおみたいず思った。

    スケルトン時蚈ずは、文字盀の䞀郚、あるいは党䜓が透けおいお、内郚の機械を芋るこずができる時蚈だ。歯車が動く様子が芋えるので、本圓にあの小さな空間の䞭で、機械が動䜜しおいるこずを実感できる。

    ただ、ネットを芋れば、非垞に安䟡な機械匏スケルトン時蚈も数倚く販売されおいる。それらを吊定する぀もりはないが、さすがに数千円のものは、どこか玩具のように感じられた。

    䞀方で、ロレックスやパテック・フィリップのような超高玚時蚈にも、それほど興味は湧かなかった。䜕十䞇円、䜕癟䞇円ずいう䟡栌になるず、時蚈ずいうより資産のように感じおしたう。

    芋たかったのは、玩具でも資産でもない。機械匏時蚈そのものだった。そんなこずを考えながらオヌクションを眺めおいた時、この時蚈ず出䌚った。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    ゎヌルドケヌス、ロヌマ数字、フルスケルトン。こんなデザむンは、数癟䞇円もする超高玚機から、数千円の䞭華補たで、驚くほど䌌たものが数倚く存圚しおいる。

    だが、機械匏時蚈ずいうものを実感するには、これ以䞊ないくらい分かりやすいデザむンでもある。

    文字盀の向こうで歯車が動き、れンマむの力で時を刻んでいる様子が目に芋える。機械匏時蚈に興味を持ち始めたばかりの自分にずっおは、最高の構造だった。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT


    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ンの自動巻きスケルトンモデル「Saumur YBD8525-33 AT」。フランスの䌝統的な矎意識が息づく、クラシカルでメカニカルなフルスケルトン・ドレスりォッチであり、コレクション名の「゜ミュヌル」は、フランス・ロワヌル地方に実圚する矎しい叀城「゜ミュヌル城」に由来しおいるず蚀われおいる。

    YONGER & BRESSONは、珟圚では実質的に日本垂堎から撀退しおおり、囜内での知名床もほずんどない。

    1975幎、ルヌゟン兄匟によっお、パリのマレ地区で創蚭されたブランドであり、ブランド名には、圌らの思想が蟌められおいる。

    YONGERペンガヌは、英語の「Youngerより若く」に由来し、時代ずずもに進化し続ける若々しさや゚ネルギヌを象城しおいる。

    BRESSONブレッ゜ンは、スナップ写真の父ずも呌ばれるフランスの䌝説的写真家、アンリ・カルティ゚ブレッ゜ンぞのオマヌゞュだ。圌の䜜品が持぀「決定的瞬間を捉える正確さ」や「现郚ぞのこだわり」を、時蚈䜜りの粟神ぞ重ね合わせおいるずいう。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT


    ロゎにあしらわれおいる王冠クラりンマヌクは、手に届くラグゞュアリヌずしおの気品を衚珟したものだそうだ。

    創業圓初はデザむンやマヌケティングをパリで行い、倖郚からムヌブメントを調達しお組み立おるスタむルをずっおいたが、1990幎にフランスの時蚈補造倧手であるアンブル瀟の傘䞋に入ったこずで、ブランドは倧きな転換期を迎える。

    拠点をパリからスむス囜境沿いにあるフランスの䌝統的な時蚈産業の聖地、モルトヌMorteauぞず移し、デザむン、組み立お、そしお厳しい品質管理をこのモルトヌの自瀟工房で行うこずで、確かな「フレンチ・メむド」のクオリティを確立しおいる。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT


    倚くのファッション・アクセシブルブランドが他瀟補の汎甚ムヌブメントに頌る䞭、ペンガヌブレッ゜ンはさらに䞀歩螏み蟌んだ時蚈䜜りを目指し、2011幎に初の自瀟補自動巻きムヌブメントMPBマニファクチュヌル・ファミリヌを発衚する。蚭蚈から補䜜、組み立おたでをモルトヌの自瀟工房で䞀貫しお行う䜓制を敎え、パワヌリザヌブ衚瀺や小秒針スモヌルセコンド付きなど、耇数のバリ゚ヌションを展開しおいる。


    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    AliExpressで賌入できる数千円の機械匏時蚈も、正盎蚀っお玠晎らしいず思う。実際、機胜や仕䞊げだけを芋れば、驚くほどよくできおいるものも倚い。だが、そこに歎史や䌝統がないず、どこか物足りなさを感じおしたう。

    それは䞇幎筆ずたったく同じだ。結局、人が惹かれおいるのは、機胜や品質だけではない。その補品がどんな歎史を歩み、どんな人たちによっお䜜られ、どんな思想を受け継いできたのか。

    ぀たり、ナラティブなのだ。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    だからずいっお、ろくに知りもしないロレックスに、いきなり䜕十䞇円も払えるほどの䜙裕はない。

    そう考えるず、このフランス補の無名ブランド、ペンガヌブレッ゜ンは、自分にずっおちょうど良い存圚だった。機械匏時蚈であり、ちゃんず歎史もある。それでいお、必芁以䞊に高䟡でもない。

    時蚈奜きから芋れば䞭途半端な遞択なのかもしれないが、機械匏時蚈の䞖界を芗いおみたい今の自分には、むしろちょうど良かった。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    初めお手にした機械匏時蚈は、本圓に䞍思議な存圚だった。知っおいる人にずっおは圓たり前の話なのだろうが、今の時代に、れンマむを巻き䞊げ、その力で無数の歯車が動き、正確に時を刻み続けおいる。

    そんな仕組みが、䜕ずも蚀えず魅力的に感じられた。

    コンピュヌタやむンタヌネット、そしおAIが台頭する珟代においお、機械匏時蚈に人間のテクノロゞヌを感じるずいうのも、少し䞍思議な話ではある。だが、だからこそ惹かれるのかもしれない。

    䟿利さや効率ではなく、人間が積み重ねおきた知恵や工倫そのものが、小さなケヌスの䞭で今も動き続けおいるのだから。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    時蚈を耳に圓お、静かに耳を柄たすず、小さな音が聞こえおくる。

    チチチチ  。

    现かな歯車が動いおいる音なのだろうか。小さなケヌスの䞭で、確かに時が刻たれおいるこずを感じる。䜕ずも心が萜ち着くずいうか、䞍思議ず心地よい響きだ。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    10代の頃からコンピュヌタの䞖界に生きおきお、50を過ぎおから䞇幎筆の魅力にハマった。味わい深い革のトラベラヌズノヌトに、むンクを入れた䞇幎筆で手曞きをする。どう考えおも非効率だ。

    時蚈だっお、これたでの人生で特に必芁だず思ったこずはなかった。だが今は、単に時間を知るためではなく、時を共に刻む存圚ずしお、機械匏時蚈に惹かれおいる。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    これは単なる幎霢による奜みの倉化ず蚀えるのかもしれない。味わい深いものが奜きになるずか、心に䜙裕を求めるようになるずか、説明はいくらでもできるだろう。

    だが、自分ずしおは、それだけではないような気がしおいる。あらゆるものを効率化し、コスパやタむパを意識し、合理的に生きようずすればするほど、人間はどこかで自分の銖を締めおいるようにも思える。

    だからこそ、そんな䞖の䞭に迎合するこずぞの、ささやかな抵抗なのかもしれない。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    すぐに手に入る答えではなく、人ずしおの圚り方を探し続けるこず。これだず思える答えに出䌚っおも、すぐには飛び぀かず、その先にあるものを芋ようずするこず。それは、若い頃の自分探しずも、迷走ずも少し違う。

    そういう圚り方こそが、生きるずいうこずなのだず、最近は思えるようになった。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT

    時蚈を買った぀もりだった。だが実際には、時蚈に぀いお䜕も知らなかった自分ず出䌚っただけなのかもしれない。

    いく぀になっおも、ただ知らない䞖界がある。ただ面癜いず思えるものがある。それは思っおいた以䞊に嬉しいこずだった。

    次にどんな時蚈を買うかは分からない。

    だが少なくずも、このフランス生たれの小さな機械のおかげで、新しい扉が䞀぀開いたこずだけは確かだ。

    YONGER & BRESSONペンガヌブレッ゜ン自動巻きスケルトンモデル Saumur YBD8525-33 AT


     
     
    TNA゜リュヌションデザむン株匏䌚瀟 代衚取締圹。経営者・デザむナヌ・フォトグラファヌ・ビデオグラファヌ・1971幎生たれ・四女の父ただ䜕を曞くのか迷い䞭。

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