
AIとは友達、人前では英語が出ない悩み
AI相手なら、十分に話せる。
でも、実際に人を前にすると、一言も出てこない。
もしそうなら、あなたの英語力の問題ではないかもしれません。

オーストラリアでワーキングホリデーをしていたころ、ピザ屋で働いていました。
そこで飛び交っていた英語が、まったく聞き取れなかったんです。
教科書の英語ではありませんでした。速くて、崩れていて、単語の切れ目すら分からない。何度も聞き返すうちに、相手が眉を上げる。
その一瞬の顔で、僕は言葉を失いました。
家に帰ると、耳の奥がずっとうるさかった。
今日も何も言えなかった、と天井を見ながら思う。英語を勉強しに来たはずなのに、勉強すればするほど、口が重くなっていく。
あのころの僕は、たぶん半分ノイローゼでした。
もしあの時代にAIがあったら、僕は救われていただろうか。
そう思って、去年、実際に試してみました。AI相手に英会話をする。想定は当時のピザ屋です。
結果から言うと、驚くほどうまく話せました。

間違えても誰も嫌な顔をしない。ゆっくり話しても待ってくれる。
単語が出てこなくて「えーっと」と言っても、AIは僕の言いたいことを察して、きれいな英語に直して返してくれる。「もしかしてこういうこと?」と、こちらの言い分を先回りして拾ってくれる。
十分後、僕はかなり気分がよくなっていました。これなら話せる、と思ったんです。
でも、同時に気づきました。
あのピザ屋で僕を黙らせていたものが、ここには一つも無い。
決定的だったのは、表情です。
対面で話しているとき、僕たちは英語だけを処理しているわけじゃありません。
相手の目が笑っているか。うなずきが浅くなっていないか。今の話、退屈させていないか。会話の途中で、相手の顔から情報を読み続けています。
そして僕の頭が真っ白になった瞬間は、いつも「英語が分からなかったとき」ではありませんでした。
相手が笑っていなかったときです。
伝わっていないのかもしれない。つまらないのかもしれない。
そう思った瞬間に、知っているはずの単語が全部どこかへ消える。
あれは英語力の問題ではなかった。今なら分かります。
AIには、その顔がない。だからAIとは話せるんです。
これは、AI英会話が無駄だという話ではありません。
むしろ逆で、正しい言い方に慣れる、口を動かすことに慣れる、という点でAIは本当に優秀です。土台としては最高だと思います。
ただ、その土台の上に、もう一つ必要なものがある。
相手の反応が読めないまま、それでも会話を続ける力です。これは人とじゃないと鍛えられません。
だから、AI相手に十分話せた自分を否定しないでください。あなたはもう話せています。
足りないのは英語力じゃなくて、不安な顔の前でも
勇気をもって話すことなんです
今日のリフレーズTIP
相手の表情が読めなくて不安になったとき。黙る代わりに、こう言ってしまえば会話は続きます。
「伝わってますか?」
Does that make sense?
Am I making sense?
「今の、うまく言えなかった」
Sorry, let me say that again.
I didn't say that well. Let me try again.
「ちょっと待って、考えてる」
Give me a second.
Hmm, let me think.
どれも中学英語です。
でも、この三つを持っているだけで、沈黙が「気まずい間」から「考えている時間」に変わります。
相手が笑っていないとき、黙ると不安は大きくなる。でも一言出せば、相手の顔はたいてい変わります。
今日、どれか一つだけ、口に出して言ってみてください。それだけで十分です。
この記事を書いている人
英会話リスタート&ライフコーチ / Shun
「英会話リスタート」を支える活動をしています。Shunです。学校英語の積み上げを土台に、「自分の歴史を英語にする」完全個別レッスンをしています。NOTEでは、英会話をあきらめた人のためのやり直し方を書いていきます。
