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ただの日記#59(2025.02.02〜2025.02.08)

    空腹と俺とねこの中の人のただの日記
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    2025年02月02日(日)

    映画「孤独のグルメ」を観に行く。私は最近Youtubeで初めてドラマ版の孤独のグルメを観た。学生時代に原作の泉昌之の「かっこいいスキヤキ」を読んだことがあり、ドラマになる、という話を聞いてどうやってテレビドラマにするのかなあと思ってそれきりだった。
    シーズンも10を重ねるというから、もうたくさんの方がご存知のことと思うが、面白いなと思った。「こんなに美味しい!」とか「こんなテーマ!」とか押し付けてこないのが不思議と新しく感じる。ゴローさんはあくまで自分の感想を言っているだけで、共感を求めてこない。リベラルだ。
    映画館の客層はシニア世代の人が多かったと思う。60代くらい(多分)のご夫婦が館内で飲み物を買いながら「映画観にきたの子供の頃のドラえもん以来だなあ……」というような話をしているのがなんだか良かった。休みの日にちょっと出掛けて、ついでに美味しいもの食べて。そういう時に観に行くのはきっとこういう軽い映画がいいのだろう。
    思えば最近は重い映画や本ばかり読んでいて、こんな感じを忘れていたように思う。帰りに昔行きつけた喫茶店でランチを食べた。外出するのは気持ちがいい。

    2025年02月03日(月)

    ずーっと奥歯にものがはさまったような物言いをしておりましたが、ざっと説明いたしますに、会社で所属の人間の退職がありまして、人員の補充が見込めず、私の管轄の仕事量が単純に倍になり、「能力以前に物理で無理だと思うんですが……」という訴えも虚しく、なぜか他の部署で退職者が出て溢れてしまった仕事をお前が受け持てみたいに話になり、「仕事が3倍になるということが足し算でお分かりになりますよね……?」という交渉(?)をこのところしています。
    体だけは壊したくないと思う。こんなことで。

    2025年02月04日(火)

    いとうせいこう著「福島モノローグ」を読む。著者が震災被災者に取材したもの。いくつかの話の中で「THE LAST  PLACE」という復興住宅に住む九十六歳の女性の話が心に残った。
    私は、市井の人たちの話を採取した、という体裁の本が好きだ。多分、自分が普段理解できないままになっていることやものそのものが書いてあるからだと思う。
    「THE LAST  PLACE」は話者が震災後復興住宅に住むまでを語った話ではあるが、それよりずっと以前の子供の頃の話や戦争の話、最近のオレオレ詐欺の話まで地続きに混ざっている。それは、一人の女性の人生を語る正確なあり方で、私たちがメディアで情報を得るときに忘れがちなことだと思う。
    この女性は、色々な出来事を、その時々に楽しかったり悲しかったりしながら、ずっと生きてきた。そうした人たちを私はすごく愛しく思う。母や友人や、周りの人たちに似ているからかもしれない。昔、自分が当事者として経験した「社会的な出来事」をメディアなどで紹介された時に感じた違和感を思い出す。自分はそうやって他人を、できればでしかないが、消費したくないと考えている。どうしたらいいかはわからない。いくつかの文章を書き写した。また同じような文章に出会ったら書き写して、この、うまく言えないなにかについて考えようと思う。

    2025年02月05日(水)

    今年のお正月に母と海を散歩している時に「お母さんあそこに泊まってみたい」と母が山の上に見える建物を指していうので、調べてみたら高級リゾートホテルだった、ということがあり、予約などの手配をする。ずいぶん長い間家を出なかった人だから贅沢をさせるだけさせようという娘の魂胆である。少し残った父の資産でできる範囲になりますが。(私はもともと自活しているのでこのお金を母のために使うつもりでいる)
    実家から移動距離が少なく、静かで、プライベートのお風呂つき。
    朝の朝礼の時に「このホテルの条件は、病気のあった父が行くことのできた宿泊施設の条件を満たしているのでは……?」ということを思いたつ。
    バカだなあ。生きているうちに父が母と行けば良かったのに。
    と思った途端に泣き出す。
    みんな、ほんとに。生きているうちに楽しんでください。お金なんて残しても仕方がないから。

    2025年02月06日(木)

    地元の学校で「お仕事の話」というような企画があり、支店の方が頼まれたのを補助に行く。
    色々あって、午前中、出発のギリギリの時間まで企業との面談があり、終わると同時に電車に飛び乗り、駅についた頃には眩暈がするほど空腹で、明るくない土地で食事の取れる店を探す羽目になる。
    「ああっ! これ観たやつだ!!」
    と途中で思う。日曜日の「孤独のグルメ」の映画である。特に特別な店には入りませんでしたが。腹へった!(オイオイオイ!)

    2025年02月07日(金)

    来客。打ち合わせ。外部出張。
    出張先での会議が夜の9時すぎになることが事前にわかっていたので、ホテルが準備してある(自腹)。
    ニュースで寒波と雪の予報が出ていると知り、むしろ「電車とまるといけないので…」という理由で早く帰りたかったとホテルをとったことを後悔する。
    会場が寒く、ここのところ忙しかったせいも重なってか、会議中に著しく体調を崩す。
    会場を出ると前を見て歩けないほどの雪で、ホテルに着く頃には髪がシャーベット状になり、風呂で体を温めて布団に潜り込んだ。吐き気と頭痛で他になにもできない状態。
    「ホテルとって良かった……」
    と思ったんだけど。良かったのかなあ。うーん。なんだかなあ。

    2025年02月08日(土)

    復調せず。
    出張先はまだ雪で、泊まったついでに朝食が評判の店に行こうと楽しみにしていたのだけれど、帰れなくなると本当に困るので早々に帰宅する。
    帰宅後、もう一度風呂に入る。午後まで眠る。
    このままではいないぞ、と思う。こういう働き方は良くないね。上手に調整します。

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    小説(ショートショート)を書いています。オンライン文芸コミュニティhoshiboshi運営スタッフ(星々ラジオ担当)。

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