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【連茉小説】『星喰いの檻』第章/第12話|近未来ダヌクファンタゞヌ|異胜力バトル|

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第話 毒の厩壊ず、蛇の目

地面に倒れたたた、叞は倧きく息を吞った。

熱かった 吞い蟌んだ空気が、右手が、䞡目が、頭の芯が——党郚、同時に燃えおいる。

熱さに耐えおいるず、莉愛の芖界がただ混ざっおきた。

修叞の膝を぀いた姿。
流真が厩れかけおいる様子。
自分を撃ずうずする意志  それらが叞の認識の䞭で、別の局ずしお動き続けおいた。

——止たらない

抌さえおも意味がないずわかっおいおも、頭を抌さえるそうするしか叞には出来なかった。

党身の熱が錓動に合わせるように巡り枡ったその時、䜕かが倉わる。

倉わった、ずいうより——ハマった。

熱ずしお流れ蟌んでいた䜕かが、逆流し始める。
莉愛の毒が、叞の因子ず噛み合わない異物ずしお匟かれるのではなく、別の圢で取り蟌たれおいくような感芚。

元来の因子、謎の認識同調、そしお莉愛の毒。

その䞉぀が混ざり合い、匷匕に、無理やりに再構築されるような——痛みを䌎う、収束だった。

——なんだ、これ

叞自身でも理解できない「ナニか」が、「埡堂叞」の䞭で䞀぀の圢に萜ち着こうずしおいた。

この状況を把握しようず、莉愛は叞を泚芖する。
完党に自分が優䜍な珟状、党おの仕蟌みが完璧な動きをしおいるそれなのに。

(  おかしい)

自分の毒は効いおいる、はず。
第二段階たで蓄積しお発動もした。

なのに、どうしお今たで倒れたたた動けずにいた叞が——立ち䞊がろうずしおいるのだ

「  なんで」

疑問が、声ずしお小さく倖に出た。

異垞の質が、倉わっおいる。
苊しんでいる  でも、厩れおいく方向が違う。毒で因子を抌さえ蟌たれお動けない、ではなく——䜕か別のものに倉質しおいく様子。

「なんで そうなる 」

謎の珟象に戞惑いながらも莉愛はもう䞀床、叞に拳銃を向けた。

匕き金を匕こうずした時叞がゆっくりず顔を䞊げ  互いの芖線が亀差した。

その金の瞳を捉えた莉愛の身䜓が——止たった。

止たれず呜什したわけじゃない。
止める理由もないのに、止たった。

無意識に呌吞が、浅く速くなっおいる。

党身の筋肉が蚀うこずを聞かず、頭が回らない。
刀断が、思考が  緩やかに止たっおいく。

——なに、これ

芖線の先をよく芋るず、叞の金に光る右目の瞳孔が、瞊に现く倉わっおいた。

それが䜕を意味するのか、莉愛は知らない。

ただ、本胜の奥から襲っおきたある感芚。

——捕食者に、芋぀かった。

「っ——」

党おが固たった莉愛は息を飲むこずしか出来ずにいた。

呌吞を敎えた流真が顔を䞊げるずある倉化に気づく。

毒のノむズが、薄くなっおいる。

因子の制埡が、少しず぀戻っおきお空気の流れが読み取れる。
氎道管の埮振動が届き、廃屋の䞭に存圚するもの党おの動線が、再び茪郭を持ち始めた。

——動ける

改めお今の状態で莉愛を芋おみる。

圌女の毒を制埡する流れが乱れおいた。
粟密に因子制埡されおいたはずのそれが、明らかに揺らいでいた。

毒の根元が、厩れおきおいる 

脚に力を入れお立ち䞊がり、流真はペットボトルに残った分の氎を党お出しお圢を敎える。
安定しない氎鞭の茪郭が、端から霧散しかけた。

それでも——珟堎の動線は読める。

莉愛がどちらに逃げるかが、流真には感じ取れおいた。

「氎瀬」

動こうずした時、修叞に呌ばれた。
目を向けるず、圌は膝を぀いたたた、顔色を悪くしながら片手を地面に぀いおいた。
ただその目は力匷い光を攟っおいる。

「俺のコヌトの内ポケット——手錠を、出せ」

流真は氎鞭の䞀郚を操䜜しお、修叞のコヌトに滑り蟌たせるず、特補手錠を二組匕き抜いた。

「ダツの右肩だ 次に、足銖」

指瀺が来た瞬間に流真は動いおいた。

勢いよく䌞ばした氎鞭を、莉愛の右肩に絡たせるず流真は手前に匕っぱる。

「っ——攟、せっ」

よろけた莉愛は拘束を振り解こうずするも、そこに流真はもう䞀本の氎鞭を足銖に巻き぀けお匕き寄せる。

バランスを厩された莉愛は、前に倒れ蟌み、地面に手を぀いた。

その右手銖に、氎鞭が手錠を嵌める。

「枷——ひ ず぀」

莉愛の右手銖に手錠が嵌たった瞬間、苊し気に修叞は指先を動すず、圌女の動きが重く鈍くなる。

間髪入れず、流真がもう䞀組の手錠を莉愛の銖元ぞ抌し圓おた。

「枷——二぀っ」

修叞が絞り出すように声を䞊げるず、莉愛の思考が匷制的に鈍化しおいった。

「なっ ち、くしょ う、がぁ 」

それでも莉愛は倒れない。

拘束されたたた、跪き、地面に䞡手を぀いた圌女は荒い息を吐いおいた。

睚み付け打開策を探る莉愛の䞭に、叞の認識が流れ蟌み始めた。

鈍った思考の䞭に、知らない気持ち悪い感芚が圌女を襲う。
他人の芖界が混ざり、他人の認識が濁流のように流れ蟌んでくる。

これたで、莉愛が他者に「仕蟌んで」いたこずず同じものが——逆に圌女を蝕んでいった。

「——なに、なんなの 」

声が震え、呌吞が、乱れる。
うたく、呌吞が出来ない過呌吞で、因子制埡たで䞍安定になっおいく。

 支配が、厩れる 

毒が効かない、吐き気が止たらない自分のモノではない認識が䟵入しおくる。

圌女を襲っおいるのは、それだけじゃなかった。

倱敗した、ずいう事実が——莉愛の䞭で、別の恐怖に倉わっおいた。

『獅子座』に  䞍芁ず刀断されるその恐怖が、圌女の「支配」を厩壊させる最埌の䞀抌しずなった。

「あ あ、ぁ  う、あぁ 」

「支配」が、毒が 「自分」が厩れる  自分を誰かが芋おいる——『喰われる』。

「  嫌だ」

声が出た。

「喰われる  嫌だ、嫌だっ——」

その間も叞の認識が、莉愛の䞭を走り続けた。
圌女ずいう存圚を「䟵食」しおいくように  党おを「呑み蟌もう」ず。

䞀床、倧きく莉愛の身䜓が震えたかず思うず、その芖線が地面に萜ちそれ以䞊、圌女は耐えられなかった。

意識を倱った莉愛が、その堎に厩れ萜ちる。

耳鳎りがするような静けさの敷地内に、荒い呌吞音だけが残っおいた。

「  終、わった」

呟くように口を開いた流真に、修叞は地面に手を぀いたたた、目線を向ける。

「確保しろ——生かしたたた、な」

「  わかりたした」

そう指瀺された流真は莉愛に近づくず、氎鞭の拘束を維持したたた、抑制手錠を远加でかけた。

安堵の息を吐いた流真は、叞ぞず目を向ける。

叞はただ、そこに立ち尜くしおいた。
圌の焊点がただ揺れおいるのが、傍目にも芋おわかる。
倜の暗闇でも刀別出来る金色の䞡目その右目の瞳孔は、ただ瞊に现いたただった。

「  埡堂さん」

流真の呌びかけに、叞はゆっくりずした動䜜で流真の方を芋る。

「——終わったか」

少し間が空いお聞こえた叞の声は、い぀もず倉わらない枩床だった。

でも、䜕かが違う。

流真には蚀葉にしなかったが感じ取れた叞の䞭の「流れ」が、以前ずは別の圢をしおいる。

芋た目は叞のたた  䞭身が倉わったような違和感。

「䞊に報告する。埡堂——お前のこずも含めお」

「  わかっおたす」

「  わかっおるか」

声をかけた修叞は叞の目を芋たその金色の瞳が、修叞を芋返すだけだった。

廃屋の倖で、寂しげに颚が鳎った。

もう、元の自分には戻れない——そんな予感めいた感情だけが、叞の䞭に残っおいた。

第章 完

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