
行き当りばったり
明月院の横を通って急な坂を上がると、吹奏楽の音が聞こえて、
不思議な場所に商店街があった。
カレー祭り。30〜40分並ぶ。
日陰のベンチで食べていると、膝だけ日に当たってヒリヒリする。
食べ終わってもまだ腹に入りそうで、アジフライも食べた。
来た時に気になっていたサバとディルのコロッケは完売だった。
喜界島の彼女のお菓子も買って、商店街を出る。
「もっと歩きたい」と言うと、道を進み、
看板も何も出ていない木々の中の小径をさくさくと入っていった。
森の中は涼しくて、歩くのに持って来いの日だった。
少し歩くと、鎌倉第二の山を通り過ぎ、先に進むと展望台に着いた。
さっき買った焼き菓子を食べて休んだ。
からっとしていて、天気が良くて気持ちがいいなと思った。
「来た道と違う道を歩く方が好きだ」と言うと、
同じだと言ってまた面白い道を教えてくれた。
ひと駅先の店に立ち寄ろうとなって、
ヘルメットを二つ持ってきたからと、バイクの後ろに乗せてもらった。
自転車とも車とも違うスピードで道を走るのは面白かった。
バイクで来ているし、ビールは飲まないというのに、ビール屋に入る。
色んなことを話していたら、時間はあっという間に夜になった。
適当な時間に出てカレー祭りに行くつもりだった。
そんな朝、連絡が来て、どこか歩くのかと聞かれた。
行くつもりの場所を答えると、同じ予定だったと言う。
その言葉を見たとき、胸が少しあたたかくなった。
うれしくて、ほんの少しだけ、涙が出た。
そんなこともあるんだ、と思った。
気楽な一日だった。