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その癖

    駅や歩道橋の階段を上がってる時、数段先で上ってる人の歩調と自分の歩調が合っていると、それが嫌で途中少しテンポをずらしてしまう。
    理由はうまく説明できないの。
    いったい私はいつからこんな偏屈なおっさんに成り果ててしまったか。我が身にうんざりしていた矢先、作家小林秀雄の短編の中に、こんな趣旨の一節がある事を知ったのです。

    『船に乗っていて、他の人達と同じように揺れることに屈辱を感じる』

    おぅ… これ、同じやんけ。
    知の巨人、世と生を知り尽くした巨匠の感性と、
    これ同じやん。
    以降、駅歩道橋はもちろん、社内、スーパーなどでの階段、同様の場面に遭遇しても心置きなく一拍外しをしている。

    みな誰しも妙な感性趣向があるもので、私は妻の飲み物を飲み干した後やる
    ン…アアァーーーーーーッがとても残念だ。
    妻の方では、私が汁っぽいおかずを口に運ぶ時、白ご飯の上でトントンとやるのがどうやら癇に障るらしい。数十年連れ添って来て、先日初めて聞いた。

    小林先生だったらそのあたりどう思うかなあー


     
     
    真実はディテールに宿る。笑って生きれば人生も愛しいAI無縁、生腕ひとつで書いてま。

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