メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ふしぎなポケット

    子供達がまだ幼いころ、お出かけの際には、大きなバケツ型のトートバッグをよく使っていました。バッグはリメイクで作ることが多かったのですが、いくつか作っているうちに、娘達に、それぞれの服で作ったトートバッグをプレゼントしよう!と思い立ちました。早速長女の洋服だけを使って、トートバッグを作りました。大人になっても使ってほしくて、当時私が愛用していたバケツ型のトートバッグにしました。
    しかし当時小学生だった長女にはあまり魅力的なアイテムではなかったらしく、使うわけでもなく、部屋の片隅にずっと置いてありました。
    そんな状態を見てタイムリーな贈り物ではなかったのだと悟り、いつの日からか、ちゃっかり私が使うことにしてしまいました。長女には時が来たらまた作ればいいよね、、そんな軽い気持ちで。
    私からしたらそのバッグはまるで2〜3歳の頃の長女をそのまま肩にかけて歩いているようなバッグでしたから、ほったらかしておくなんて、ありえない!そんな気持ちでした。

    それに。
    このバッグにはとってもおいしい秘密の想い出ポイントがあったのです。

    リメイクの材料を決める時に、長女が よく着ていたジージャンを見つけ、これは絶対だねと選びました。いざ作り始め、レイアウトを考えていると、

    ?
    あれ?

    胸ポケットに石が入っていました。
    ちゃんとお洗濯してしまっておいたのになんで気が付かなかったのか、自分のずぼらさに苦笑しながらよく見ると、それは、綺麗な緑色のつるんとした石。
    きっと家族でヒスイ海岸に出かけた時に拾った石だ!と思いました。
    海岸で水に濡れている石はピカピカしていて娘達と「キレイキレイ」とたくさん拾って、「いい石比べ~!」といって誰の拾った石が一番きれいか勝負したりして遊びました。懐かしい想い出がふわっと蘇りました。

    こんなおいしいもの、使わなくちゃと、その胸ポケットの部分はバッグに使い、出来上がってから石を再びポケットに戻しました。自分だけが知っている宝物といつも一緒にいるようで、とても愛着が湧いて、大切に長い間使いました。

    何年か経ってとうとうほころびてきてしまったのですが、まだ、使いたくて、皮革の持ち手交換とデニム部分のほころびをリペアすることにしました。
    そして、いざお直しということで、久しぶりにジージャンのポケットに手を入れました。石は出しておかなくちゃね。

    ?

    あれ?

    なんと!

    石が、珊瑚になってる!

    、、、。

    ずっと気がつきませんでした。

    何年か前に家族で行った南の海で、みんなでワイワイキャーキャー言いながら拾った珊瑚。波に揺られるとカラカラと綺麗な音がして娘たちがキャッキャと喜んだのを思い出しました。きっとその時の珊瑚です。
    ・・・。   
    石は?
    南の海辺に? 

    おそらく、、、。
    おいてきたのでしょう。

    このジージャンのポケットはいつまでも娘にとって、大切なものを入れるポケットだったのかな。

    ポケットのおかげでバッグには想い出がひとつ増えました。

    そして今も私は、そのバッグを使い続けています。
    これからも使い続けたら、またポケットの想い出は増えるのだろうか?
    不思議なポケットは子供の頃だけのものなのだろうか。

    そんなことを時々思いながら使っています。
    もちろんポケットには珊瑚を入れたままで。

    画像
    画像



     
     
    洋裁家。 アトリエと,学校と,家での時間 ささやかながら楽しい そして全く違った毎日 なかなか自己肯定できない自分をなんとかしたくてnote始めてみました。 note始めたら、だんだん自分が楽しくなってきたように思うこの頃。読んでいただけたら嬉しいです。

    あなたへのおすすめ