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Photo byhanky6602

䞉島由玀倫『絹ず明察』

     はじめたしおの人も、前から知っおる方も、ごきげんよう。
     岡埜おかの 由朚叀ゆきこです。

     䞉島由玀倫䜜品の感想蚘事です。↓

     フィクサヌ岡野おかのの暗躍w・∀・

    2025幎11月11日
    文字数玄2300文字


      『絹ず明察』
      1964幎発衚 新朮瀟文庫 1987幎発行

    近付き切れないずころがある

     川端康成も芥川韍之介も倪宰治も、ずりあえず䞀䜜品は読み終えおいるんだが、

     物心぀いた時から、自殺願望ずはたた異なる、粟神症状ずしおの垌死きし念慮ねんりょに苊しめられおきた身ずしおは私は望んでいない。望む声が垞に聞こえおくる、䜜品を読む床に、文章を目で远いかける床に、小説の䞻人公たちず筆者本人は別物である事を小説家ずしおは理解しおいおも、そうした思考に匕きずられおしたいそうで怖い。

     その䞭でも䞉島由玀倫は異色だ。あの堂々たる最期の遞び方に、私だけは魅了されおはならない。確実に远随しおしたう。
    曎に蚀えば私の故郷における芪䞖代にずっおは、文章、あるいは挔説、の無力を蚌明した事件、ずしお冷笑気味に理解されおいた。「小説なんか曞くような奎は、たずたずもな粟神じゃないし、たずもな人生を送れない」などず、酒の垭皋床の堎で、しかし繰り返し断蚀されおきたものである。

     だからこそ䞉島氏の享幎を迎えるたでは、読んでみようず頭に思い浮かべる事さえ䞍可胜だった気がする。

     俺は○○打っおでも死なずに曞き続けおやる、
     みたいに宣蚀しおくれた坂口安吟に、それはそれは絶倧な安心感を芚えるんだ。小説家であるからには私も坂口偎に居たい。


    内容をざっくり

     アメリカ匏経営に移行し尜くそうずしおいた、昭和50幎代の日本で、旧態䟝然の倧家族的経営を続ける駒沢玡瞟の瀟長、駒沢こたざわ 善次郎ぜんじろう。
     ラむバル䌚瀟瀟長、村川の意を汲んだ岡野は、駒沢ず付き合いを求め぀぀氎面䞋で玡瞟工堎の若者たちを操䜜、昔銎染みの芞者も女子寮の寮母ずしお送り蟌み、劎働争議を起こさせる。

     明察、ずいう小説のタむトルずしおは珍しいけどクリアなワヌドず、戊前戊埌の玡瞟業に興味があった事、そしお䞻芁人物の名前が「岡野」だったので遞んだ。

     私の旧姓であり筆名ず同䞀なんだが、故郷以倖ではそれほど芋圓たらないし、創䜜物にもあたり䜿われないから、なるほど、自分の名前が頻繁に出おくるずこんな気分になるんだず、新鮮な気持ちで読み進めた。


    「瀟員は家族」ずか蚀っおる䌚瀟

     䜏み蟌みの工員たちを、「嚘たち」「息子たち」ず呌び、愛情を蟌めお育おおいるず語り぀぀、圌ら䞀人䞀人の顔に名前は芚えおおらず、改善芁望を蚎えた者には「父に楯突く無瀌」を教えるために、懲眰勀務を課す。

       ダバむよねそんな瀟長に重圹、
     っおか珟代にもおるやん普通に。

     アメリカ旅行䞭もマグロの寿叞に喜んだり、劎働争議の第䞀報が入っおも北斎を芳に行くず聞かなかったり、䞍倫盞手ずしっぜり過ごした翌朝倪ももを撫で回しながら「こりゃ本絹や」ずか宣ったり、いかにもな分かりやすい俗物、
       ず蚀い捚お切れたらさぞ枅々しいだろうな。私の目には普段よく芋かける関西商人だ。

     フィクサヌ岡野ず、圌が関わったり差し向けたりした人々の芖点から、話の倧半が進むのだが、同皋床に駒沢善次郎本人はもちろん、肺を病んで長く入院する駒沢の劻や、劎働争議のリヌダヌ倧槻おお぀きの圌女の芖点も入り混じっおくる。
     しかし圌ら党員が芖線を向ける先は、垞に駒沢善次郎なので、気が付けば読者も駒沢善次郎を䞭心に据えお、党䜓を眺めおしたっおいる。

     そんなわけがない、こんな瀟長軜蔑するしかないよ、
     ず思いたい人もいるかもしれないが、気が付けばラむバル䌚瀟の村川を、切れ者かもしれないが、なんかいけすかん嫌な奎に感じおしたっおいるでしょう


    小説の利点にしお欠点

     小説ずいう圢匏の、最倧の利点であるず同時に、合わない人にはどうしたっお合わない欠点にもなっおしたうず、私は思っおいるのだが、
     登堎人物それぞれの、その時々その堎面での心境を、埮现に枡っお克明に曞き蚘す事が出来る。

     䞀人物の内偎にある矛盟も、耇数人物間に生じた誀解や思い蟌みも、筆者だけは正確に把握しお曞き衚し切れおいれば、読者だけは明確に読み知る事ができる状態だ。

     映像䜜品ではそうはいかない。同じ厚みでモノロヌグを入れようずするず冗長になるし、あくたでも衚に出た倖偎から芋お分かる郚分のみが、真実であるかのように存圚させられおしたう。
     時間の制玄も受けるため、劎働争議を起こした若者たちず、瀟長を筆頭ずした重圹たち、どちらが勝぀かどちらが正しいか、皋床の衚局的な理解に留たっおしたいかねない。

     小説だからこそ、駒沢善次郎を䞭心に据えおきた、その圱響が、駒沢善次郎本人も含めた登堎人物䞀人䞀人の内面や、耇数人物あるいは集団の関係性に、埐々に広がり染み枡っおいく様子を読み味わえる。
     珟に最終章である第十章のタむトルは、「駒沢善次郎の偉倧」だ。

     駒沢の思想に経営を、䟮っお嘲笑しおきた者ほど、その偉倧ずやらを芋せ぀けられお慄おののくぞ。
     っおかだから、珟代にもおるやん普通に、なんだよな。恐ろしいだろ。

     たぁ、根本の䞀条においお盛倧に間違っおいるんだが、

     ず私は䞡陣営に察しお断蚀できるんだが、

     ずいう事は䞉島氏にも、圓時の瀟䌚通念に埓っおおり明確な䞻匵はしおいないたでも、間違いを抜出しお明瀺する意識はあったのかもしれない。


    以䞊です。
    ここたでを読んで䞋さり有難うございたす。 

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