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ショートショート サラダバス

    「えー。コンビニ経由、食卓行き。お乗りの方は3番線にお越しください。」
    緑色の車体に白抜きでサラダバスの文字。サラダ専用バスだ。
    「ご乗車の方、お名前をお願いします。」
    バスの入口前で運転手が言った。小鉢が駆け寄る。
    「グリーンサラダです。」
    「はい。グリーンサラダ。どうぞ。」
    運転手がクリップボードにメモをとる。
    「次の方。」
    「ポテトサラダです。」
    「ポテトサラダ。次の方。」
    「マカロニサラダです。」
    「え? 待って。」
    運転手がマカロニサラダを引き止めた。
    「君、野菜入ってなくない?」
    マカロニサラダが心外そうな顔をした。
    「サラダって名前なのに?」
    「そうだけど……。」
    マカロニサラダが勝手にバスに乗り込む。
    「サラダ味煎餅です!」
    煎餅が大声で言った。運転手が戸惑う。バスが勝手に走り出した。運転席にさっきのマカロニサラダがいる。悲鳴を上げた。無情にも走り去っていく。
    「……やめてやる。こんなバス会社。」
    運転手が涙目で呟いた。
    「脱サラだ。」

    ショートショート No.393

    本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です

    たらはかにさんのゆる企画「毎週ショートショートnote」に参加しています
    今週のお題は「サラダ」「バス」です。


     
     
     
    小説(ショートショート)を書いています。オンライン文芸コミュニティhoshiboshi運営スタッフ(星々ラジオ担当)。

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