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欲望に忠実にならないか?

    岡埜 由木古(偏光)

     はじめましての人も、
     前から知ってる方も、
     ごきげんよう。

     偏光です。

     2024年1月19日夜11時の思考。

    2024年1月24日に一部追記:
     思考にはあったはずだが書き忘れていた事を、
     後日思い出したので。

    (文字数:約1600文字)


     姉妹二人で父に詰め寄っている夢を見た。
     「母をどうにかしてくれ」と訴えている。

     父はニヤニヤ笑っているだけで、
     理解しているとも思えない。
     父が理解しなければどうにもならないのだが、
     としかし我々は父に随分な期待をしているものだ。

     目が覚めたら夜の11時過ぎだった。
     狭い所に縮こまって寝ていたので、
     変な感じに身体がねじれて痺れてもいる。

     やたらと左足のかかとが痛くて、
     洗面所までを少し引きずり気味に歩く。

     薄暗いダイニングを通り抜ける際、
     片隅に置いてある姿見が映したシルエットは、
     先ほど夢の中で父に向け嘆き続けていた、
     母の姿に実によく似ている。

     「キレイか顔はいっちょん似ずに、
      ずんぐりむっくりした、
      見とるだけで笑える身体つきだけ似てしもて」
     と父はよく私を笑ってきたが、
     愚か者め。

     母は自分の顔こそが誉められ、
     愛されてきた事など気付けていない。
     私を見る度に自分まで、
     貶されているのだと思い込む。

     本格的に寝る前に歯磨きをしながら、
     やはりうたた寝では疲れなど取れない、
     と実感しつつも、

     睡魔に負ける過程の感覚も、
     蠱惑的なもので致し方ないと思う。

     40中盤の顔はそれなりに老けてきた。
     「上手くいかないダメな人生を、
      親のせいにしたいんだろう」
     と頭の片隅から嘲笑う声がするが、
     一理ある。

     しかし物心ついた頃から、
     「お前は何をやらせてもダメだ」
     「お前の人生は何一つ上手くいかない」と、
     決めつけて言い聞かせてきたのも、

     もっと多くの人たちに囲まれて、
     楽しく老後を暮らせているはずだったのに、
     あんな子を持ってしまって、
     育ててあげなきゃいけなかったばっかりにと、
     理想通りにいかなかった自分達の人生を、
     いまだに嘆き続けているのも、

     両親であり、

     そもそも私自身は私に対して、
     「ダメ」とも「上手くいっていない」とも
     全く思っていないんだが、
     その評価は何を根拠にしたどこの基準だ。

     貴方たちが「しっかりした良い子を持った」
     とでも思えていれば、
     貴方たちの今の不幸は、
     存在すらしていなかったんだが。

     それ故に私は両親を恨むだけの、
     正当な筋合いがあると信じている。

     恨みがあるからといって、
     個々人に長所や面白みが無いわけでも、
     愛情を一切失ったわけでもない。

     むしろ「ありがとう」を言おうが「好き」と言おうが、
     「お前から言われても気持ちの悪か」だの、
     「ウソでしょ。本当にそう思ってるのなら、
      お願いだから少しはまともになって」だのと、
     聞き入れもしなかったのは両親である。

     愛されない事はもちろんとして、
     送った愛を受け取ってもらえない事も、
     子供心を相当に歪める。


     世間一般的である事しか、
     幸せだと感じなさ過ぎだし、
     幸せになる資格すら無いと思い込み過ぎだ。

     私はそれこそが「毒」だと思う。
     何も私の親に限らない。

     各人がそれぞれに、
     自分個人の欲望に、
     もっと忠実になれば良い。

     その結果地球環境が破壊されるのだと?
     それこそ笑止。

     ただ自分一人が、
     本当に心から望むだけの欲望であれば、
     大した資源など消費しないぞ。
     ああ少なくとも浪費にはならん。

     世間並みでありたい。
     そうでなければ恥ずかしい。
     人から不審がられ嫌われる。
     多くの人から信頼されず慕われない。

     そうしたものが自分本来の欲望からは目を逸らさせ、
     本当には要りもしないものを、
     無駄に大量に欲しがらせる。

     どれだけ得たとしても満足などするものか。
     自分本来の欲望ではないのだから。

     世の不幸などは大半が、
     ただそれだけの話だ。
     目くらいは皆とっくに覚めているだろう。
     己を見詰めろ。

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