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    <title>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</title>
    <description>京セラコンタックスのジャーマンプラナー50mmというのは本当に夢のあるレンズでした。
あのコンタックスを手放してから10年がたちました。バースイヤーライカM3も、宮崎さんのレンズも。
いい体験をさせていただきました。今はiPhoneだけです笑
というわけで、よろしくです</description>
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    <copyright>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</copyright>
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      <title>『クリントなんとかウッドに、よろしく。』</title>
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      <description><![CDATA[<p name="3f29b0b4-00e9-430d-948f-14a7b0c37f4a" id="3f29b0b4-00e9-430d-948f-14a7b0c37f4a">※さなコン2026出したやつ。今年は残らなかったので早々にこちらにアップするよ。画像はジェミニ君が作成してくれたやつです。</p><p name="d16cb322-bcc4-490f-b257-327a6029eeda" id="d16cb322-bcc4-490f-b257-327a6029eeda"><br></p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n856651daacc1'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 02 Sep 2026 12:46:47 +0900</pubDate>
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      <title>銀座線にて</title>
      <description><![CDATA[<p name="3e054d12-7503-4d53-bed3-60add65f4f8b" id="3e054d12-7503-4d53-bed3-60add65f4f8b">　どこからか、「わきまえろ」という言葉を浴びた。<br>　浴びたのではなく記憶の底から浮き上がってきたのかもしれない。大昔にゼミで先生に言われた言葉だ。いや、そうじゃなかったのかもしれない。<br>　当時、まだ十九歳かそこいらの俺は、その言葉の裏にある、何万層にも塗り重ねられた体験と、そのために費やされた時間と労力に対する想像力を微塵も持たなかったから、その言葉の質量を感じとることができていなかったんだと思う。<br>　脳に浮かんだ二十年も前の記憶に対して、現在の俺が、「何言ってんだか。面倒だな」なんていうツッコミの独り言を言っている。<br>⭐︎<br>　もとより、その記憶が鮮明に蘇る場所は、この場所、銀座線の京橋ホームでなければならなかったし、時間はちょうど入ってきた浅草行きのドアが開いた瞬間でなくてはならなかった。俺がその言葉に縋って生きてきたわけではないことを証明するアリバイだったからな。<br>⭐︎<br>　初日の捜査は不調だった。<br>　地取りに割り当てられたっていうのは、まあ所轄だから妥当だが、組まされた捜一の若い刑事との相性が最悪だった。<br>　若い刑事は、立花といった。<br>　千住署の強行犯から、捜一に吸い上げられたらしい。立派なもんだ。今日一日で分かったが、立花は頭が切れる。<br>　まあ、知能が高いやつにありがちだが、先を読むのが上手いというか、勘の鋭さに溺れるというか。どうにも芯がない気がしてならない。<br>　朝の会議で、七係の矢田係長から、よろしくな、といわたときから、嫌な予感はあったのだ。子育て全ぶりされた感じと言うか。<br>　案の定、いちいち小さな発見を私に報告し意見を求めてくる。求めているのは、彼の言葉に対する分析と評価だ。褒められたがりかっつうの。現場近辺の一人ひとりを聴取しているときだって、俺の言葉を遮ることが多々あった。<br>　そんな態度の一つひとつ、それが、さまざまな瞬間に、俺の神経を逆撫でする。その触りが、若い頃の自分への担当教授の言葉を思い出させたのかもしれないと俺は思った。<br>　俺は不機嫌な態度をとっていたかもしれず、本部への帰路では、立花は黙っていた。<br>⭐︎<br>　俺たち所轄は、現場周辺のことは、路地ひとつ、タバコ屋ひとつ、中華屋ひとつまで詳しく知り尽くしている。それこそ、十五年、ここで地を這うようにして温めきたわけだから。<br>　暇さえあれば、そこいらの店に顔を出し、店主やスタッフと話しながら情報を摘み、それらをルーズリーフのノートにまとめる。いつどんな事件が起きても、使える情報として。そんな地味な作業をとにかく継続しているわけだ。</p><p name="9b1c2ead-03f8-45d2-a04c-58383772f1b3" id="9b1c2ead-03f8-45d2-a04c-58383772f1b3">　ああ、なんか、山縣教授の「わきまえろ」という言葉の重みがわからなかった自分と、立花の現在が、似すぎている気がした。<br><br>　二十時からの会議の十五分前には、築地署の本部に到着した。<br>　俺は、立花に、嫌な態度をとったことを詫びた。<br>　そうな、そうだよな、と。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nbfe2e891a938'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Sat, 27 Jun 2026 23:40:04 +0900</pubDate>
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      <title>彼振動カットバック</title>
      <description><![CDATA[<p name="e761c228-76b8-4ad6-8f1a-155f3dfef897" id="e761c228-76b8-4ad6-8f1a-155f3dfef897">　１<br>　土橋弘道は、月ラコ３世の幼少期から六百年後の転生まで見守り続けた。子安三丁目のセブンイレブン跡地に居座り真夜中まで腰痛と闘いながら。駐車場で安物のビールと合成ウイスキーを飲んで大騒ぎしている七人組のボイガーキッズらを蹴散らし、五百年前に拾ったホンダを全速力で駆った。城東の一般道に場面をずらしたまでは良かったが、まさかの水素切れ。新幹線の窓から一瞬だけ見えた気がした富士山のように、無駄に記憶に焼きついたボイガーキッズのひとりの少女の微笑みに、十数年間勉強机の抽斗の中に忘れ去られていたブラックサンダーのように噛み砕くことのできない淡い恋心を抱き、ビリージーンのマイケル・ジャクソンばりに振り返ると、最早そこに誰の姿もなかった。<br>　これで百年は遡ってしまったことになる。<br>　土橋の背中からは変異の証左であった立派な赤銅色の翼はなくなり、代わりに役に立ちそうもない巨大な黄金のリングが肩甲骨から上に向けて生えていた。これが、以前の形態なのか。膨大なシリコンに納められた記憶の断片から、また、古いものが発掘されたのだ。土橋はたまらなくなりコールセンターに電話を入れる。<br>「春にして、女性に殺された。だから僕も人を殺さなければならない」<br>　もちろん事件が起きているのはこの世界ではないし、奇跡は物語の形をとらない。<br>　ランチを前に数字の打ち込みが早くなりお喋りも減る本気モード全開の経理職員のような口調で電話口に出たのは、あの佐々井玲香だ。そう、それが世界。玲香を合成する記憶が地球上すべての意思を繋いでいる。大昔、人類は、インターネットという情報通信網を使っていたそうだが、佐々井玲香はそれが何千年も経て人化したものにすぎない。月ラコ３世の死を世界が共有する。順番通りの再現に間違いはないし、探査機の分析は日増しにその精度を高めていく。何億回も繰り返されてきたスウィング・アンド・ストレッチ。次の記憶を発掘。次の記憶を発掘。次の記憶を発掘。アイラのシングルモルトが机上に出現し、土橋はそれを舐める。鼻の奥をくすぐるようなシェリー樽の香りにチェリー、黒スグリ、シトラスを感じながら、北極の氷を溶かした透明な水のようなマウスフィールを味わうように口の中で転がす。そんな時間に浸っているのに、結局は、ボイガーキッズの操る六十五年式フォードマスタングが追い上げてくる。ボイガーキッズのひとりが、大工調べの後半を奇声を交えながら早口で語り、出囃子の「老松」が延々と三百億回繰り返されるうちに、土橋の背中はざっくりと割られた。千三百人の斧定九郎が、シャリンという揚幕を弾く音とともに、びしょ濡れでボロ傘をぶんぶん廻しながら飛び出してくる。土橋は七三に控え、ばっさばっさと彼らを振り払う。次のボイガーキッズは簡単だった。灼熱の水星基地で、七日目の蝉が最後の力を振り絞ってバタバタと羽を動かすように勝手に力尽き果てていった。ボイジャー二号の実物大模型が数万個、彼らの口からはき出されて虚空に散っていった。いまさら、何を探査するのだ。</p><p name="88eeba39-9246-4402-ac01-935413c9481a" id="88eeba39-9246-4402-ac01-935413c9481a">　それでも土橋は世界じゅうで時間を遡り遺跡のシリコンを求める。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n913385035771'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 25 Jun 2026 21:45:26 +0900</pubDate>
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      <title>カツザックこんがり</title>
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      <description><![CDATA[<p name="42895017-487D-4574-ADE2-AD22EBC1C98C" id="42895017-487D-4574-ADE2-AD22EBC1C98C">サム・シェパードなんか怖くない<br>彼女の乳房が恋しいときは<br>ジョン・レノンのCDを踏みつけて<br>バキバキのこなごなになったプラスチックの破片を<br>裏の畑に埋めましょう<br>みんなで一度に埋めましょう</p><p name="619699c3-8bd4-42a4-9be6-78c8b6010ccf" id="619699c3-8bd4-42a4-9be6-78c8b6010ccf">田舎者のカツザックだけが奴らの正体を知っていて<br>百万光年の彼方から足を突っ込んだときから<br>組織が潰れるまでの数年間故郷の星に想いを巡らし<br>「おい、ちょっと待てよ、この国の政府」<br>彼女の背中が震えて笑う</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n36b437900fed'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 08 May 2026 20:21:25 +0900</pubDate>
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      <title>炊きなおし</title>
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      <description><![CDATA[<p name="1d23821d-8717-4ff2-adcf-e29fa3f95b9b" id="1d23821d-8717-4ff2-adcf-e29fa3f95b9b">　半鐘の音だろうか。吉岡は店の二階で目覚めた。弟子がいい加減な火の始末をしたのか。　　<br>　煙が階段から登ってきた。<br>　短く咳き込んだ。</p><p name="eab8c4ce-1f02-49ab-ac85-084737a01b23" id="eab8c4ce-1f02-49ab-ac85-084737a01b23">　十八で日本橋の和菓子店「きすぎ」の門を叩いた。<br>　三年の月日が経ったあの朝、その日の餡炊きがひと段落したあと、「店を出す」と告げたとき、親方はなんともいえない顔をしていた。<br>　兄弟子の何人かは修行を続けることを勧め、何人かは自分を雇って欲しいと照れもせず言った。<br>　筋の良さは、親方も先輩たちも認めるところだった。<br>　掃除、洗い物、道具の手入れなど下働きの頃から、教えられたことは一度で覚え、すぐに加減の肝をつかみ、先輩たちよりも上手にこなすことができた。<br>　小豆の選別や洗いでは、顕著に仕事の差が認められた。<br>　便宜的な決め事に照らすだけではなく、吉岡は、自身の鑑で小豆を選んだ。彼が選定した小豆で餡を拵えると、見事に揃った粒は整然と輝き、雑味のないまろやかな食感をもたらした。<br>「吉岡の小豆なら、正月の空みたいに澄み切った餡ができる」と、あまり人の仕事を評さぬ親方が褒めてくれたのを思い出す。<br>　半年もすると異例の速さで、餡を任された。<br>「餡炊きに始まり、餡炊きに終わる」といわれる和菓子の世界にあって、ここまですぐに登れたことに吉岡は自分でも驚いていた。<br>「みんなが普通なだけなんだ」と考え、つとめて慢心せぬように態度を控えた。<br>　それでも兄弟子たちからは故のない嫌がらせを受けることもあった。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n52391eff3e2a'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 01 Apr 2026 19:01:31 +0900</pubDate>
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      <title>チャリヤマダライブより　001</title>
      <description><![CDATA[<p name="1e74923b-e418-4158-b20a-7d6e062689b6" id="1e74923b-e418-4158-b20a-7d6e062689b6">　ある日、ジョージが自動制御でホバーを飛ばしていると、隣で急にコースに割り込んだグリーンのホンダとぶつかりそうになった。<br>　ジョージは、そのホバーに横付けして、<br>「おい。なんのつもりだ？　逮捕するぞ」<br>　と、怒鳴った。ジョージは連邦の捜査官だ。<br>　窓から顔を出した、小男が<br>「なんだと、この泥棒め。いまお前のモノを咥えてるのは、俺のパートナーボットだぞ。返せ、このバカ」<br>「知らねえよ。街で声かけられたんだからな」<br>　ボットは、ジョージから離れると<br>「馬鹿な警官ね。三丁目の殺人事件の捜査情報は全て吸い取ったわ。あなたの脳の中は空っぽよ。役立たずのジョージちゃん」<br>　と言って自爆した。</p><p name="d4da8946-fe67-4e0b-92a4-13b64cb32a29" id="d4da8946-fe67-4e0b-92a4-13b64cb32a29"><br></p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n899409772538'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 04 Feb 2026 20:02:01 +0900</pubDate>
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      <title>ブラックボール</title>
      <description><![CDATA[<p name="8fac4e51-2622-49ea-a160-47ec37c51183" id="8fac4e51-2622-49ea-a160-47ec37c51183">　顔すれすれのところに七色に光る球が飛んでくる。<br>　ぶつからないようにそれらを掴み、二つずつの組に選り残った一つの球を、大サジタリの背中、背骨が通っている溝のあたりに置く。<br>　球は大サジタリの電荷に耐えられなくなって発色する。<br>　鮮やかなネオンカラー。イエロー、グリーン、オレンジ、ブルー、稀にパーブルやホワイト。ケモノの気分によって発色が変化するのだと聞いたことがある。<br>　今日の私は、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルーだ。<br>　あと一回で決まる。<br>　いつものざわめき。やっちゃいな。もういいよ下手くそ。下手。引っ込め。人殺し。<br>　ステージ中央のロイジ樹の太い幹に繋がった世界から、無数の見物人が好き勝手なことを言っているから、私は耳を塞ぐ。<br>　聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。<br>「さて、今日は、何千人の子どもたちが虐殺されるんだろうね」<br>　相手のカリエル素が、薄笑いを浮かべながら言う。<br>「次はパープル出すから」と、私は返事するが自信があるわけではない。<br>「ナタケ、休んで昼休みにしよう。まだ一日は終わっていないから」パートナーのグリナが言う。<br>「いや、続けるよ」<br>「じゃ、そうすれば」<br>　グリナは銀色に輝く髪を触りながら少し呆れたような口ぶりで言う。<br>　集中しろ。いくらカリエル素が強いといっても二週連続で負けるというのは考えにくい。実際にグリナは三週前にガリエル素に勝っている。</p><p name="eca8a9fc-3c0d-4593-aeb2-c81c30ccade9" id="eca8a9fc-3c0d-4593-aeb2-c81c30ccade9">　夢は、些細な物語を私に突きつけてくる。<br>　時計では数秒しか経っていない間に。私は、ロイジ樹から聞こえるざわめきのなかで、自分の脳の深くにダイブしている。記憶の奥底で、父と病床の母が私について語っているのが見えた。昔見た光景。<br>「あの子を産んで良かったことはひとつもなかったわ」<br>　死に際の母親が言っている。<br>　私は彼女のために祈っている。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n235e45997d81'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 01 Feb 2026 10:02:16 +0900</pubDate>
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      <title>「謝辞」〜ある架空のSF小説のための</title>
      <description><![CDATA[<p name="90087cbd-8822-4c8a-a2a1-1707ab61b3f2" id="90087cbd-8822-4c8a-a2a1-1707ab61b3f2">　まず最初に、担当編集者である昆明社の小宿目京一郎氏と極めて優秀なニューロAI集団「チームひだまり」に心からの感謝を伝えたい。人間時間にして述べ八十八万七千五十日に及ぶ彼らの献身と尽力がなければこの作品の完成はなかっただろう。<br><br>　また、誰よりも妻と四匹の猫たちに、感謝を。</p><p name="0e943474-4150-42d4-a506-eb1ea313d675" id="0e943474-4150-42d4-a506-eb1ea313d675">　　★<br>　六十七章、宇宙省事務次官の斎藤洋介がガーデンパーティで爆殺されるくだりでは、仕掛けられた手製爆弾の爆発により四散した多数の破片や肉片の軌跡を描写する必要があったが、爆弾の威力、血液と肉片の比重差、爆弾の構造と設計、周辺の空気の構成とその動作の予測計算など（素人の私には、その一つひとつを理解することも不可能なのだが）を、世界五位の計算速度を誇る量子スーパーコンピューター「雅華」を使った何度ものシミュレーションを丹念に繰り返し、私に見せながら根気よく説明してくれた、櫻山アジア太平洋工科大学院大学の生田目教授、ならびにその研究室の方々には最大の敬意とともに深くお礼を言いたい。<br>　この小説の半分は先生方の御助力なしには存在しなかっただろう。次作（次作があればだが）においては、火星のドーム都市内での爆破についてご相談したい。今後ともよろしくお願いします！</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nf2ca8f7ba42c'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 03 Dec 2025 20:58:18 +0900</pubDate>
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      <title>はじまりの線</title>
      <description><![CDATA[<p name="d88f4232-61ff-4c33-a21b-f7fa8ab7964e" id="d88f4232-61ff-4c33-a21b-f7fa8ab7964e">　ハスの葉っぱに包んだ。</p><p name="338f9e36-8e1c-41f3-9e43-462134b579b9" id="338f9e36-8e1c-41f3-9e43-462134b579b9">　変わらず頭は冴えない。腕枕している右手にヒヤリ。血だ。拭うのも面倒、そうサクリが言ったから俺は補助線一本を描き、夢再現のタスクを止めた。五日ぶりに水が使えるのだから顔を洗えばいいのに、と言うと、もう少し寝よかな、とサクリが囁く。午前四時。捕まえていないと時間は掌からこぼれる砂の速度で消えてなくなる。捕まえなきゃ。止めておかなきゃ。それが叶わなければ死はすぐに来るのさ、サクリの寝顔を眺めながら、俺は呟く。何かを忘れた、ということだけを憶えている心許なさのなか、壁の鏡面に自分の裸を映す。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n0a214e72efe4'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 30 Oct 2024 22:52:29 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n0a214e72efe4</link>
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    </item>
    <item>
      <title>ドキノレパーク駅にて</title>
      <description><![CDATA[<p name="7593e45d-be53-4184-8720-4c6cbcd1b0e9" id="7593e45d-be53-4184-8720-4c6cbcd1b0e9">　悔しいことだが、もうすでに私の小さな計画は頓挫しはじめていた。ひとつにはナンシーの時間が足りなくなってしまったこと、ふたつ目には、私が市場から裏切られたことが原因だ。もうどうしようもない。パイン曹長が、ドキノレパーク駅に到着するしたのはちょうど仕事帰りの人たちが到着した電車から降りてくるタイミングだったという。ナンシーは彼を目撃していたと後になって言ったが、もうその時には駅前のロータリーから放射状にちらばって帰途につく彼らの影に紛れて、曹長の姿を追うことはできなかったそうだ。私は彼女を責めるつもりはない。ナンシーはナンシーのせいいっぱいで働いている。私は感謝している。<br>「あんた、それは象の爪じゃないか。象の爪ばっかり。これじゃいつまでたっても大儲けなんかないじゃないか」<br>　そろそろ消えようとしているナンシーが私を罵倒する。<br>「パイン曹長なしでも、なんとかやっていける筈だから。私にまかせろよ」と叫び返しながら、壁にポカンと空いた空白を指差したが、その動き自体はなんら有効な手立てにはならない。すでに、ナンシーの心は私をはなれているのだ。<br>　ここまでの〈物語〉を整理する。<br>　私とナンシーはナンシーの人工体躯の致命的なエラーを解消するために有効な情報をグリッドから発見した。それが、昨日の午前一時。それは、パイン曹長が帰国しこの街に現れるところを二人で襲撃し、彼の人工肛門インプラントに残っている情動機械を取り出し、私がナンシーの脳髄に〈心入」して、その積極機械を移植するというものだった。ナンシーの体躯はこの方法以外に救われることはない。私は、二十四時間あれば計画が成功すると考えていた。要はエントロピーの問題だった。ナンシーの体躯が崩壊する時間軸にあるのならば、それを逆行させて低エントロピー状態に戻せばいいだけのことで、それを成し遂げるには、マックスウェルの悪魔機械を作動させればいい。そのエネルギーとなるのが、パイン曹長の人工肛門が人工太陽として輝き続けるために埋め込まれている情動機械だった。知っての通り情動機械はこの宇宙に三つしか存在しない。大昔には大量に存在したのだと聞くが、反情動機械との衝突により反応し消滅したのだといわれる。私はナンシーを救いたかっただけなのだ。そのためには、パイン曹長との激しい〈アラソイ〉も覚悟していた。<br>　救うこと。救うことと救うために何かと戦うこと。<br>　それを私は、この二百年余りの人生のなかで、最高にハイな気分のうちに成し遂げようとしていたのだ。<br>「もう、おしまいよ」ナンシーが食器棚を蹴飛ばしながら叫ぶ。七百個のコーヒーカップと超巨大ランチプレートが私たちの部屋に撒き散らされる。確かに宇宙は広大だ。<br>「まだ、諦めるには早いんだ」と私は、小さな声でしかし固い決意をもって言った。<br>　そう、まだ四時間はある。<br>　当為として、グランドゼロに住まう物たちがドキノレパーク駅を使い、朝夕二本だけの電車にぎゅうぎゅうづめに揺られて、首都までの通勤を行っているのは、それが、まったくなんの生産にも経済にも寄与していないにも関わらず、それが現在の営みとして正しいからである。<br>　私はナンシーを見る。ナンシーは崩壊しはじめているが、まだ客観時間のうちにしがみついている。誰もが迎える身体の崩壊。それを、彼女はまだなんとか止めようという意思を持っている。<br>「ねえ、私たち、ちょっとジタバタしすぎたのかもしれないわね」消え入りそうな声で彼女が言う。「これはあなたのスタイルではないわ」<br>　スタイル。なんのこっちゃ。例の爆発以来、これまで何千万のも人々が消えていった。今動いている人たちだって、半分崩壊し始めているようなものだ。<br>「そうじゃない。そうじゃないんだ。ナンシー」私はもう半泣きになりながら呟く。<br>　そう。そうじゃないんだ。すべては「象の爪」のせいなんかじゃないんだ。<br>「ねえ、あなたいつも言ってたわよね。『果報は寝て待て』って」<br>　そうだ。それは真理だ。すべてはあるがままにあり、起こるままに起きる。それは幾千回も幾万回も幾億回もまったく同じことの繰り返しとして厳然し変わることなんかない。<br>　預言者は、そんな顔で近づいてくるのだから。だからパイン曹長にも、市場にも裏切られるのだ。</p><p name="f0d6fa03-6f8c-4f78-a2bb-6efc88a0e01a" id="f0d6fa03-6f8c-4f78-a2bb-6efc88a0e01a">　ナンシーの最後の涙を、私は拭き取った。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nee013e968f45'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Mon, 03 Jun 2024 20:38:31 +0900</pubDate>
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      <title>ノートサボりすぎてる</title>
      <description><![CDATA[<p name="4200f670-dd72-4220-a650-ca444c274d89" id="4200f670-dd72-4220-a650-ca444c274d89">ノートサボりすぎてる</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/ncab386d422d2'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 10 May 2024 08:42:43 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/ncab386d422d2</link>
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      <title>さて少し真面目に書くか！</title>
      <description><![CDATA[<p name="91a4d9a9-1793-4bfa-93e6-53d120c3b835" id="91a4d9a9-1793-4bfa-93e6-53d120c3b835">さて少し真面目に書くか！</p><figure name="4dcf9584-2a45-48e8-adb9-27c97cf1bb07" id="4dcf9584-2a45-48e8-adb9-27c97cf1bb07"> <img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136794159/692c2a11ae1fdce154981c3138566d1d.jpeg" width="2304" height="4096"> <figcaption></figcaption> </figure><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nd4d47c471ab7'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 10 Apr 2024 11:16:03 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/nd4d47c471ab7</link>
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      <title>スケッチ 3/27</title>
      <description><![CDATA[<p name="25000426-aaca-44af-9404-0c1b766a7950" id="25000426-aaca-44af-9404-0c1b766a7950">　どういうわけか、今朝は私が私をとり戻しているらしい。こんな状態はベータが私に融合してから久しぶりだ。ベータの力で、私とベータは粒子レベルで時間をかけて融合した。私であったものはベータであったものという二者を隔てていたものが崩れ、私でもベータでもない何かになっていたはず。赤いペンキと青いペンキが一定の時間をかけて混じり合い紫のペンキになるというアレだ。ベータは、私と彼を私と彼に保っていた粒子の繋がりを解きまぜこぜにした。いうまでもなくこの融合は不可逆だ。それなのに今朝、私は私を「ある程度」だがとり戻していた。この状態は長くはもつまい。何らかの理由でエントロピーが非常に大きい状態から、小さい状態に変化したのだと思われる。時間が逆行しているのか？　時間の逆行が続くのだとしたら、私は私であったものに戻りベータはベータであったものに戻るというのか？　さらに時間を遡るならばそもそも私がベータと出会うよりも前の状態に戻るのかもしれない。<br>　時間が逆行しているのではないとしたら、それは、例のマックスウェルの悪魔が私とベータの融合体から、かつて私であった粒子を選り分けているというのか。<br>　私は、私であるこの状態を逃さぬようにしながら、ベータという生命体について記述しておこうと思う。それは、再び、私がベータと融合した後の私でもベータでもない状態の生命体に、もともとは私であった私とベータであったベータが存在していたということを理解させるためでもある。私をとり戻している私は、融合した状態の生命体の意識や記憶を持たない。ならば件の生命体も、私であった私、ベータであったベータの意識や記憶を持たないだろう。私の記述は、その生命体に私とベータのことを言い伝えることを目的としている。伝えることで、生命体はベータという邪悪な生物と私という普通の地球人との存在が彼を形作っていることを知るのだ。いや、彼はこの記述を読まないかもしれない。読むかもしれない。理解しないかもしれない。すべてを理解しその状態を崩すための何らかの処置を考え出すかもしれない。彼の姿も考え方も性格もわからないのだから、こんな記述を残したところで彼の生き方に何らかの影響を与えると考えるのには無理があるのかもしれない。私が私をとり戻している───その状態にあるとき、私がすべきことが他にあるとは考えられない。<br>　物語は、私の記憶に残っている限り二時間分の出来事がひとつの軸となっている。</p><p name="f1763f75-2794-42b2-ba4c-f45e60db20ff" id="f1763f75-2794-42b2-ba4c-f45e60db20ff">　新しい作業部屋を借りたのは、アーニーが私の寝ている時間に帰宅することが多くなってきたあたりからだった。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nbbefa143436a'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 27 Mar 2024 23:44:21 +0900</pubDate>
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    </item>
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      <title>佐倉在住の自動執筆人間が、早朝からそのただれた肛門から短編小説をひり出してい…</title>
      <description><![CDATA[<p name="9d0ad57b-6233-4f16-b6ca-ef0e7b660c73" id="9d0ad57b-6233-4f16-b6ca-ef0e7b660c73">佐倉在住の自動執筆人間が、早朝からそのただれた肛門から短編小説をひり出している。ここんとこ便秘が続いていたので久々の収穫。今回は十代の男子が主人公の切ない恋愛小説だ。ひりたての小説を読みながら、彼は自分がもう長くはないなと思った。いい気持ちで便所から出ようとしたがトイペが切れてて</p><figure name="c9d8d437-1bce-48be-b80d-a2aaede85dc8" id="c9d8d437-1bce-48be-b80d-a2aaede85dc8"> <img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134561676/08198198ab8b03f45d7fb6df5499f03c.jpeg" width="4032" height="3024"> <figcaption></figcaption> </figure><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n6f738911cbca'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 20 Mar 2024 21:26:14 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n6f738911cbca</link>
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    </item>
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      <title>ブルナック・ヴァルハードのケツの穴 せまいくらいふかいくさい つっこんだ私の…</title>
      <description><![CDATA[<p name="49dfa9a1-0bd9-46b8-8f1e-a09199d4dddf" id="49dfa9a1-0bd9-46b8-8f1e-a09199d4dddf">ブルナック・ヴァルハードのケツの穴<br>せまいくらいふかいくさい<br>つっこんだ私の頭とけていく<br>どろどろどろどろとけていく<br>くるしいけれどとてもえろい<br><br>ブルナック・ヴァルハードのケツの穴<br>えろいえろいえろいえろい<br>お手紙届いて大爆発<br>まちのおとなにくそがとぶ<br>焼けたくそがとびちって<br></p><figure name="1d4d9f9f-c459-44a0-a93d-3548a498597e" id="1d4d9f9f-c459-44a0-a93d-3548a498597e"> <img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134382969/fe091580cc629e49ed9f678859f7cc4f.jpeg" width="4032" height="3024"> <figcaption></figcaption> </figure><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n2b6dd11237f2'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 19 Mar 2024 06:24:39 +0900</pubDate>
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      <title>銀座線</title>
      <media:thumbnail>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/133115412/rectangle_large_type_2_7e30a96256dcf608b299e85759a931fd.jpeg?width=800</media:thumbnail>
      <description><![CDATA[<p name="8e0712c9-6933-4d5b-ac77-05f806f02162" id="8e0712c9-6933-4d5b-ac77-05f806f02162">　昨夜「消去」されたのはDＪ・ハンプトン。大学は大騒ぎだが、世界に影響はない。一昨日ホイアンの繁華街で拾った細身で青白い顔の少年にギンザミツコシで服を買い与え、マンダリントーキョーのレストランでディナーを愉しんでいる。<br>　歳のせいかすっかり少食になった俺に、コースは過剰だ。左手でメインの皿を押し出すと、少年は遠慮なく喰らいつく。フォアグラと仔牛が纏っていた無花果のソースが彼の薄情そうな唇を濡らす。紫に染まった唇のやわらかな触感を想像し、少年を徹底的に破壊する妄想のなか私は充分に勃起していた。ゆっくりと。ゆっくり確実に生き延びればいいんだ。ベトナム風のカフェダーを飲みながら、視界の端に光が生まれるのをちらりと確認した。若い子はカフェダーなんて飲むものはいなくなっているとか。コンデンスミルクの甘ったるさと苦さだけが強いロブスタ豆。コロニアル時代の遺物も滅びつつあるらしい。<br>　まただ。<br>　繰り返し。<br>　次の刹那、レストランは薄いオレンジ色の光に包まれる。ガラス張りの天井が軋み、割れた窓ガラスの雨が俺たちのテーブルに降り注ぐ。見ると少年は頸から勢いよく鮮血を噴き出している。視線は力無く斜め上を指し、仔牛を刺したフォークがフェラのときみたいに開いた口の手前で留まっている。辺りの悲鳴。アラート。また、同じこと。同じことの繰り返し。繰り返すたびに面倒になっている。<br>　強制離脱。<br>　〈心入〉を解く。<br>　少年にはチップ経由で支払いを済ませた。<br>　黴臭く狭いネジロの灰色の壁。カーテン越しに陽光が注ぎ、ベッドに横たえた躰は汗でぐっしょりと濡れていて、湿ったシーツの上で俺はだらしなく射精した。十四時「消去」されていない。熱いシャワーを浴び、チップに新しい〈皿〉をロードする。少年に現実で会える保証はもちろんないが、彼が最初に出現したノードを探ればだいたいの居住地は割り出せる筈。ブリスベン、ダブリン、千葉、ハノイ。そしてホイアン。グリッドの過去は三十年くらい洗える。十二万ドンの課金はなんでもないが、俺には〈時間〉がない。高い天井からぶら下がるＢ－５２爆撃機のプラスティックモデル。二百年前の戦争でナパームの炎に焼かれる森林の写真。<br>　栞子がまだ少女だった頃の真白くさみしげな美しい笑顔の古いポートレート。<br>　悔しさが記憶の奥底から蘇る。<br>　俺は瓶に残ったすべてのクロポト錠を口に放りこみ、一気に噛み砕く。<br>　少年の背中、大きな赤い火傷の痕を舌でなぞる仮想の感触が限界まで増大され、俺の老いた全身を貫く。外苑前のホームの壁に書かれた言葉は、今もはっきりと網膜に焼き付いている。預言者の言葉だ。それをブツブツと呪文のように繰り返しながら、米軍がダラットに放置した実験炉に〈心入〉する。巨大な圧力が頭を揺らす。暑い。寒い。沸騰する。凍る。磁場が常の数十倍の強さになって俺の躰に浴びせられる。大学は俺を解雇するだろう。発見されたとき、DＪ・ハンプトンの顔は地下鉄の壁にめりこんでいたと聞いた。逃げ場がないのは判っているし、何十年も数千のスニッピーが好き放題に出鱈目なコードを書き足し続けたこのノードは、クロポト廃人の終着駅だ。奴らには磁場が邪魔するなんてことはないだろうが、俺は別。あの日、栞子の質量がマイナスに突入したとき〈時間〉を大量に消費しちまったから。<br>　１９９８年。<br>　土曜日の朝、ベンダ族の村でムサングウェ競技会にエントリーするために、背鰭に櫛を通しながらこの十数年に流された体液のことを考えた。<br>　日曜日の夜、マンションで配偶者と子に別れを告げ、二十七年間の人生の環境負荷を計算しながら、飛び降りるに最適なビルディングを探した。<br>　月曜日の午後、自動コントロールと人為的な操作との矛盾のために下降した機体の体勢を取り戻そうと、急上昇し失速したその航空機が墜落する際に、機長が「最後だ」と呟いた。<br>　火曜日未明、泥酔のまま寝かされていたマジェスティックのルーフトップバーの特別室で、花とキャンディーを売る腹をすかせた子どもに、「ここで食っちまえ」と残り物のバーガーとポテトを渡し、あとでババアに殴られないように売り物をすべて倍の値段で買い上げてやった。<br>　水曜日、木曜日、どこかの国のどこかのホテルのスイートで死んだように眠り続けた。<br>　金曜日の朝、コンソールで目覚め、消去されはじめていることに気づいた。雄ネコのシゲルに最後のごちそうを与え、俺は、自分の裸体を観察した。鍛えたつもりになっていた薄い筋肉と、醜く垂れ下がった脂肪。だらしなく萎んだ男性器。深い皺が刻まれた暗い顔。<br>　栞子がいなくなってから長い時間をかけ「消去」ははじまっていたのかもしれない。</p><p name="4361d342-086f-4f14-9d90-7003d35399fa" id="4361d342-086f-4f14-9d90-7003d35399fa">　何十年も親しんだ黴臭く狭くて暗いネジロで、俺は立ち上がる。終わるのは悪くない。むしろ理想的な終わり方ではある。<br>　生身が粒子に分解されていくのを感じると、おかしくておかしくて、俺は涙でくしゃくしゃになりながら笑い続けた。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n2cfc175bf641'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 06 Mar 2024 21:13:31 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n2cfc175bf641</link>
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    <item>
      <title>断片整理　20240126</title>
      <description><![CDATA[<p name="103e31ca-4b4c-49b0-a051-9ba089d756c5" id="103e31ca-4b4c-49b0-a051-9ba089d756c5">　北側に向いた窓ガラスを通過して、例の小さな白い奴らが侵入してくる。部屋に入るなり一辺五ミリメートル程度の大きさの立方体に成長し薄いグリーンの光を放ちながら「ぶーん」という小さな音を立てて翔び回るのだ。国連は、奴らを〈やごりん〉と呼んでいて、世界中の「現実」に居住している人々に対し<br>　ベッドに寝ている顔の周りを蚊のように煩わしいのでパチンと叩き殺してやりたくなるのだが、ひとつ叩けばそれが十くらいの個体に分裂して増殖することが解ってるので、しばらくは放っておくしかない。<br>　呟く。<br>「なあ、サヨリさん。またアレがきたよ」<br>「そうですかまだこんなに暖かい季節なのに」声が小さすぎたかもしれないと思ったのだが、サヨリさんはちゃんとキャッチアップしている。<br>「今年も、闘いの季節が始まるんだね」<br>「そうですね」<br>　サヨリさんはすぐに〈通信〉を、よもやま相談室に繋いでいつもの小隊を要請した。〈通信〉に直結しているためか、いつもながら素早い。程なく小隊が到着して白い立方体との死闘が始まるだろう。私は、その様子を眺めていたいという欲求に駆られるのだが、木曜日の朝からそんな時間も取れないので後のことは国軍に任せることにして、通勤前のコーヒーをサヨリさんに淹れてもらう。<br>　白いコーヒーカップをつかむと私は、スーツに着がえて仕事部屋に入る。今日のコーヒーは、コスタリカ産の21世紀にカップオブエクセレンスを受賞した豆をしっかりと再現しているという話だが、私の経験だけではそれが真実なのかどうかわからない。コーヒーの味の差は結局2%程度成分の差だというから、再現しようと思えば化学的な調整で十分可能なのだろう。<br>　幸いなことに、仕事部屋には白い立方体は侵入してこない。なぜかは解らない。私は落ち着いた心持ちで昨日終えることができなかったレラティビティマーケティングの分析結果のレビューを始める。〈通信〉により結ばれた全世界の人々から自動収集している天文学的な量のデータを分析したり、視覚化する作業は量子コンピュータベースの人工知能が勝手にやってくれるのだが、最終的にレビューして判断をするのは、私たちが担当している。<br>「国軍がきましたよ」とサヨリさん。<br>　白い立方体の群生と戦うのは、大手の電算機メーカーが開発した、やはり五ミリメートルくらいの立方体だ。こちらは区別しやすいように青く輝いている。ナノフラーレンを組み合わせた人工生命体。自律増殖型のナノマシンであり、国軍が育てた7歳の〈超越者〉がプログラムした七万五千通りの戦術プログラムにより個々に制御されている。状況によってミリ秒単位での意思決定を繰り返し、戦術を切り換えながら闘うのだという。刻々と変化する戦況に合わせ、全体最適を計算し素早く反応する一方で、個々のマシンは常に分散型の自律思考をしていて、周囲にいる複数の仲間と連携したり一個体で高速での撹乱や特攻じみた攻撃を仕掛けたりアジャイルな働きをする。<br>「駆除が終了したみたいですよ」サヨリさんは機嫌が悪い国語の先生のような単調な声で言う。<br><br>　私は特に答えなかった。いつものことだ。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n47744bb24e69'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 26 Jan 2024 20:09:39 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n47744bb24e69</link>
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    <item>
      <title>断片整理　20240121</title>
      <description><![CDATA[<p name="6bf8e9ce-ec77-403b-8155-18efa26b144d" id="6bf8e9ce-ec77-403b-8155-18efa26b144d">銀座線</p><p name="ce90e874-4b05-4244-b1d0-05ad94ca6df3" id="ce90e874-4b05-4244-b1d0-05ad94ca6df3">　昨夜「消去」されたのはDＪ・ハンプトン。大学は大騒ぎだが、世界に影響はない。一昨日ホイアンの繁華街で拾った細身で青白い顔の少年にギンザミツコシで服を買い与え、マンダリントーキョーのレストランでディナーを愉しんでいる。<br>　歳のせいかすっかり少食になった俺に、コースは過剰だ。左手でメインの皿を押し出すと、少年は遠慮なく喰らいつく。フォアグラと仔牛が纏っていた無花果のソースが彼の薄情そうな唇を濡らす。紫に染まった唇のやわらかな触感を想像し、少年を徹底的に破壊する妄想のなか私は充分に勃起していた。ゆっくりと。ゆっくり確実に生き延びればいいんだ。ベトナム風のカフェダーを飲みながら、視界の端に光が生まれるのをちらりと確認した。<br>　まただ。<br>　繰り返し。<br>　次の刹那、レストランは薄いオレンジ色の光に包まれる。ガラス張りの天井が軋み、割れた窓ガラスの雨が俺たちのテーブルに降り注ぐ。見ると少年は頸から勢いよく鮮血を噴き出している。視線は力無く斜め上を指し、仔牛を刺したフォークがフェラのときみたいに開いた口の手前で留まっている。辺りの悲鳴。アラート。また、同じこと。同じことの繰り返し。繰り返すたびに面倒になっている。<br>　強制離脱。〈心入〉を解く。<br>　少年には98227チップ経由で支払いを済ませた。<br>　黴臭く狭いネジロの灰色の壁。カーテン越しに陽光が注ぎ、ベッドに横たえた躰は汗でぐっしょりと濡れていて、湿ったシーツの上で俺はだらしなく射精した。十四時。「消去」されていない。熱いシャワーを浴び、98227チップに新しい〈皿〉をロードする。少年に現実で会える保証はもちろんないが、彼が最初に出現したノードを探ればだいたいの居住地は割り出せる筈。ブリスベン、ダブリン、千葉、ハノイ。そしてホイアン。グリッドの過去は三十年くらい洗える。十二万ドンの課金はなんでもないが、俺には〈時間〉がない。高い天井からぶら下がるＢ－５２爆撃機のプラスティックモデル。二百年前の戦争でナパームの炎に焼かれる森林の写真。<br>　栞子がまだ少女だった頃の真白くさみしげな美しい笑顔の古いポートレート。<br>　悔しさが記憶の奥底から蘇る。<br>　俺は瓶に残ったすべてのクロポト錠を口に放りこみ、一気に噛み砕く。<br>　少年の背中、大きな赤い火傷の痕を舌でなぞる仮想の感触が限界まで増大され、俺の老いた全身を貫く。外苑前のホームの壁に書かれた言葉は、今もはっきりと網膜に焼き付いている。預言者の言葉だ。それをブツブツと呪文のように繰り返しながら、米軍がダラットに放置した実験炉に〈心入〉する。巨大な圧力が頭を揺らす。暑い。寒い。沸騰する。凍る。磁場が常の数十倍の強さになって俺の躰に浴びせられる。大学は俺を解雇するだろう。発見されたとき、DＪ・ハンプトンの顔は地下鉄の壁にめりこんでいたと聞いた。逃げ場がないのは判っているし、何十年も数千のスニッピーが好き放題に出鱈目なコードを書き足し続けたこのノードは、クロポト廃人の終着駅だ。奴らには磁場が邪魔するなんてことはないだろうが、俺は別。あの日、栞子の質量がマイナスに突入したとき〈時間〉を大量に消費しちまったから。<br>　１９９８年。<br>　土曜日の朝、ベンダ族の村でムサングウェ競技会にエントリーするために、背鰭に櫛を通しながらこの十数年に流された体液のことを考えた。<br>　日曜日の夜、マンションで配偶者と子に別れを告げ、二十七年間の人生の環境負荷を計算しながら、飛び降りるに最適なビルディングを探した。<br>　月曜日の午後、自動コントロールと人為的な操作との矛盾のために下降した機体の体勢を取り戻そうと、急上昇し失速したその航空機が墜落する際に、機長が「最後だ」と呟いた。<br>　火曜日未明、泥酔のまま寝かされていたマジェスティックのルーフトップバーの特別室で、花とキャンディーを売る腹をすかせた子どもに、「ここで食っちまえ」と残り物のバーガーとポテトを渡し、あとでババアに殴られないように売り物をすべて倍の値段で買い上げてやった。<br>　水曜日、木曜日、どこかの国のどこかのホテルのスイートで死んだように眠り続けた。<br>　金曜日の朝、コンソールで目覚め、消去されはじめていることに気づいた。雄ネコのシゲルに最後のごちそうを与え、俺は、自分の裸体を観察した。鍛えたつもりになっていた薄い筋肉と、醜く垂れ下がった脂肪。だらしなく萎んだ男性器。深い皺が刻まれた暗い顔。<br>　栞子がいなくなってから長い時間をかけ「消去」ははじまっていたのかもしれない。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nc4bdda56e28a'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Sun, 21 Jan 2024 15:43:14 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/nc4bdda56e28a</link>
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      <title>あと、十年余りの人生は ノーガードで行くことにした。 やっと気づいたよ、東谷…</title>
      <description><![CDATA[<p name="57ca8bb5-2355-41cd-ad2e-464d549f0463" id="57ca8bb5-2355-41cd-ad2e-464d549f0463">あと、十年余りの人生は<br>ノーガードで行くことにした。<br>やっと気づいたよ、東谷。<br>きみは偉大だった。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n367b458e6296'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 22 Dec 2023 11:25:11 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n367b458e6296</link>
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      <title>くだらない朝</title>
      <description><![CDATA[<p name="61d6614e-1c39-4a1a-8077-493375ea4836" id="61d6614e-1c39-4a1a-8077-493375ea4836">　いつから、こんな調子になってしまったのかわからん。<br>　確かに最初の数年は凄かった。大先輩の大石さんがひとりで闘っていたから。あの頃の大石さんのガッツは、週末に徹夜でマージャン卓を囲む教育委員会の中堅職員みたいにねちっこい粘りがあったから、善彦も津村も彼の勢いの渦が自分自身を複製しながら巨大な怪物曲線を描くかのように一緒になってガッツを振りまいていたな。あまりに勢いがあり過ぎて、心配になっちゃうくらいだったぜ。</p><p name="9b8826b1-10a0-4b00-b79f-af9faf8fc7ad" id="9b8826b1-10a0-4b00-b79f-af9faf8fc7ad">「フナイ。お前が大石さんよりも才能があると思い込んでいるのミエミエだって」<br>　善彦と言う奴はだんごむしみたいに小心者なくせに、俺を理解したような口をきいてくる。<br>「ふざけるな。あんなロートル。いっぱしに台本仕上げたいっていうんだったら、大事なのは長いこと時間をかけることじゃなく、素早く書き連ねることだろ。早ければ早いほど美しいんだよ。あいつのガッツはドンガメの根性に過ぎないんだって」<br><br>　俺は、なんでこんなにイラついているのか、自分でも解らなくなっていた。<br><br>　大石さんの世界観はその時々の流行を取り入れているだけで、赤トンボの羽根みたいにペラペラに薄っぺら過ぎる。作品として一応まとまってはいるし、小洒落た長台詞が入っていたりしてるからウケはいいんだけど。惜しいんだ。本当に惜しいところにしか届いていない。<br><br>　そんなのみんな解っているのに。<br>　一番なんでもやれるっていう二十代のこの季節。<br>　バイトも何もかも後ろに追いやって、公演まで、一ヶ月という貴重な時間を作っているというのに、それも十数人の劇団員全員の時間を。それを、オールインするような価値はないじゃないか。<br>　善彦は、努力を重ねて体を作って研究所にも通って演技を磨き続けている役者だから、一番不満を持っているのは彼のはずなのに。<br><br>　くだらない。<br><br>　日曜の朝。<br>　練習場も区民会館の玄関に続く石の階段も、表を走る片道三車線の国道も、車道の左端を時速三十キロは出てるんじゃないかって速度で走るロードバイクも、それに乗ってるブルーのサイクリングウェアをまとったスキニーな女性バイカーも、全部、くだらない。<br>　嫌いだ。<br><br>「善彦、俺さ、芝居出るのやめようかって思ってるんだけど」<br>　俺は、中学生がずっと好きだった女子生徒にうっかり恋の告白をしてしまったときみたいに、手のひらに汗を滲ませながら言った。<br>「もう、無理だ。自分でも解らないんだ」<br>「そうか、フナイ、そりゃ仕方ないよな。津村にはやめるって言ったのかい？　それともこれが最初の告白かい？」</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/ncd4981e4845b'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Sat, 09 Dec 2023 20:54:40 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/ncd4981e4845b</link>
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      <title>ローマ字打ちとか、あり得ん派</title>
      <description><![CDATA[<p name="68a44bd9-d124-40d7-aa1c-ac93a71cf499" id="68a44bd9-d124-40d7-aa1c-ac93a71cf499">仕事の都合でローマ字入力の速度を上げなくてはならなくなった。派遣会社がそういうテストを受けさせるのだ。カナ入力ではテストが受けられないという。<br>どう考えたって効率的ではない。<br>もちろん、ローマ字入力もマスターしている。カナ入力の欠点は高速で文章を打つときにシフトが効かないときがあることくらいで、ほぼ考えるスピードで入力できるという大きなメリットがあるからそんなのは気にならない。<br>というわけで、この文章は、ローマ字入力で書いている。<br>だいぶ時間がかかっているが、まあ慣れれば少しは早くなるだろう。</p><p name="f8e9c559-d75a-4693-967b-6d310112a21b" id="f8e9c559-d75a-4693-967b-6d310112a21b">ローマ字入力のメリットを考えよう。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/nbf745f2b5310'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 07 Dec 2023 20:27:14 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/nbf745f2b5310</link>
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      <title>Audibleでホロヴィッツ三昧</title>
      <description><![CDATA[<p name="8482a5ce-9f55-4fa2-bde8-574a461c057d" id="8482a5ce-9f55-4fa2-bde8-574a461c057d">　というわけで、さっき『ヨルガオ殺人事件』の下巻をさっき聴き終わった。Audible生活もすっかり板についてきて、通勤の電車、帰ってから仕事しながらなどながら読書（聴書）すっかり生活の中に溶け込んでいる。サブスクで利用し始めてから2ヶ月目くらいになるのだが、まず最初に、『三体』三部作を一度は単行本で読み通していたのだが、聴き通した。<br>　その後、『プロジェクト・ヘイルメアリー』上下。このあたりで、Audible読書の何より楽ちんなこと、耳から入ることで目で読むのとは違って変に記憶に残るところがあること、を気に入っている。その後、月村了衛さんの「機龍警察」シリーズを白骨街道までの全作品、途中でナレーターが緒方恵美さんに変わって、それはそれでひとりアニメみたいで楽しいことになってて、とても満足できた。<br>　ここまで全部無料。というか、月1500円で聴き放題のメニューに入っているって素晴らしくない？<br>　聴き放題メニューを漁って、クリスティをいくつか聴いた後、困ったことにアンソニー・ホロヴィッツに行きついてしまった。<br>『メインテーマは殺人』に始まり、『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』まで聴了。<br>　重厚な長編ミステリーも、耳から入ってくることで記憶にちゃんと刻まれる。<br>　通勤時間と風呂時間はすべてAudibleで何かしらを聴いているので、側から見るとiPhoneを眺めるでもなく本読むわけでもなく系の人になっているけど頭の中では、失礼極まりないホーソンとアンソニーとのやりとりなんかが鳴っている。<br>　2ヶ月で8冊〜10冊分の読書をAudibleに置き換えるのは、僕みたいに歳とった人間からすると非常に効率的で楽しい。<br>　あ、朗読は結構ゆっくり目なので、2倍速以上で聴くのがデフォです。それくらいだと一冊5〜6時間程度。本として読むのとあまり変わらない速度ですよね。今日からは、ホーソン&amp;アンソニーシリーズの続きを聴いていきます。<br></p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n39230c8bd9b9'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Fri, 10 Nov 2023 13:58:07 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n39230c8bd9b9</link>
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      <title>屋上パーコ</title>
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      <description><![CDATA[<pre name="8167b595-6edd-43f9-91de-6aeb3f3337a4" id="8167b595-6edd-43f9-91de-6aeb3f3337a4"><code>		１</code></pre><p name="1c2c4088-ba75-4270-89df-feda18991222" id="1c2c4088-ba75-4270-89df-feda18991222">　誰もいない屋上から眺める街は、徹夜明けの網膜の上に薄桃色に染まる。　<br>　錆びついた鋼鉄の手すりの上にすらりとした姿勢で立つクリアは、軽く両手を合わせ片足立ちになったまま瞑想の真似事をしている。両手を翼にして飛び降りるほどナルシストではない。むしろ肉体の死は物語ではなくひどく凡庸なものだってことをクリアは知っている。<br>　少し冷たい風がオレンジ色のストレートヘアを揺らすが、それを心地よいと感じる余裕もいまのところはない。限界まで自分を追い込んだ後の気怠い気分は、いつも長く続く。心の奥でくすぶっているのが、輪郭のぼやけた芯のない不安だ。良い仕事ができたかな？　落ち度はないかな？　依頼人の要件はすべて満たしているかな？　数十項目のリストを何度も何度も脳内で再生しながら、何度も何度も大丈夫だと確認してみる。いつも通りに依頼人はこの犯罪を成功させるだろう。実行難易度は低い。物証はなにも発見されず、状況証拠も目撃証言も依頼人には結びつかない。アリバイも完璧。そもそも動機が見つけられない。クリアは、自分は良い結果を出し続けてきたと思っている。<br>　瞑想を終え屋上に降り立つ。<br>　深呼吸と背伸びを繰り返し、コンクリートの断固とした抵抗をスニーカーの下に感じる。これがリアルだ。リアルは安心する。ふわりと振り返ると階段のほうに走った。あと二時間もすれば、制服に着替えて学校に行く時間だ。<br>　完成したての「計画」を暗号化し、多様な色彩に輝く正多面体のキューブが折り重なったモザイク状の三次元アート作品に変換する。今回の「計画」の見た目は、可愛らしいモザイク猫にした。眺めるだけで癒される。二次元の見かけを自分のアイコンに使ってもいいし、〈スラッシュワーム〉みたいな仮想世界で三次元のままアバターとしても使える。世界にひとつだけのアート。ＮＦＴとして取引されるので、取引履歴や所有者のデータは残るが、アートを「計画」に展開することは、キーを持つ者以外には不可能なのだ。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n0a6d62eae440'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Sat, 11 Mar 2023 08:08:40 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n0a6d62eae440</link>
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    </item>
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      <title>彼振動カットバック＇８３　　　　　　　　クラノ・テキニマスセ</title>
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      <description><![CDATA[<h2 style="text-align: left" name="eedccb1c-e524-462d-9f17-fe8d1a4f892b" id="eedccb1c-e524-462d-9f17-fe8d1a4f892b"><br></h2><h3 style="text-align: left" name="4c73714c-1152-4bf7-80a9-d63194ef6a8b" id="4c73714c-1152-4bf7-80a9-d63194ef6a8b">　　　１</h3><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n0c83886363de'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 11 Oct 2022 18:57:01 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n0c83886363de</link>
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    <item>
      <title>文舵練習問題　第６章　人称と時制</title>
      <description><![CDATA[<p name="gxYQs">〈練習問題⑥〉老女</p><p name="Mcti7">時間がかかりすぎた。あまりいいできではなないし、時制と人称をひっくり返して書く二作品目もできていない。後半は明らかに手が抜けている。いろいろ反省してます。</p><br/><a href='https://note.com/hiden040/n/n1d63a463ec5b'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4413752/profile_2281dc9ee11cbb0396641d78d5f2ebcc.jpg?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>クラノ・テキニマスセ（中根秀樹）</note:creatorName>
      <pubDate>Sat, 06 Nov 2021 23:22:43 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/hiden040/n/n1d63a463ec5b</link>
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