
そがいに旨いならわけてみんさい花の蜜
かろうじて「花」が春の季語かな。ちょっと苦しい。しかも上5は思いっきり字余り。
「そがいに」を削れば字数は収まるけど、句全体で出したかった「方言感」のためには削れないという苦肉の字余りでした。
「そがいに」も「みんさい」も広島の田舎で使われる方言です。父方の祖母が広島と山口の県境の出身で、よくこんな言い回しをしていました。
この句では蜂に蜜を分けろとねだっていますが、子どものおやつでも同じことを言う人でした。だから、相手が蜂でも美味しそうに見えたら言いかねないと。お嬢さん育ちでお茶目な人でしたから、何でもありと想像しての一句です。
晩年はすっかりボケて入院してましたが、最期まで父にいい嫁を見つけてやらねば、と心砕いていました。
女性の看護師さんに声をかけるのは当然として、見舞いにきた母にまで父にふさわしい嫁はおらんか、と尋ねるのはいかがなものかと。
いつのまにか母は祖母にとって娘同然の存在になっていたのでしょうね。そこまで打ち解けてくれたのは喜ばしいことですが、母としてはかなり複雑な心境で祖母の嫁さがしを聞いていたようです。