
[ひでじぃの庭先独り言_#4] 田植えが始まりました!
梅雨に入り、あちこちで田植えが。
この季節に帰省することがなかったので、この風景を見るのは久しぶり。
小学生の頃、私も田植えを手伝った。当時は、機械はなく、手植えだった。
家族以外にも親戚や近所の人も一緒に、横一列に10人あまりが並び、ピンと張られた紐に付されているマーク(赤い玉だったと記憶)のところに、指でつまんだ苗を、一人10か所くらいだったか、割り当てられたところに植えていく。その列の端から端まで植え終わったら、掛け声で一歩後ろに下がり、紐も移動する。
その繰り返しで、一つの田を終えると、次の田に。
当時はいろんな田があった。農地整備された田は長方形で広かったのでスムーズだったが、そうでない小さく歪(いびつ)な形の田も多かった。
今も覚えているのは、小学校の運動場からみて崖下にあった田だ。いわゆる沼地で、足を踏み入れると膝小僧あたりまで嵌る。動くために足を抜くのも一苦労で、やっと抜いた足には蛭(ひる)がペタッとくっついている。家の手伝いは当然とはいえ、上の運動場から聞こえる遊んでいる友らの声が、少しうらめしかった。
田植え機が普及し、手植え作業を見ることは稀になった。今年一度も見かけていない。いびつな田も転用などされて少なくなったのだろう。あの沼地の田も、今はもうない(運動場の拡張に供されたらしい)。
眺めていると、機械での田植えは一人でできるようだ。トラクターのような機械で、後ろにセットした苗を6列くらい一度に田に植えていく。何度か往復するうちに一枚の田が終わった。エンジンの音以外は静かなものだ。
大人たちが大声で世間話をしながらも素早くきちんと植えていく横で、子供たちが時には尻もちをついて泥だらけになったりもして、ワイワイガヤガヤみんなで手植えしていた頃とは様変わりだ。
田植えの開始に備えて、5月下旬に用水路や排水溝の清掃作業があった。
田畑の集まっているところについては、どこから農業用水を引いてくるか(私の近隣では、貴志川、山田ダム、前田池、平池など)に応じた治水のための組合のような組織があり、指定された日時に集まって溝にたまった泥やゴミ、雑草などを掃除する。
それとは別に、自治区での排水溝(生活排水も流入)の清掃(「溝さらい」と呼ばれている)もある。これは、農家だけでなく住民の行事なので、普段そんな作業などしたことのない人(和歌山市とかから移住してきた人)たちも参加する。
わずか1時間から2時間の、年に一回の行事だが、それなりの人数が集まって、若手(40代とか50代)も年長者に教えてもらいながら作業する。私も、農家の息子でありながら、新参者だ。
鋤簾(じょれん)という農具で溝の底から泥をかきあげたり、泥を積んだ一輪車を押して畦道を走ったり、ヒラスコ(平なスコップ)で軽トラに泥を積み込んだり。
それなりに大変な作業だが、なんか皆楽しそうに見えた。はじめましての人も多く、互いに名前もわからないままなのに。
6月に入って、各所の水門が開かれたのだろう、その用水路や排水溝に水が流れている。その水で田が満たされ、無事に稲が植えられているのを見て、とても嬉しい気持ちになった。