
風運ぶ白き山より冬の蝶
季語:冬の蝶(三冬)
かぜはこぶしろきやまよりふゆのちょう
山の近さが特徴の風景
瀬戸内沿岸の町は、海と山に挟まれた三角州に作られた町が多いことが特徴のひとつです。中学校あたりの地理で代表的な三角州として広島市が出てきますが、周辺の町も川沿いの平地と海辺を利用した集落が多く、すぐ近くに山が見えることがこの地域独特の景色になっています。
わたしは千葉、大阪、京都に住んだことがあります。京都は盆地ですから南以外はすぐ山でした。大阪も大学が田舎になったので山は馴染みの景色です。
唯一千葉だけは山らしい山が見えず始めの頃は風景に違和感を感じたものです。
今朝は一段と冷え込みが強く、ひと山こえた辺りはうっすらと雪化粧を見ることができました。空は青く、日向はそれなりに暖かいのですが、強風に煽られてチラチラと雪が舞っていました。
本日の一句はその様子をしたためたものです。
風運ぶ白き山より冬の蝶
わたしが挑戦している俳句は、現代語俳句というカテゴリーです。文語、古語を使わず、普段慣れ親しんでいる現代語を俳句を詠もう、身近に俳句を楽しもうというものです。
それなら、白き山でなく白い山と書く方がより口語的です。しかし、句の上中下のバランスというかリズムを考えると「白い」では上5下5に対して浮いた印象が拭えませんでした。
風にのって運ばれてくる雪を「冬の蝶」という季語を暗喩で書いてしまうところが全体の調子を重くしていると思います。そんなひねたことを考えずに、
風に乗り遠い山から雪ぞ舞う
くらいにしておけば、より現代語俳句らしく意味も直球で伝わります。でも、捻りたくなるのが自分らしさかなぁとも思います。
実はこのあと電車に乗り、1時間強かけて病院に行ってきました。往復2時間プラス順番待ちの間、わかりやすさか暗喩を使うかなどあれこれ考えた挙句、自分らしさを優先することにしました。
風に乗り遠い山から雪が散る
現代語よりの候補として上のようなパターンも考えました。もしかしたら、3番目が1番よいかもという気もしないでもないです。
何を持ってよしとするか、技巧を凝らすのはどの程度の加減がよいのか、まだまだ自分の判断に自信が持てません。多くの句に触れ、たくさんの試行錯誤を繰り返すしか上達の道はありませんが、まだまだ先は険しそうです。
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