メインコンテンツへスキップ

エネルギー療法との向き合い方 第六回 3チャクラが疲れ切った社会で何が起きているのか

    ―― 頑張りすぎる人が、つながれなくなる理由

    これまで、オステオパシーという身体の現場から、エネルギー療法やチャクラという概念とどう距離を取りながら向き合ってきたのかを書いてきました。

    今回は、今の社会を生きる多くの人が抱えているある「共通した疲れ」について、少し踏み込んでみたいと思います。

    それは、第3チャクラと呼ばれる領域の疲弊です。

    ⸻

    第3チャクラは、外界と関わるときの「判断」「選択」「行動」に深く関係すると言われている領域です。

    自分は何をするのか。
    何をしないのか。
    何を取り入れ、何を手放すのか。
    どこまで引き受けて、どこで線を引くのか。

    オステオパシー的に肉体から見れば、この領域は消化吸収・排泄、副腎や自律神経、ストレス反応と密接に関わっています。

    生き延びるための力。
    社会の中で機能するための力。
    物事を理解し、判断し、
    思うように進めていくための力。

    肉体レベルと、チャクラのレベルで、概念で言うと同じような機能が重なっているのはとても興味深いところです。

    本来の第3チャクラは健全に人を支えてくれる働きです。

    ⸻

    けれど今、この第3チャクラ的な働きを使いすぎている人が、とても多いように感じます。

    常に考えている。
    常に判断している。
    常に気を張っている。

    ちゃんとしなければ。
    迷惑をかけてはいけない。
    期待に応えなければ。

    そうやって、自分を前に押し出し続ける。

    一見すると、責任感があり、真面目で、社会的には「ちゃんとした人」。

    けれど施術の現場で触れると、その身体は肝臓・膵臓・胃・副腎に関わる部分が張っていたり、かたまって萎縮していたりします。

    余白がなく、呼吸も浅いことが多い。

    ⸻

    第3チャクラが疲れ切ってくると、不思議なことが起きます。

    それは、「人とつながりたい」という感覚がわからなくなってくること。

    誰かと一緒にいると疲れる。
    共感されても、どこか届かない。

    優しさを向けられても、うまく受け取れない。

    ネットで文面だけのやり取りをしている方がまだ楽で、心地いい。

    これは、第4チャクラ(共感・つながりを感じる力)が未熟だから、という単純な話ではありません。

    むしろその手前で、第3チャクラが疲れ切っている。

    自分を保つだけで精一杯で、現実世界で他者に開く余力が残っていない状態です。

    ⸻

    ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。

    私は、前回書いたように、チャクラそのものを直接「見たり」「明確に感知できている」という立場には立っていません。

    肝臓や胃、膵臓といった消化や代謝に関わる臓器が、過剰な緊張から解放され、「心地よく動いている」状態に戻っていく。

    その身体的な変化を通して、結果として
    「第3チャクラが緩み、動きやすくなっている」
    と読める現象が起きているのではないか。

    今のところ、私はそのように考えています。

    チャクラという言葉は、その変化を説明するための一つの見取り図として使っています。

    起点はあくまで、触れられる身体、感じ取れる臓器の動きです。

    誰かに「チャクラが整いました」「チャージされました」
    と言われたとしても、実際に身体に変化が起きていなければ、あるいは時間を追っても変化が現れなければ、今でも正直、身構えてしまいます。

    それでも、伝えるうえでとても分かりやすいため、便宜上「チャクラ」という言葉を借りて書かせていただいています。

    ⸻

    第3チャクラの緊張が少しずつほどけていくとき、身体の中ではとても地味で、けれど大切な変化が起きています。

    消化や代謝が本来のリズムを取り戻し、身体が「もう踏ん張り続けなくていい」と感じ始める。

    こうした状態が整ってくると、第3チャクラで使われ続けてきた
    「要るいらないを判断する力」「耐える力」が、少しずつ別の形へと変換されていきます。

    それが、第4チャクラと呼ばれる領域――
    他者とつながる力
    関係性を感じ取る力へと
    自然に移行していく
    土台になるのではないでしょうか。

    ⸻

    ただし、この変化は一足飛びには起きません。

    第4チャクラの成熟は、第3チャクラを通して培われた
    自我を形成していく経験――
    選び、失敗し、踏ん張り、対価を受け取ったり、時に傷ついてきた時間を土台にして起こるものだからです。

    画像
    ©️2016芥見下々 集英社



    十分に生き、十分に疲れ、それでもなお誰かと関わりたい、そんな気持ちが生まれてくる。

    3から4への移行は、突然覚醒するようなものではなく、時間をかけて熟していく変化。

    食べ物を消化吸収して成長と共に身体がつくられていくように、有機的なプロセスとして始まっていくのではないでしょうか。

    ⸻

    多くの人が
    「共感できない自分」
    「つながれない自分」を
    責めていたり、それが自分の性格だと思い込んでいたりします。

    けれど本当は、つながれないのではなく、つながる余力が残っていないだけ。

    第3チャクラが疲れ切ったままの社会では、それはとても自然な反応です。

    ⸻

    次回は番外編として、3チャクラを理解するうえでとても大切だと感じている解剖生理との照らし合わせをしながら、「肝臓」という臓器をオステオパシーとエネルギーの両面から考察してみようと思います。

     
     
    オステオパシーを軸に20年以上、手技療法を実践。 「癒える」「治る」とは何かを、体感を通して探究してきました。 近年は土中環境の改善や大地の再生にも関心を広げ、 体と環境を手入れする視点から、記録と実践を重ねている。

    あなたへのおすすめ