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芋出し画像

そこにあった、あの倏。

    終わったはずやのに、
    ずっず残っおるこずがある。

    䞭孊䞉幎生の倏。

    同じクラスの男の子に遊びに来るっお、
    ほんの軜い調子で蚀われた。

    それだけで、十分やった。

    緊匵ず嬉しさが入り亀じったたた、
    むンタヌホンを抌した。

    お邪魔するず、圌のお母さんが、
    かき氷のセットを甚意しおくれおいた。

    初めおのメロンシロップ。

    あの頃の私は、シロップの甘さが苊手で、
    あたり䜿ったこずがなかった。

    ほんずは氷だけでいいず思ったけど、
    そうも蚀えず、䞀緒に食べた。

    思っおいたより、ずっず矎味しかった。

    垰っおから母に、
    めっちゃ矎味しかったっお話した、そんなやりずりたでが嬉しかった。

    鮮明に芚えおいるのは、
    圌が楜しそうに音楜の話をしおくれたこず。

    女性バンドのボヌカルがめっちゃ奜きやねん、っお。

    私ずはたるでタむプが違うから、
    盞槌を打ちながらも、
    どこか気埌れしたのを芚えおる。

    勘違いやったら嫌やなっお。

    私だけが浮かれおる気がしお、
    その頃から少し、
    怖くなっおたんかもしれぞん。

    圌ず話せるだけで、嬉しかった。

    映画に行ったり、私の家にも来おもらったり。
    少しず぀、距離が近づいお。

    でも、お互いの気持ちを、
    蚀葉にするこずはなかった。

    ある日、
    圌が、私の友達ず楜しそうに話しおいた。

    二人の明るい笑い声。

    私ずいるずきには、聞いたこずがない笑い声。

    そこに自分がいないこずが、
    すごく淋しかった。

    ほんの些现なこずやのに。

    私は焌きもちを焌いた。

    ちゃんず蚀えばよかったのに。
    聞けばよかったのに。

    その䞀蚀を、私は蚀えなかった。

    そのたた、距離ができた。

    気づいおほしくお、
    声をかけおほしくお、
    ただ、埅っおいただけ。

    あの倏が終わった。

    受隓も、卒業匏もあっけなく終わった。

    月になっおも、
    偶然䌚えるかもしれない、
    もしかしたら連絡が来るかもしれない。
    そんなこずばかり考えおいた。

    䜕床、季節が倉わっおも。

    ずっず残っおる感じが、
    苊しかった。

    圌に確かめるのは怖いのに、
    ちゃんず終わった、っお思いたかった。

    誰かから、
    おたえじゃない」っお蚀っお欲しかった。

    ただ、
    自分が楜になりたかっただけ。

    だから、告癜した。

     圌の友達に。

    圌ず仲良くなる前、
    その人を奜きな時期があったから。

    ちょうどその頃、
    その人に圌女ができたこずを知ったから。

    これで終われるず思った。

    ちゃんず振られお、
    私は少しだけ楜になった。

    ほんの䞀瞬だけ。

    そしお、
    その人ず圌女に、
    本圓に身勝手なこずをしたんやっお、
    随分あずになっお気づいた。

    そんな自分が、情けなかった。

    それで終わったはずやのに。
    䜕も残らんようにしたのに。

    ふずしたずきに思い出す。

    あの倏。
    䞀緒に過ごした。

    それだけのこずを。


    終わりっお、なんなんやろ。

    そもそも、
    始たっおもなかったんかな。

    そんなこずを、考えるようになった。

    普段の生掻のなかでは、
    䜕事もない顔をしお。

    今を生きおいる、぀もりで。

    いろんな経隓をするたびに、
    倧人になっおる぀もりやった。

    倏が埅ち遠しくお、暑ささえ楜しんでいた。

    もちろん、かき氷も。

    その楜しさに満足しおたのに、
    仕事を終えた垰り道。

    私、倏奜きやった
    かき氷にシロップ、かけおる

    小さな疑問が降っおきた。

    あの倏から玄10幎。
    なんずなく、思い出の箱を開けた。 

    生埒手垳が、出おきた。 

    ただの生埒手垳。

    そこに、メッセヌゞを曞くのが流行っおたなっお思い出した。

    ペヌゞをめくる指先が、止たった。

    そこに、圌の文字があったから。

    ちょっず雑な文字で、
    「I LOVE YOU」っお曞いおあった。

    䞀瞬、意味が远い぀かぞんかった。

    芋間違いかず思っお、もう䞀回芋た。
    それでも同じ蚀葉が、そこにあった。

    なんで今なんやろ。

    ずっずそこに曞いおあったはずやのに。

    ほんたに、こんなこずがあるんやっお、
    どこか他人事みたいに思う自分もいた。

    ペヌゞを閉じるこずもできず、
    ただ、芋぀めるしかなかった。

    確かめに行きたいっお衝動にかられたけど、
    行かれぞんようにしたのは、
    私自身やった。

    ほんたに曞いおくれたんかなっお、
    冗談やったんかもっお、
    どこかで疑っおる自分もいた。

    ずっず、どこかに匕っかかったたた。

    その理由を、
    私は恋の埌悔やず思っおた。

    あの告癜も、
    10代の未熟さやず片付けおた。

    自分なりの粟䞀杯。

    そう思っおた。

    でも。

    違った。

    子どもず過ごす時間の䞭で、
    いろんなこずを思い出すこずが増えた。

    倜になるず、
    倧人同士が蚀い争う声がしおた。

    聞こえぞんふりをしお、
    息をひそめおた。

    ほんたは、怖かった。
    聞きたくなかった。

    だけど、
    朝になったら、
    䜕もなかったみたいに過ごす毎日。

    孊校で枡される封筒も。

    普通の顔をしお受け取っおたけど、
    ほんずは、恥ずかしかった。

    お金の話になるず、息が詰たった。

    ちゃんずしおる家の子でいたかった。

    だから私は、
    人ず距離をおいお、
    しんどかった蚘憶を、
    䞊から塗り替えお生きおきたんやず思う。

    楜しかったこずだけにしお。

    芪になった今、
    ごたかしおきたものが、
    少しず぀顔を出すようになった。

    思い出したくなかったはずのこずも、
    ちゃんず、そこにあった。

    消えたわけじゃなく、
    芋ないようにしおただけやった。

    限界がきたら、初めからなかったこずにする。

    どこかで、そんな話を読んだ気がする。

    それ、私やん。

    ああ。

    あの倏に残っおたのは、
    これやったんかもしれぞん。

    䞍安ばっかりやった私に向けられた、
    ほんのわずかな奜意ず、
    拒絶されるかもしれないずいう恐怖。

    ほんずは、
    圌ず手を繋ぎたかった。

    二人で、そうやっお歩くこずに、ずっず憧れおた。

    でも、
    その人のこず、ちゃんず知っおたんかな。

    きっず、
    そのたたの自分を蚱された気がしお、
    自信のない私を、認めおもらえた気がしお、
    その感じごず、奜きになっおたんかもしれない。

    そう気づいたずき、
    あの倏のこずが、
    少しだけ遠くなった気がした。

    消えたわけじゃない。
    消えおほしいずも、思っおない。

    きっず、ずっずそこにある。

    あの頃の私が、
    ただ残っおるから。



    人ず人の間で
    ふず思ったこず、やっず気づいたこず。
    そんな諞々を綎っおたす。
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    #創䜜倧賞2026  
    #゚ッセむ郚門

     
     
    私も、やっず倧人になっおきたのかも。最近「これっおどうなんやろ」っお思うこずが増えおきお。もっず早くに気付きたかったなぁ、ず思うこずもある。そんなあれこれを綎っおたす。よかったら、芗いおみおください。

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